RADIO SAKAMOTO

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LATEST:200705

「坂本龍一です。2ヶ月に一度お届けしているレディオ・サカモト。皆さん、ご無事でしょうか。ねぇ、コロナ禍になってもう4ヶ月ですよ。あの、またね、東京の感染者が増えたりして、まだまだ安心できるとは言えないですね。抗体が出来ても……抗体が出来ないという話もあるし、出来てもまたかかるという話もあるし、またワクチンが開発されたとしても、そのワクチンが、インフルエンザ並みに3ヶ月くらいしか効かないんじゃないかという専門家の意見もあるし。となると、うーん、相当長くこれは付き合っていかないといけない……生物学者の福岡伸一さんなど、他にも見ましたけども、コロナと共生していかなければいけないというようなね、ことを言っている専門家もいます。まぁ、本当にこう、自然が相手ですから、完全に撲滅するとかっていうことはできないんで、なんらかの形で共生していくしかないですね。えーと、それで僕はといえば、まあ、相変わらず引きこもりなんで……あのー(笑)、プライベートスタジオに籠もって、日々黙々と作業をしているんですけども。まぁね、ニューヨークはこの感染の山が、ものすごく下ってきてですね。本当に一時は大変だったんすけども、そこにきて今度はあの『Black Lives Matter』ね。警官によって黒人が、カメラの前で殺されるということを巡って、もう1ヶ月以上経ちましたね。あの、毎日のように全米で未だに抗議が続いていますけども。で、警察に対する予算削除とかですね、ま、アメリカの学校では警官が常駐してっていうこともあるんですけども、そういうことの見直しとかですね。もう本当に各地でいろいろな見直しが起こっていて、これがどこまで続くか。それで今年は、4年に1回の大統領選の年でもありまして、11月なんすけど。この状況が11月まで続くのかどうかね、誰も分からないわけですけども。どうなりますかね、本当に。うちもあの……1歩外に出ると、とても騒々しいんですけども、僕はもう、ほぼ出ないですから(笑)、家の中にいます。」

<対談:後藤正文さん『Dのミーティング』について>

「まずは近況報告ですね。とは言っても日々、自分のスタジオに籠もってね、まぁコツコツと……音楽を作っているだけなので、大した話じゃないんですけど。3月に発売されて、この番組でも紹介したんですけど、200点限定でリリースしたボックスセット『Ryuichi Sakamoto 2019』が、ありがたいことに完売となりました。ありがとうございます。で、その続編2020版……まぁ来年の3月ぐらいに出ることを目指してですね、さっそく次の制作に向けて打ち合わせを始めました。毎回ね、違うアーティスト或いはデザイナーに頼んで、仕様とかルックスとか、全て一点ごとに違うものにしようということで、そういうコンセプトで始めました。だからもう、その2019をもう踏襲しない。だからなんか、どうなるか分かんない(笑)……楽しくていいですね、分かんなくてね。あと、割と僕はこのところ定期的にやってんのがね、日曜日にやっているんですけど、あの、"Dのミーティング" っていうのをやっているんですね。まぁそこにGotchが入ってんですけど、で、他にもっと……まぁGotchは僕より相当下ですよ、僕の子供と言ってもいいんですけども、そのメインとなっているのは20代の人たちで、Gotchよりも……まぁGotchの子供とは言えないかもしれないけど、だいぶ下の弟、妹ですかね、20代ですからね。その人たちに、40代のGotchと60代後半の僕がポツンというね、そんなミーティングを毎週やっていますけども。で、 "D" とは何だ、ということで、リモートでやったGotchと僕の対談を聞いてください。」

