TDK VOICES FROM NIHONMONO
TDK VOICES FROM NIHONMONO

ARCHIVE

旅するにほんもの

滋賀 茶師十段 吉永健治さん

日本の本物とその作り手の声ご紹介するTDK VOICES FROM NIHONMONO。

今回 中田英寿さんが訪ねたのは、滋賀県の南部に位置する甲賀市。
この町で、ほうじ茶専門店「近江茶 丸吉」を営む茶師十段、吉永健治さんに取材した模様をお送りしました。

「茶師十段」ですが、実は全国に15人しかいらっしゃいません。
お茶の香りや見た目・味わいで品種や産地を判定する競技大会があり、その最高のレベルに達した方が茶師十段です。
吉永さんは他の茶師十段の方と違っている点があり、「ほうじ茶」に特化したブランドを立ち上げほうじ茶に力を入れられています。

そもそも ほうじ茶というのはお茶を焙煎したものです。以前はお値段的にも安い・素朴なお茶という印象を持つ方が多かったそうですが、吉永さんはそうではなく ほうじ茶は緑茶に「焙煎」というひと手間を加えたもので付加価値が高まっていると考えています。

滋賀は京都の下請けのような仕事をさせてもらってきたので、京都のほうじ茶を作れない会社から依頼を受け焙煎することが多々あったので焙煎技術は蓄積されてきて、得意分野のひとつだったそう。
焙煎の技術・ほうじ茶に適したお茶、世界のニーズ、日本のニーズもほうじ茶に向いている。ほうじ茶に特化するしかないな、というのが7年前。そしてできたのが、ほうじ茶専門店「近江茶 丸吉」です。

以前、「滋賀は、京都の縁の下の力持ち」だったといいます。京都にブランド力があるので、これまでは滋賀でお茶を作っても京都のお茶屋さんに降ろしてきたという歴史があったそうなんです。ですが、やはり滋賀のお茶は滋賀のお茶として出したい。そこで吉永さんが考えたのが、「ほうじ茶」だったんですね。

滋賀の90%は甲賀市。そして最大の産地が土山です。
土山のお茶は、ほうじ茶にしても味がしっかり残ること。そして海外の方に飲んでもらったところ、緑茶よりも評判がよかったんだそう。そして国内でも特に若い世代ではほうじ茶のほうが人気がありそうだと気付いたこともあって、吉永さんはほうじ茶に注目したそうです。

ほうじ茶にするお茶について品種の違いはそれほどなく、お茶をとる時期のほうがポイントで
「みる芽のほうが香りがいい」というお話がありました。
そしてどんな時期のお茶を、どんな温度でどの程度焙煎するかの組み合わせで、多様な ほうじ茶が出来上がります。

ここ最近では、ほうじ茶を海外へ輸出するというビジネスも進められている吉永さん。
近江の茶産地を続けていくこと、究極の地産地消になるようPRして世界に向けてもほうじ茶を発信したいと、
オーガニックの栽培もしているそうです。

「近江茶 丸吉」では、1番から10番まで厳選された10種類のほうじ茶、さらに「水出しほうじ」や「糖蜜ほうじ」という商品も インターネットで販売されています。

ぜひ、「近江茶 丸吉」のオフィシャルサイトをご覧ください。

▼近江茶 丸吉
https://www.houjicha-maruyoshi.com

ARCHIVE LIST

TOPに戻る