UR LIFESTYLE COLLEGE

2019.09.15

コミュニティデザインの今後の課題

毎月3週目はコミュニティデザイナー、社会福祉士で、studio-L代表の山崎亮さんにお話を伺います。

山崎さんは、1973年、愛知県生まれ。
大阪府立大学大学院、および、東京大学大学院を修了後、建築・ランドスケープ設計事務所を経て、2005年に、studio-Lを設立。
現在は、地域の課題を、地域に住む人たちが解決するための、コミュニティデザインに携わり、まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、市民参加型のパークマネジメントなどに関する、プロジェクトに参加。
幅広く、ご活躍されています。

また太田出版『コミュニティデザインの源流』、PHP新書『縮充する日本 「参加」が創り出す人口減少社会の希望』など、著書も多数出版されています。

今回は、「 コミュニティデザインの今後の課題 」について、伺いました。

「日本の課題もう間違いなく長寿社会になってることでしょうね。で、長寿社会って課題ではないはずなんです。本来はみなさん健康長寿というかですね、長生きしたいと思って、ある意味がんばって長生きできるようなお薬を開発したりとか、医療技術を開発してようやく長生きできるようになった。ところが長生きすることになったら急にそれ自身が課題だという風に言われるようになったんですけど、これは長寿だけが実現して、健康って言う部分がまだうまくいってないからだろうと思いますね。そうすると長生きするんだけども、複合的に体になにかうまく動かない場所だったりとか、あるいは物忘れが激しくなっていくことがつきまとってしまうので、こういった時に人生の最後の最後でなにか悲しそうな顔をしているとか、寂しそうな状況にあるという高齢者が増えてしまうことというのは、その増えてしまった高齢者の方々自身が、問題だというわけではなくて、むしろその若い人たちが年をとりたくない。老いるってことに対して少しこう否定的な感情になってしまうことが大きな課題だろうと思いますね。

逆に言えば年をとってめちゃくちゃ楽しそうにファンキーにオシャレに暮らしている人たちがたくさん増えれば、若い人たちはむしろそっちに憧れるというか、早く自分もああなりたいという風に思ってもらえるんじゃないかなという風にも思います。だから若い人たちが未来に希望を持つことができるように、ご高齢の方々が活き活きと住むことができる街というのをどうやって作っていくのか、これが世界に先駆けて少子高齢社会を経験している日本の課題だろうと思います。

街へ出て行ったり、顔を上げて歩いたり、そこで人生の先輩に出会ったんだったら、その人たちに少し声をかけてみるとか、挨拶してみるとか、その方々の話を聞いてみるとかっていうようなこと。で、これはお年寄りのためにとか、お年寄りにやさしくしましょうということのようにも見えるんですけど、自分自身のためでもあるんですよね。自分自身も、もうわずか40年50年経てば、声を掛けて欲しいないう風に思って街を歩く人に変わるわけですね。その時、相も変わらず若い人たちは、若い人たちだけが集まって、自分に一切声を掛けてくれないという街がまだ40年後にも続いていったとしたら、自分もまた寂しい高齢者になってしまう危険性があると。

だから今の段階で、街の雰囲気を変えておくということですね。それで1年2年で急に街の雰囲気が変わるわけではなくて、今はじめたとしても、それってたぶん40年か50年経ってようやく街の雰囲気が変わったということになるはずなので、その頃高齢者と呼ばれる人になっている年齢の人たちは、今から街の雰囲気を変えるために自分がどう振舞うのかというのを考えておいた方がいいんじゃないかなという風に思いますね。」

挨拶、声をかけてみる。
とても単純なんですが、それが未来の街づくりにつながっていく。
皆さんも改めて意識的にはじめてみてはいかがでしょう。


studio-L | スタジオ・エル