坂本「えーとあの、ここでGotchさんに登場頂きました。」
後藤「はい。」
坂本「Gotchとは、2012年『NO NUKES』という音楽フェスをやり始めてから、ずっとまぁ毎年のようにいっしょにやってきまして、それが去年まで……2019年まで続いたんですけども、まぁこの数年、マンネリ感を僕らも感じてたんですよね。」
後藤「ありましたね、はい。確かに。」
坂本「もちろん、毎回新しいバンドとかアーティストを、なるべくその若いアーティストなんかを招いてはいるんですけど、どうしてもなんかこう顔ぶれが、いつも毎回同じような感じっ……ていう。それから多分、聴きにきてくれているお客さんたちも、まぁ出ているバンドとかアーティストがなんかちょっと似かよっちゃっているから、多分来てくれて頂いているお客さんたちも、似かよっちゃっていたか広がりがないなぁという感じをひしひしと感じていましで、とうとう、ちょっとやり方を変えよう、ということで、若い人に1回任せてみよう、ということで。」
後藤「そうですね。」
坂本「若者代表のGotch……って若くないのか、もう(笑)」
後藤「(笑)……若くないです。」
坂本「より更に若い、まだ20代の人たちに声をかけて、全然新しいやり方でやれないかなぁということで、今、一生懸命揉んでるところなんですよね。」
後藤「なんかでも、若いメンバーが入ってこう、様々な世代で企画しているので面白いですね。」
坂本「ですよね。」
後藤「本当に、最近その主催に入ってくれてる二十歳の子たちと頻繁に、まぁ話す機会があるじゃないですか。」
坂本「はい。」
後藤「こないだ話を聞くと、やっぱり僕ら世代の40代とか、ちょっと下の30代よりも、20代とかそういう子達の方が政治への意識が高いんだっていう話を聞いて、頼もしいなって、やっぱり思いましたね。」
坂本「そういう感じしますよね。数年前の安保法制反対のいろいろな抗議活動があった時も、彼らはまだ20代前半で中心になってやったし、あの時は更にその下の高校生たちとかもデモに参加したり、ラップみたいなのやったりとかですね。すっごい頼もしい若い世代が出てきたなぁと思って喜んでいたんですけども。確実に育っている子たちもいますよね、本当に。」
後藤「本当にそう思います。彼らからしたら多分、このままいったら未来は暗いんだみたいな気持ちってのが、僕らの世代よりももしかしたら強くて、そういうところがこう……社会参加への意欲というか、もちろん "D" のコンセプト。まあ、今がCだとすると、その次、新しい……」
坂本「つまりこれ、あの "D" っていうのは、僕ら自体もそのDってのは不明なんですけど、なんとなく更新されていくし、これから作っていくものだし、来年になったらまた随分中身が変わっているかもしれないような、なんかよく分かんない不可解なもの……です。で(笑)、今あのGotchが言ったのは、Cの先が、まあDだから……Cって、もしかして "capitalism" のCですか?」
後藤「そうかもしれないなと僕はあの、ちょっと思ったりもしましたねー。ここに一つの行き詰まりがあるんじゃないかていうのは、わりと広い世代で、僕らみたいな……僕らみたいなっていうわけじゃないですけどね、いろいろ本読んだり、アートに触れたりしてると、どうしても突き当たる問題かなっていうのは思いますね。」
坂本「そうですね。最近あの……Gotchも付き合いがあって、僕も何度かお会いして話したことがある、非常に若い研究者、まだ30代前半の斎藤幸平さんというね、非常に優秀な研究者がいまして、彼と話したりすると非常に勇気付けられるし、理路整然とものを考えていてですね、この先があるんじゃないかというね、希望すら湧いてきますよね。」
後藤「そう思います。もちろん、坂本さんとか早い段階からいろんな運動への参加があったと思うんですけど、僕もなんかその、そこに引き続く、というか繋がるような意識でいろいろ参加して、周りに人がいないみたいな、あれ、俺だけ?みたいな気持ちって、やっぱりどこかにあったんですけど、ここに来てやっぱ斎藤幸平さんもそうですし、その若い世代……ちょっと遡ればSEALDsのみんなが出てきてくれたこともあるし、あれ、一人じゃないぞ?みたいな気持ちに最近はなれるのが嬉しいなと思って、そこかしこに新しい人たちが声を上げてるってのは嬉しいです、本当に僕も。」
坂本「それでだから、そういう若い研究者の方とか、だけではなくて、いろんなアーティストとか、もちろん女性を含めて、いろんな人を招いてオンライン上で、そういうなんていうのかな……皆のディスカッション、トークみたいなことを、7月の中旬から始めていこう、ということですよね。」
後藤「そうですね。それでちょうどお話にも出た斎藤幸平さんがレギュラーメンバーとして、あの、放送には参加してくださるということで、僕ら一般市民からすると、経済学ってちょっと遠いところもあるかもしれないんですけど、いろんな疑問に答えてくれそうで、理解が深まるかなぁと思って、ぜひ見て頂きたいですね。」
坂本「それを出来たら定期的にやっていって、僕ら自身のその "D" への理解とか、Dの考察みたいなことを深めていこうという趣旨ですね。」
後藤「そうですね。答えのない……"D" ってなんだろっていう、次の時代の中心にくるような考え方って何だろっていうのを、広い世代で……」
坂本「仮に、そうそう。」
後藤「考えてるのは、とてもスリリングだし、すごい勉強になってます、今。これこそがなんか、対話っていうか、こうやって難しいけどやっていくしかないんだなっていうのが。でもワクワクします。」
坂本「あの、もともと原発の問題っていうのを中心にやっていたんだけども、もちろん僕たちが抱えている問題っていうのはそれだけではない、って……格差とか、要するに格差という一種の経済問題とか、大量のゴミの問題とか、温暖化の問題とか、もう……本当に一つ取り上げただけでも話が尽きないほど問題がたくさん深くあって、ただ、それらを総合するような観点っていうのかな、一挙に解決に向かえるような宝みたいなやり方はないかもしれないけど、少なくともそういう視点っていうかな、方針していうか、そういものだけその現状より先の、より良い未来というか、そこに辿り着こうという……こう、なんというのかな、一種の地図みたいなものが提示ができればね、あの本当に嬉しいなって思ってるんで、まぁそういうことを一緒に深めていくようなことを、やっていこうとしていて。とりあえずの直近のゴールとしては、来年の3月にその "D" という、まあ、いろんなイベントが合わさったようなものを……だから音楽あり、トークあり、パフォーマンスあり、みたいなものを今やろうと、一生懸命……鋭意努力中です。」
後藤「そうです、はい。ラジオを聴いてる皆さんにもね、参加して頂きたいですよね、ぜひ。」
坂本「ぜひぜひ参加してもらいたいです。」
後藤「はい。」
坂本「というわけで、Gotchさんには出てきてもらって(笑)、すいませんけど、そういうわけなんです。よろしくお願いします。」
後藤「はい、こちらこそ、よろしくお願いします。」


