藤代: おはようございます。今朝は日本の景気回復が戦後2番目の長さになったことについてお話します。

J.K.:株価は25年ぶり高値ですが、やはり景気は良いのですか?

藤代:まず景気が良いか悪いかは個人の感覚によって違いますが、客観的な基準から見ると、やはり景気は上向いていると判断するのが自然です。この裏付けとなっている景気動向指数という指標は、足もとまでの58ヵ月、ならしてみると改善基調にあります。これは1965年11月から1970年7月までの「いざなぎ景気」を抜いて、戦後2番目に長い回復です。

J.K.:この傾向は続きそうでしょうか?

藤代:目下の世界経済、日本経済をみる限り、景気が減速に向かう気配は感じられません。世界景気は不気味なくらい安定していて、先進国、新興国問わず、順調な回復経路を歩んでいます。日本では失業率が歴史的低水準に低下するなかで、株価は1990年代前半の水準まで持ち直しています。

J.K.:ということは戦後最長の更新もありうるわけですね?

藤代:戦後最長の景気回復は2002年1月から2008年2月までの73ヶ月です。結論からいうと、それを更新する可能性が高いです。今の景気拡張が58ヶ月目ですから、あと15ヶ月、すなわち2019年1月まで景気回復が持続すれば、戦後最長を更新します。先ほど申し上げたとおり、現在の状況を見る限り、景気が悪化に向かうのは相当な距離がありますから、多少ペースは落ちたとしても景気回復の流れが続くと思います。ただ、最後に注意したいのは、今日お話したのはあくまで、景気回復の「長さ」に限ったことです。決して戦後最大の「強さ」の景気回復という意味ではありませんので、そこは区別が必要です。