J.K. 注目すべきイベントについて教えて下さい。
藤代: 15日のFOMC、16日の日銀金融政策決定会合。
日米の金融政策決定会合が連日である。FRBは、6月3日に発表された米雇用統計が驚くほど 弱かったので、利上げを見送るだろう。利上げの可能性はせいぜい5%くらい。他方、日銀の追加緩和を予想する声は比較的多く、実際、日経新聞の調査では、23%の市場参加者が追加緩和アリと予想している。私は追加緩和ナシと予想しているが、15-16日は株・為替ともに大きく変動しそう。ちなみに、職務放棄するわけではないが、日銀の政策を予想するのはコインの裏表をあてる世界。
JK 日銀が国債を買い続け、財務省が赤字国債発行し続けていますね?
藤代 「ヘリコプター・マネー」と言って、文字通り、空からおカネをばら撒く政策(さすがに実際、財務省の職員がばら撒く訳ではないが)。消費増税の先送り議論が盛り上がった先月から、ヘリコプター・マネーという言葉が話題になっている。よく、金融緩和のことを"おカネをジャブジャブ"にする政策と言うが、その表現は違和感を覚える。本当におカネをタダで配っている訳ではなく、実際は、民間銀行が保有している国債を日銀が買って、その代金を現金で支払っているので、それをジャブジャブと表現している。要するに債券とおカネを交換しているに過ぎない。「ヘリコプター・マネー」は、本当にタダでおカネを配る政策。それを聞くと、人々は嬉しくなる。そして実際におカネを使うかもれない。これが政策の狙い。あまりに馬鹿げた政策と思うかもしれないが、前FRB議長のバーナンキ氏はこれに肯定的。