
2018.03.25
13年間、大学病院、高齢者住宅などで看護師としてケアに携わったのち、高齢期の暮らしに関する、介護支援事業の立ち上げに参加。
現在は、30代から80代の幅広い年齢層の暮らしに関わる、相談、公演、執筆など、ケアコンサルタントとして、活躍されています。
また、医療や介護だけでなく、福祉サービスを含めた、様々な生活支援サービスの仕組み作りにも尽力されています。
「今日はイキイキと暮らし続けられる新しい住まい、暮らし方についてお話します。私たちは毎日少しづつ歳を重ねてますよね。住まいも同じように年を重ねています。住み慣れた自宅に住み続けたいと誰もが願いますけども、高齢期になってきますと今までと同じ住まいで暮らし続けられないということが起こってきます。例えば突然の入院。介護。認知症。また1人暮らし。それから経済的な変化など心身の変化やライフスタイルの変化が住まい方にも影響してきます。日本の一般的な住宅というのは段差があります。それから間仕切りが沢山ありまして、元気な時には気にならなかったちょっとした段差。例えば浴槽の跨ぎや扉が重いなど、色々なことが大きなバリアになってきます。また最近は核家族化によって介護者。それからちょっとした生活を支援してくれる人がいない。小さな単位で暮らす方がいっぱい増えているのが私たちの社会の現状だと思います。
ですので介護や見守りのある住まいがだんだん必要になってくるんですよね。特別養護老人ホームなどの介護付きの施設は待機者が多く、重い方でないと入れない状況です。今51万人くらい待機者がいます。近年は有料老人ホームだとか高齢者向けの住宅がドンドン増えていて、こちらは心強い味方ではあるんですが、非常に種類が多くて選び方が難しい。また費用がかかってきます。月々10~20万円かかってきます。
最近は様々な工夫がされた住まい、暮らし方が出てきました。住み慣れた我が家に住み続けるために丁寧に自分の体に合わせた住宅のリフォームを行いながら暮らす方。また高齢者向けの住宅に住み変えてお互いのプライバシーや自主性を尊重しつつ、共に住むメリットを享受するような住まい方。中古住宅をリノベーションした共生型シェアハウスで暮らしたり、いろんな住まい方が出てきてるんですね。
また医療や福祉、生活支援サービスが整備され緑豊かな団地でコミュニティを大切にした暮らし方など、こういった住まい方が出てきています。私はこれからの社会にこういった少し優しい住まいと人を望んでいます。
例えばURの高齢化が進んだ団地では地域の拠点として誰もが気軽に立ち寄れるようなコミュニティカフェ、それから保健室などが入ったりしてるんですね。ですのでガッチリ組むのではなく、人が緩やかに繋がれるような住まい方を提案しています。
戦後、この生活が充実して豊かになった分、プライベートを重視して繋がりが少し希薄になったと思うんですが、助け合うことがこれからの社会の構造の中では必要になってきますよね。高齢者も半分近くの人工構造になってきますので、その時にちょっと自分の優しさ、ちょっと自分の強みみたいなものを隣の人に、また隣の人に。団地の人に。地域の人にっという形でつなげていけたら、元気に暮らし続けられる街になるんじゃないかなと思います。」
住み慣れた自宅や、街での生活。
元気にライフスタイルを送るには繋がりは大切ですね。
「少しやさしい住まいと人」こういった意識をもつことがこれから大切になるのではないでしょうか。
ケアコンサルタント 川上由里子公式ブログ