■D2021
https://d20xx.com

<エンタメ業界、映画業界の未来を支えるための基金>

「このコロナ禍、本当にいろんな職種が大変だと思うんですけども、まぁ我々、音楽とか、僕たちの仕事に近いエンターテインメント……あるいは映画、演劇などですね、アートとか。本当に大変なんで、そのライブエンタメ従事者支援基金の "Music Cross Aid" 。それからミニシアターですね、映画の。ミニシアターを救えっていうプロジェクトもありまして、"SAVE the CINEMA" について、関係者の方からメッセージを頂いていますのでご紹介しますね。」

『Music Cross Aid』 野村達矢さんからのメッセージ
「日本音楽制作者連盟で理事長をやっております、野村達矢でございます。坂本龍一さんとは、2018年にグレン・グールドのイベントがございまして、そこでサカナクションの山口一郎がお世話になりました。その節はどうもありがとうございました。今、音楽団体3団体……我々の日本音楽制作者連盟と、日本音楽事業者協議会、それと通称ACPCと言っているんですけども、コンサートプロモーターズ協会、この音楽3団体によって、"Music Cross Aid" という基金を立ち上げました。これはライブエンターテイメントに携わる従事者の方々が、2月26日のイベント自粛要請以来、コンサートが出来ない状態、ライブが出来ない状態なっている中で、仕事を失っております。我々、ライブエンターテイメントの世界は、残念ながらどこよりも早く、2月26日からロックダウンというような状況で、仕事ができないような状況になっております。なので、普通に当たり前のようにやってきたライブも、皆さんのもとに届けることもできないような状況がずっと続いています。ライブエンターテイメントの未来を支えていく為には、今までいっしょにやってきたこういうスタッフだったり、そういうチームは、誰でもどこでも出来るわけではなくて、やっぱりそれぞれの人たちが、ステージに登ってるセンターにいるアーティストだけじゃなくて、いっしょにやっているスタッフも、一人ひとりが一つの表現者であったりします。そういったことも含めて、こういう人たちを支えていかないと、ライブ、エンターテイメントの未来はなくなってしまいます。そういうことも含めてですね、この基金にご協力頂けたらなと思いますので、ぜひともよろしくお願い致します。坂本さんもぜひ協力頂けたら嬉しく思いますので、よろしくお願い致します。」

