2022.09.04 ON AIR
日本の本物とその作り手の声ご紹介するTDK VOICES FROM NIHONMONO。
中田英寿さんが、滋賀県の南西部に位置する草津市で精肉店「サカエヤ」を営む新保吉伸さんを訪ねました。
滋賀のお肉屋さんである「サカエヤ」は、全国のレストランが取り引きをしたいと熱い視線を送るお店で
一般のお客さんで東京からまとめて買いに来る方も多いというすごいお肉屋さんです。
お店に入ると、美しいショーケースに非常に種類のたくさんあるお肉がずらっと並んでいるのですが、
新保さん曰く「1人のお客さんに20分から30分接客にかかるので、これでも足りない。」とのこと。
新保さんは、実家が肉屋だったというわけではなくたまたま就いたのが肉の仕事。
それ以来肉の道を歩んでこられました。
今は肉の買い付けに徹底的にこだわるほか、生産者とともに流通経路から作り上げる活動をおこなうなど独自のスタイルで肉の販売をおこなわれています。2001年のBSE・狂牛病がきっかけで人生が変わり、肉に対する考え方も自然に変わったといいます。
お肉の流通について、生産者が肉を競りに出してそれをお肉屋さんが買って消費者に売るというケースの他
生産者とお肉屋さんのあいだに問屋さんが入っている場合もあります。
ですが、そうした場合はどんな肉なのか把握するのが難しく、また肉の生産者とお肉屋さんが直接まじわることがないというのが肉業界の一般的なパターンだったようです。新保さんはそれを変えたいと 取り組んでこられます。
誰がどんな風に育てた肉なのかをはっきり知ることが大事で、そのためには牛肉につけられた個体番号だけでは十分ではないとおっしゃられています。
新保さんと取引したいという人が毎日来るそうですが、友達になれるかなれないか人の目利きから始めるのが大事だそう。取引するシェフも、その人のことをよく知ってからでないと取引しないというお話もありました。
関係性を重視している新保さんは、シェフにも直接「生産者も僕らに遠慮してほしくない。横一列でないと。」と言っています。シェフと話しお互いの意見が合うことによって、良いものが生まれるんですね。
そして生産者の方と毎日のように電話をして、頻繁にお店にも顔を出しています。
「ラ ブリアンツァ」のシェフ奥野義幸さんには、それを色んなお店でやっているのによく太らないなーなんて言葉も。お店を任せるのが奥野さんのお弟子さんに代わったらその方にあわせたお肉が届いたなんてエピソードも伺いました。
「サカエヤ」草津のお店は一般のお客さんももちろん利用でき、6割ほどは東京からのお客さんというお話でした。
さらに「サカエヤ」には、「セジール」というレストランも併設されていてお食事も楽しめます。
オンラインでのお肉の販売もおこなわれていますので、そちらもあわせてご覧ください。
「サカエヤ」のお肉を扱っているレストランのリストはオフィシャルサイトに掲載されていますのでご確認ください。
▼サカエヤ
https://www.omi-gyu.com
▼セジール
https://saisir.jp