藤代 おはようございます。おはようございます。今朝は水曜日に発表されたGDP統計が、マイナス成長になったことについて。

J.K.:これまで日本の景気は順調とのことでしたが・・・

藤代 GDP成長率は年率マイナス0.6%と小幅ですが、2015年10-12月期以来、9四半期ぶりにマイナス成長となりました。この1-3月期に限って言えば、景気が足踏みしたことになりますが、これは予想通りの結果でほとんど違和感はありません。

J.K.:原因はどういったことなのでしょうか?

藤代 まず野菜の値上がりによってGDPの6割を占める個人消費が増えなかったということが大きいです。ここだけを聞くと、野菜が値上がりしただけで景気の腰が折れたように聞こえるかもしれませんが、この1-3月期はたまたま消費以外、企業の設備投資や輸出が下押し方向に効きました。

J.K.:先行きはどうなりそうですか?

藤代 先にお伝えすべきこととして、今回示されたGDPは「速報値」といって、仮置きの数値がたくさん使われた「暫定値」に近い位置づけです。したがって、この後の改定作業を経て、プラス成長に変わることも十分に考えられますので、現時点では、景気が急に悪くなったと判断する必要はないでしょう。そのうえで先行きを展望すると、一番重要な個人消費は、足もとで雇用者数が増加してかつ賃金も上昇基調を強めていますので、かなり高い確率で再び増加すると思います。次に設備投資は、今回の数値は不可解に弱かったのですが、足もとの企業収益の強さから判断すると、先行きは持ち直す可能性が高いです。最後に輸出についてはアメリカで大型減税の効果が出てきますから、アメリカ向けを中心に伸びる可能性が高いです。以上を踏まえると、日本経済は経済成長率はプラス成長に戻る可能性が高く、これは多くのエコノミストがほぼ同じ見解です。