『SAVE the CINEMA』 舩橋淳さんからのメッセージ
「こんばんは。映画監督の舩橋淳です。この2〜3ヶ月ですね、コロナの影響で皆さん、自粛なり活動が停止したという方は、たくさんいらっしゃったと思うんですけれども、日本の映画界でも甚大な被害が出てきています。皆さんの中でも、ご存じの方が多いと思うんですけれども、特に映画館の中でミニシアターと呼ばれるアート系の映画を上映する映画館が、本当に立ち行かなくなってきたと、いうことをいろんなところから聞きまして、映画関係者……映画館のもちろんオーナーから映画監督、脚本家や、その作り手の方々、そして配給会社の方々など、多くの方が立ち上がって、なんとかこの状況を打開できないかということでやってきました。僕らもいっしょにいろいろな方と連帯して話すようになったのが4月の最初なんですけれども、最初は僕……舩橋淳や諏訪敦彦監督、そしてコミュニティシネマっていう日本中の小さなミニシアターを繋ぐ団体ですね……が、一緒なってお話を始めて、であと何人か、深田晃司監督やいろんな監督、プラス興行の方、配給会社の方々もいくつか集まって、皆さん話してきたんですけれども、そこで "SAVE the CINEMA" という名前を付けて、活動をやっていこうとなりました。なんとかミニシアターを救う為にどうしたらいいのかっていうのを、みんな自粛している中でオンラインで会議を何度も重ねて、その中で出てきたものの1つとして、政府に助成金をなんとか……公的支援をもらおうという活動がありまして、それを継続的にやってきました。同時にですね、我々の兄弟プログラムとして、"Mini-Theater AID" っていうことで、深田晃司監督や、濱口竜介監督や、あとMotionGalleryというクラウドファンディングのサイトの方々など、映画関係者の方々がクラウドファンディングを立ち上げて、最初は1億円をなんとか、これでも望外な額だったんですが、なんとか1億円集めて、日本中のミニシアターに緊急支援を配ろうと。というのは、政府がまだ支援策っていうのが4月の段階では本当に遅々としていまして、その前に、支援策があるにしろないにしろ、あったとしても届く前に潰れてると、いうような状況が続いていまして。で、それを立ち上げたら、なんと3日も経たないうちに、50時間くらいで1億円を突破して……で1ヶ月の間に3億3千万。約3万人の方々から支援を頂いて、ものすごい額が集まったんですね。全国の110館以上あるミニシアターに、約1館当たり300万円程の支援を配ることができるようになりました。これは本当に全国の映画ファンの方、映画を支えていきたいという人々の想いが集まったと思っています。なので本当にそれには感謝したいと思っているんですけれども、それがまず一つありました。ただ、これは緊急性の対症療法ですね……もう、今なんとかして欲しいっていうことがありまして、そこで皆さんが立ち上がったんですが。同時に政府にも、これからコロナ禍が続いていくなかで、今、自粛期間が明けて、少しずつ映画館が再開していきますが、かといってフルに再開できるわけじゃなくて、間引き運転ですね……席の数を半分にしたり、1/3にしたりして映画館がやっています。ということはどんなに満席になっても、1/2、1/3しかないわけですよね。そしたら長期間でみたときに、ダメージが非常に大きい。そういう長期に渡る支援をなんとかしないと、ミニシアターがいずれ立ち行かなくなるだろう……ということで "SAVE the CINEMA" が、政府に交渉を4月の後半の段階くらいから始めてきて……そこで出てきたのがですね、「映画だけが救ってもらおうというようなのは、ちょっとおかしいんじゃないか。」という声もいろいろなところから聞こえてきたりして。演劇の方々やライブハウスの方々といっしょになる機会があって話してみたら、彼らも彼らで大変な状況になってて。で、政府に対して支援を求めようと彼らも運動してたら、彼らも「自分達だけが救って欲しい」っていう言い方をすると、なかなかこう、角が立つというか、で、どう言ったらいいかっていうのが難しかったんですね。彼らも頭を悩ましていた。そういうときに、自分たちの問題じゃなくて、社会公共のインフラとして大切なんだと……ドイツの文化大臣が言いましたけれども、「文化芸術施設っていうのは、我々の生きる中で必要不可欠なものなんだ」っていう言い方をされましたけれども、日本もそうだと思うんですよね。憲法25条がありますけれども、『文化的で最低限度の生活を営む権利』というのが憲法で保障されていますけれども、それの為には、やはりこういった小さな文化施設、ライブハウスや演劇の舞台、そして映画館、ミニシアターが支えられて、常に皆さんの届く範囲で豊かにあることが、やっぱり国民に保障されてこそ、国の文化政策といえるんじゃないかということを話していました。