藤代:おはようございます。ちょうど4年前の今頃、黒田日銀総裁になってから、超低金利が続いていますが、最近はそれを象徴するような新たな金融ビジネスが台頭しています。「ソーシャル・レンディング」というもの。

J.K.:social=社会 Lending=貸す、という意味ですね。どういうことですか?

藤代:最近はシェアリングエコノミーといって、インターネット経由で自動車、住宅などを"貸し借り"して活用する文化が芽生えつつあります。そのおカネ版がソーシャル・レンディング。要するにおカネをネット経由で人に貸すことによって、利子を受けとるというもの。日本で家計が保有する金融資産は1800兆円、企業の内部留保は360兆円と共に過去最高を記録していますが、その中で "すぐに使う予定のないおカネ"の活用方法の一つとして注目されています。預金金利がほぼゼロですから、少しでも高い利回りで運用したい人の人気を集めているということです。

J.K.:大体どれくらいの利回りがあるんですか?

藤代:多いのは3-5%くらいですが、高いものだと10%を超えるものもあります。期間は3ヶ月程度のものから長いものだと数年と幅があって、1万円くらいから投資可能できます。10年国債の利回りは0.04%、35年の住宅ローンが1.5%くらいですから魅力的な利回りだと思います。

J.K.:すごい利回りですが、注意点は?

藤代:当然のことながら、自分の出したおカネがどこに貸されるか、に尽きます。貸し出し先が借金を返済できなければ、おカネは返ってきません。貸し出し先の安全性を確かめるのはプロでも難しいので、それを理解しておカネを出すことが重要。実際、利回りの高い案件は新興国に絡んだものが多いですし、国内事業であっても、新規事業の立ち上げに関係するものだとリスクが大きいのが事実です。このように多少の危険は伴いますが、投資の一貫として、少し試してみるのは面白いかもしれません。