藤代:おはようございます。いよいよ「日米首脳会談」が、日本時間の今日から行われます。
J.K.:自動車メーカーに対する批判、この点が問題になりそうですね。
藤代:まず数字を整理すると、自動車は、日本が米国に年間で4兆4000億円ほど輸出している一方、米国からの輸入は僅かに900億円程度に留まり、50倍くらい差があります。トランプ大統領はここに着目したようです。
J.K.:でも、日本の自動車メーカーはアメリカ国内でたくさん作っていますよね?
藤代:日本の自動車メーカーは日本からの輸出よりも米国での現地生産が基本。輸出が年間約170万台である一方、米国国内の工場で生産しているのは2.5倍にあたる約390万台。1985年に日米貿易摩擦が問題となってからは、日本車の米国内での生産がほぼ一貫して伸びている一方、輸出は20年くらいほとんど横ばいなんです。
J.K.:それにしても、なぜそこに矛先が向き、。
藤代:日本でアメリカ車が売れないことに不満を持っている可能性があります。アメリカ車の日本におけるシェアは僅かに0.3%なので、不満を持つのはわかりますが、アメリカ車が日本で売れない理由は政治で解決できないと思います。日本はアメリカ車に関税をかけていないし、同じような条件で競争しているドイツ車は5%以上のシェアを持っていて、近年拡大傾向にあります。これらを踏まえると、結局は燃費性能や車体の大きさに問題があるように思えます。つまり、日本の自動車メーカー、あるいは政府がアメリカのためにしてあげられることは、ほとんどない。ちなみにアメリカは日本車に2.5%の関税をかけているので、むしろ日本の競争条件が改善される可能性すらあるのではないでしょうか。