なので、"We Need Culture" = "文化芸術は必要だ" ってことで、映画、音楽、舞台が手を携えて、政府に交渉していくという活動を4月後半から5月に入って、6月……今までずっと続けていました。で、その中で小泉今日子さんが賛同してくださったり、集会をZoom上で開いてDommuneで開いたりとかしたんですけれども、そこで声を上げていろんな方が、他に井浦新さんとか斎藤工さんとか、渡辺真起子さんとか、監督でいうと白石和彌監督とか、舞台でいうと渡辺えりさんとか……いろんな方が入ってきて、自分たちだけの問題じゃなくて、文化芸術全体として支えていかないといけないじゃないかということで、多くの声が集まって、それを5月22日の段階で政府に届けたんですよね。で、一つ大切なところが、映画の多様性ということを、僕らは重要だと思っています。映画の多様性を支えるのがミニシアターの役割だと思っています。ミニシアターというのは、簡単にイメージして頂けるのは、シネコンじゃない……大きな商業施設の7館とか10館とかあるようなシネコンではない、単館系もしくは2つや3つのスクリーンしかないぐらいな小さなシアターのことを、我々は指して言っているんですけども、スクリーン数でいうと日本の約1割です。1割しかない。あと9割はシネコンなんですね。ただ、例えば去年2019年の公開の作品中で、70%の作品がミニシアターで上映されていて、なんとその中で全体の50%がミニシアターのみで上映されてるんですね。ドキュメンタリーもそうですし、世界の三大映画祭カンヌ、ヴェネツィア、ベルリンでグランプリを獲るような映画もそうですし、そのグランプリ獲るようなのは、大体95%がミニシアターで上映されていて、シネコンでは上映されていません。なので、日本で観られる約半分以上の映画は、たった1割のミニシアターで上映されている……っていうことなんですよね。つまりあの、商業主義ではなく、こういう映画、誰が観るだろうなぁと思っても、そういうような映画もちゃんと観せていくってのがミニシアターであり、それが日本の映画を豊かに、多様性を支えているということなんですよね。だからこそ文化芸術としてミニシアターを認めてください、っていう運動が我々が絶対必要だと主張しているんですね。僕もその……本当の意味では当事者じゃありません。映画館を持っているわけではないですけど。だけど、他の映画監督や配給業者、俳優の方々などなど、周りの映画関係者が立ち上がっているのは、このミニシアターがないと、我々は映画に関わってはいけないという、絶対的な危機感があるんですね。と同時に、Mini-Theater AIDで3億3千万も集まったのは、こういうミニシアターに育ててもらったっていう……感覚があります。恩返しという意味もあります。自分が自分である為に、このミニシアターにだいぶ自分を支えてきてもらったっていう意味があるんですね。だからこれだけの人が立ち上がって声を上げているというところがあるんですけれども。だから、潰すわけにはいかない。だから、ちゃんと支援されなければいけない。しかもその……今だけの緊急支援じゃなくて、恒久的な支援を求めていかなければいけないということで、ずっとこの3ヶ月活動を続けてきました。で、まぁ一つの朗報としては、達成点として、6月23日に文化庁が発表した第二次補正予算で、ミニシアターというのがちゃんと支援対象に入る、となりました。で、それまでは入ってなかったんですね。それが今回、文化庁の支援として正式に認められたというのは、大きな変化だと思います。これが引き続き継続していくように、我々は文化庁と国に対して、恒久的なシステムを作ってもらえるように、もし何かこういうようなことがあったら、ちゃんと文化が、映画が、死んでしまわないような、セーフティーネット作りをして欲しいということ求めていこうということでやっていこうと思っています。このラジオをお聴きの皆さんに、映画の作り手である僕の方からぜひ申し上げたいのはですね、僕らの方も今までちょっと迂闊なところがありました。というのは、作り手だから、こういう政府との交渉とか助成金を持ってくるとか、そういうのは誰かがやってくれるだろうから、自分がまさか声を上げなくてもいいんじゃないか……というようなところが、皆、あったと思います。で、SAVE the CINEMAの僕らでもお互いに言っているのは、やはりこういうときだからこそ、どれだけ映画か大切なのか、映画館が大切なのかっていうことは、僕らが言えるようにならなきゃ駄目だよねと。ちゃんと自分たちで自分が必要なものを、対外的に政府に対して、公に対して言えるようなかたちで言っていきたいと思っていますので、できるだけ分かりやすい言葉で発信していこうと思っていますので、この "SAVE the CINEMA" っていうこと、広く皆さんに認知して頂いて、拡散して頂けたらと思っています。よろしくお願いします。ありがとうございました。」

