2022.05.29 ON AIR

新潟 鎚起銅器 島倉堂

日本の本物とその作り手の声ご紹介するTDK VOICES FROM NIHONMONO。

今回は中田英寿さんが、新潟県燕市で鎚起銅器を制作する「島倉堂」を訪ねた模様をお送りしました。
ヒデさんが島倉堂の2代目、島倉政之さんにお話をうかがいました。

島倉堂では、器から、急須、やかん、酒器、調理道具…。火鉢のようなものまで様々な銅製品を作られています。
燕市の近くに かつて間瀬銅山という銅の産地があり、そこで採れた銅を川を使って運んで現在の燕市のあたりで銅の
加工が盛んになったんだとか。銅は人の手で加工ができ素材として適していたので、職人さんが金鎚や木槌を使って銅製品を作ってきたという歴史があったんですね。

銅を「鎚」で打ち「起」こす という意味で鎚起銅器ということなんですが、まさに銅をたたいて形を作っていきます。作品を見ると やかんや急須の口の部分など非常に難しそうですが、それも手作業でおこなわれているそうです。
作る上での加減をするに必要な鎚ですが、木槌はやわらかいので優しい感じ・鉄は強いので締まるなど、
どんな形を作りたいかによって、木槌や金鎚を使い分けているというお話でした。
そして銅を金鎚で打つ時に、その銅は「あてがね」という道具にのせて打つそうで、「あてがね」も何を作りたいかによって使うものが違ってくるということです。

ステンレスは手入れが楽で色が変わらないという良さもありますが、
逆にお菓子屋さんなどでは銅の道具を使用することで卵白の泡立ちがよかったり、あんこをねったり炊く場合には銅鍋じゃないとうまくいかない。
銅のフライパンや卵焼き器など熱が伝わりやすい素材が銅なので、プロの道具として使用されることも多々あります。

銅というと赤やオレンジのイメージですが、島倉堂の作品を見ると金や青い作品も。
着色することで様々な色に変化するということなのですが、装飾という意味でも銅の素材が面白さを出してくれます。

島倉さん曰く「使い込むほどに味が出る。ほどよく枯れていくのも魅力」、
長く使い続けることで、唯一無二の手放せない色合いになっていくのも楽しみですね。

島倉政之さんからは「ずっと仕事を続けていくことがゴール」というお話も。
銅製品を作るのが本当に好きで、愛情をこめてものづくりをされているんだなということが伝わってきました。興味をお持ちになった方、島倉堂のウェブサイトに これまで作られた銅製品が掲載されていますのでぜひご覧ください。

島倉堂では、注文は電話・メールなどで受け付けられています。
ウェブサイトにある電話番号やメールへ直接お問い合わせください。

http://www.ne.jp/asahi/simakuradou/simakuradou/index.html