TDK VOICES FROM NIHONMONO
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旅するにほんもの

福井県 おぼろ昆布 「敦賀昆布」

日本の本物とその作り手の声ご紹介するTDK VOICES FROM NIHONMONO。

中田英寿さん福井県の旅。
福井県の南西部にある敦賀市「敦賀昆布株式会社」に伺いました。

高校野球の強豪校・敦賀気比高等学校でも知られる敦賀市。地元、そして日本中から長く愛されてきた加工品のひとつに、”おぼろ昆布”があります。
幅が広く、長く、手で削られるおぼろ昆布を手掛けるのが、今回の取材先「敦賀昆布」です。

そもそも敦賀は古くから北海道で夏に収穫された昆布の中継地点として使われてきました。敦賀を経由して、琵琶湖を渡り、京都・大阪へ運ばれてきた、という歴史があります。

この運搬の最中、敦賀で保管していた昆布にカビが生えてしまった。そのカビの部分をきれいに取り除き試食してみると、これが美味しい。

…こうして誕生したのが、おぼろ昆布でした。

「敦賀昆布」には、60年以上昆布に携わってきた匠、別所昭男さんが在籍しています。

一定の長さ・厚みで昆布を削ることができる、卓越した技能者「現代の名工」別所さん。
均一の品質で削られるおぼろ昆布「竹紙昆布」は京都の料理店でも使われていますが、この技術を持ち合わせたプロは、今や別所さんだけだといいます。

敦賀には600人ほど居たおぼろ昆布の職人は、今では100人以下に減少しています。

それでも「敦賀昆布」には若手の職人も在籍。日夜、その腕を磨き続けています。

敦賀が誇るにほんもの”おぼろ昆布”を手掛ける敦賀昆布株式会社、代表の森田貴之さんが見つめる未来のビジョンを、最後にお聞きしました。


「やっぱり”おぼろ昆布”とう食文化は守っていきたい。職人さんも高齢化しているが、なんとか敦賀の地場産業として守っていきたい。」
「昆布自体、ニッチ。その中でおぼろ昆布はさらにニッチ。でも、福井県敦賀市というと原発で名前が通っているがそうじゃなくて、おぼろ昆布があるんだよ、と。わが町にはおぼろ昆布の文化がある、というのは広めていきたいです。」

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