「舩橋淳監督からのメッセージを聞いて頂きました。その前は、日本音楽制作者連盟 理事長の野村達矢さんでした。どうもありがとうございました。えーとね、お二人が、今、話してくださった、"Music Cross Aid" それと "SAVE the CINEMA" ですけれどもね、本当に僕たち音楽をやってますけど、僕はねわりと音楽作る方なので、だけど音楽っていうのは作るだけじゃなくて、演奏して聴いて頂くってことがあるでしょ。その場所っていうことがすごく大事ですね。で、場所を運営する……その中にはマネジメントから音響から、舞台制作とか照明とかいろんな人が働いていて、それは音楽もそうだし、演劇もそうですよね。そういうことを僕は全部総合的にちゃんと上手くランニングしないと、出来ないとそういう場所っていうのが、発表の場所、音楽や映画や演劇の発表の場所っていうのはないわけで、こういうことでもないとあんまり……特に僕なんかは音楽を作ってるだけの人なので、あのあまり意識することないんですけど、本当に大変ですね。で、作った音楽を、そこのステージに乗っけて聴かせる、魅せる、そういう仕事をしている人たちは……人が集まっちゃいかんとなると、それはもうやっていけないわけで。舩橋さんのメッセージにもありましたけども、その僕らねやっぱり……子供の時から少し大人になってきて、今までくる中で、やっぱそういうミニシアターとか舞台とかライブハウスとか、そういうものに随分育ててもらってる、本当そうですね。特に昔はインターネットがなかったですから、僕なんかが本当に、例えば高校のときに、多分、人生の中で一番映画をたくさん観て、なんでもかんでも観てましたね。多分1年に300本くらいは観てたと思うんです。あんな時間はなかったですね。本当に安くて、あの古今東西の名画を見せる映画館とか、それから、もうちょっと高いんだけども、出来たてのホヤホヤの当時のなんかヌーヴェルヴァーグとかですね、フェリーニとかパゾリーニとか、ゴダールとかトリュフォーなどの、或いは日本の大島渚さんとかね……の出来たてのホヤホヤを入れてくれる映画館とかね。そういうもので滋養を養ってですね、まぁその10代のそういうものの栄養が、今でも僕たちを僕を生かしてくれていると言っても過言ではない……ものなので、これは本当に大事だなと思うんですよね。ぜひ皆さんもね、応援してください。」


■Music Cross Aid ライブエンタメ従事者支援基金
https://www.musiccrossaid.jp/

■SAVE the CINEMA
https://savethecinema.org/

<坂本龍一 「この2ヶ月で聴いた曲から紹介」プレイリスト>

「ここからは、僕がこの間聴いてきた音楽ですね。プレイリストですね。自宅に、まぁそうはいっても、その、このコロナ禍でパンデミックで、自宅に籠もってる時間も多いので、やっぱり普段よりたくさん音楽聴いてるような気がしますねぇ、いろいろ。」

「えーとねこの数日……2〜3日ぐらいかな(笑)、すっごくハマっていたのがですね、ベトナムの伝統音楽ですね。特にこの、短い曲なんですけど、これすごいすっごい好きで、何度もなんども聴いちゃってんですけど、Hat Quan ho singersというシンガーズさんが歌っています。タイトルの「Em la con gai Bac Ninh」というのは、「I am the girl from Bac Ninh」……バクニンの、バクニン出身の少女です……という、そういう意味だそうです。」

  • Em la con gai Bac Ninh (I am the girl from Bac Ninh) / Hat Quan ho singers

「えーともう1曲。もう1つベトナムの伝統音楽で、Hieu Thanhさんが歌っている曲です。」

  • Ngoi tua man thuyen(Sitting and leaning against the boatside) / Hieu Thanh

「はい、次はですね、ドイツ人の、これ一転……今日(こんにち)の音楽ですね。ヤン・ヤリニク……イェリニックか。何回か紹介したことあるのに、全然読めない。ヤン・イェリネック……さんの、えー「Moiré」という曲ですね。」

  • Moiré / Jan Jelinek

「はい、次。まーたこれも今日の音楽ですね。Roberto Musciさんの曲。」

  • Nexus On The Beach / Roberto Musci

「はい、じゃーあともう1曲かな。えーと、カヒミ・カリィさんの「All」。」

  • All / カヒミ・カリィ

「さて、どうでしたでしょうか。」

<デモテープオーディション総評>

「今回は作品数も多かったんですけども、非常に良いものがたくさんあって、本当に選ぶのが大変でした。いつものように、U-zhaanと長嶋りかこさん、僕、それぞれ三人の自宅からのリモートオーディション発表となりました。」

U-zhaan「ここからは僕U-zhaanと……」
長嶋「長嶋りかこ、そして、坂本龍一さんの……」
坂本「坂本でーす。」
長嶋「三人でお送りしていきます。」
U-zhaan「お送りしていきます。」
坂本「いきまーす。」
U-zhaan「教授はどうですか?元気にしていますか?」
坂本「うん。まぁ、なんとか。はい。」
U-zhaan「教授今いらっしゃるところ、いつもと同じところですか。」
坂本「そう。背景がほら、あの、バーチャルバックグランドですから。」
U-zhaan「あ、そうなんですか。なんかコンクリート打ちっぱなしみたいなところにいると思ったら。」
坂本「いやいや、これ……あれ?見えないかな?」
U-zhaan「あー!」
長嶋「若冲?」
坂本「(伊藤)若冲ですよ。」
長嶋「若冲ですね。」
坂本「コンクリートの打ちっぱなしじゃないでしょ。」
U-zhaan&長嶋「(笑)」
U-zhaan「いやいや。ほんとちょっとしか見えなかったんで。長嶋さんの近況とか聞きましょうか。」
長嶋「あ、近況?U-zhaanのえーカレーのパッケージをお手伝いしましたよ。」
U-zhaan「それ、俺の近況でもあります(笑)。」
長嶋「(笑)」
U-zhaan「僕と石濱匡雄さんという人が監修したレトルトカレーが出るんですよね。」
坂本「あ、本じゃなくて?」
U-zhaan「はい。で、そのレトルトカレーのパッケージをりかこちゃんデザインしてもらったっていう。前回、2ヶ月前の放送でなんか……仕事をお互いに回していこうっていってたやつが、これになったって感じですね。」
長嶋「はっはっは、回されてきました(笑)」
坂本「よかったですね、お互いに仕事を作った方がいいですよ。」
U-zhaan「教授にも(レトルトカレーを)差し上げたい。教授って、でもお肉今食べてないんですね。ほとんどね。」
坂本「あ、お肉入りなんですか。」
U-zhaan「あの、マトンカレーなんですよね。」
坂本「でも、たまに食べますよ。」
U-zhaan「そうですか。じゃ、今度ぜひ、差し上げます。めちゃくちゃ美味しいですよ。」
長嶋「ふふふ。」
U-zhaan「他には何もやってないんですか、長嶋さんは。」
長嶋「あ、私、でもちょこちょこやってますよ。なんか美術館のVI計画とか、ホンマ(タカシ)さんがまたなんか建築について映画撮ってるとかいって、なのでそのヴィジュアルを手伝いしたりとか……なんかちょこちょこ、うん、ちょこちょこやっています。」

長嶋「坂本さんはまたお忙しいですか?」
坂本「うん、ちょっといろいろ立て込んでいます。」
長嶋「ね。立て込んでそう(笑)。」
坂本「お陰様で、本当に。ね、大変な時に、仕事はあって。」
長嶋「映画が多いですか。」
坂本「そうですね。今、これ若冲の……この対のやつですね。」
長嶋「え、あ、見えます。鯨みたいな見えます。」
坂本「これと……これが、対ですよね。」
長嶋「あ〜そっかそっかそっか。」
坂本「屏風2つで。いきなり若冲の話してるんで、すみませんね。」
U-zhaan「本当に綺麗に切り替わりますね。僕がそのバック切り替えるやつでやると、髪型の関係ですごい変な感じになっちゃうんですよね(笑)、なんか切り取り……」
長嶋「(笑)」
坂本「そうそうそう。この縁はね、やっぱおかしくなるんですよ。」
U-zhaan「そうなんですよね。なんかもう本当ハサミで切ったみたいになっちゃって。」
坂本「今回の応募作品は、とても面白いものが多かったですね。本当に。」
U-zhaan「はい。」
坂本「ありがとうございます、楽しませて頂きました。」

RADIO SAKAMOTOオーディションに、インターネットから作品を応募できるフォームができました。作品はファイルのアップロードのほか、YouTubeのURLを指定しての投稿も受け付けます。
詳しくは、エントリーフォーム内の応募要項をお読みください。

AUDITION ENTRY FORM

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<エコ・レポート (more trees 水谷伸吉)>

「はい、皆さんこんばんはー、水谷伸吉です。えー私の方からエコ・レポートということなんですけども、7月1日からレジ袋が有料化になりましたね。コンビニですとかスーパーですとか、そういった場所でお買い物をされる際のレジ袋、ポリ袋が全て有料化になりました。これの狙いというのは、ポリ袋っていうのは、プラスチック製品ですので、まずは海洋プラスチック問題。つまり海の汚染の問題っていうのが一つありますね。分解されないで、ずっと残ってしまったプラスチックごみっていうのが地球規模で問題になっていますけど、そういったものを削減していこうというものが狙いの一つです。そしてもう一つが、化石燃料。石油資源の使用量の削減っていうところで、まぁ全体的にCO2を減らしていこうというような観点を、レジ袋有料化から透けて見える訳です。ぜひですね、皆さんもエコバッグを持参して頂くというのは、すごく大事だと思うんですね。」

「ちなみにですが、レジ袋の削減によって、もちろん石油の使用量は減るんですけれども、地球規模でみると、やっぱり電気ですとか自動車、それと飛行機、そういったものから出るCO2がまだまだ多いわけです。ですから、レジ袋を削減することでCO2全体が大幅に減る、というわけではないんですね。ただ、レジ袋をきっかけに、CO2とか日々の暮らしというところに目を向けていただく、いいきっかけになるんじゃないかなと思っています。ちなみにですね、レジ袋、ポリ袋の代わりに、紙袋を有料化で販売するっていうようなお店も増えてると思うんですね。人によっては、プラスチック減らしても、今度は紙資源、つまり森林資源じゃないか、と。で、森の乱伐に繋がるんじゃないか、というようなご意見あるかもしれないんですが、実は森林っていうのは、賢く育てて使えば、数十年サイクルでちゃんと循環が出来る森林資源なんですね。ということからすると、ま、石油製品を使うよりも、賢く森林資源を使っていく方が、より持続化のサスティナブルだっていうふうに言えるかと思います。中でもですね、FSCという森林認証ラベルがあるんですけども、そのラベルが付いた製品っていうのは、その森の持続可能性っていうのがちゃんと担保されてるんですね。なので紙の中でも、特にそういう紙製品を使っていただくと、まぁこれは胸を張ってですね……森を乱伐にしてない、森林資源を有効利用しているんだっていうことが言えますので、ぜひですね、紙袋の中でもそういったところにも目を向けてみてはいかがでしょうか。」

「僕個人が思うのはですね、プラスチックの中でも、今後そのテイクアウトとかデリバリーによるプラスチックの容器っていうのも、どんどん増えてきてしまっていると思うんですね。新しいライフスタイルっていうのが提唱されていますけど、むしろそういった部分でのプラスチックの使用量ですとか、インターネットの購入によって、物流によるCO2とか、あと梱包っていったところにも、いろんな環境配慮が今後なされるべきだというふうに思っています。7月から始まったレジ袋有料化、これをきっかけにですね、ぜひ皆さんの生活色んなところにも目を向けてみてはいかがでしょうか。以上、エコ・レポートでしたー。」

■一般社団法人more trees
https://www.more-trees.org/