FUTURISM

ON AIR DATE
2019.06.30

ゲストは、株式会社ドワンゴ代表取締役社長、夏野剛さん。

テーマは、『AI政治の未来がやってくる』。
果たして、AIは政治を動かせるのか?


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SONG LIST

  • Don't Look Back
    Teenage Fanclub
  • Always For You
    The Album Leaf
  • Firecracker (Dan Tyler Remix)
    Todd Terje & The Olsens
  • Don't Be Afraid
    Howie Beck Feat. Ed Harcour
間もなく参議院選挙が予定されています。
令和最初の国政選挙、そして平成生まれが初めて立候補できる参院選。

POLITICS(政治)とTECHNOLOGYを掛け合わせた「ポリテック」のような概念が象徴するように、
人工知能が政治を担う可能性について注目されています。

「人間のリーダーとしての政治家というのは、
 どれだけ共感を得られるかということが大事になっていて、
 正しい判断か正しくない判断かは結果でしかわからないんですよ。
 結果を待って正しかったですねと言っていては政治ができないので、
 最終的にはシンパシーがある人に投票する」。

ドワンゴ社長で慶應義塾大学特別招聘教授でもある夏野剛さんは、
政治家の役目は未知なる世界へ向かって意思決定すること、
政治家を選ぶに当たってはシンパシーに重きが置かれやすいと指摘します。

「人間同士なので必ず不満を持つ人がいます。
 不満を持つ人をゼロにすることは不可能であることを前提にしなければなりません。
 政策ではなく人で選ぶというような、世界中でポピュリズムが問題になっていますが、
 人工知能はこれを阻止できるかもしれません。人工知能だったらどのような政策を出すか、
 オプションをいくつか出してもらい、参考意見として活用したりと」。

人工知能はポピュリズムに潜む問題を解消し、政策主体の政治を実現する役に立つかもしれません。
では、官僚の役割についてはどうでしょうか。

「ディープラーニングとかマシンラーニングとか、いま言っている人工知能は、
 過去の人間の判断の蓄積とか経験値を学習した上で一番正しいと思えるものを
 判断するようにつくられています。法律をつくる側の官僚ではなく、
 オペレーション側を人工知能が担うのが良いかなと。
 人間が昼間、人工知能が夜に働けば、24時間役所が稼働できますね」。


客観性を持った中立的な判断を人工知能がサポートし、セカンドオピニオンとして機能すれば、
メディアの役割も担えると夏野さんは考えます。

「メディアの代替になる可能性があると。新聞社によってカラーがあるし、
 必ずしも公平中立的ではないけれど、人工知能は客観的なので」。

私欲や偏見なく、機械的になれる人工知能の方がメディアとしてもベターだとすればなんとも皮肉。

「政治の世界では過去に起こっていないことが起こる。過去に起こっていないことを
 人工知能は判断できない。知識は詰まっていて、過去にあったことは紐解けるけれど、
 いままで起こったことがないことに遭遇すると何もできない。
 人間にはそういう能力があるんですね、クリエイティビティ」。

合理的なようでいて、不確実な未来をつくるための政治は必ずしも合理的には動かない。
だからこそ、人工知能は人間との役割分担で力を発揮するのでしょう。

「新しいものが出てくるとルールにはまらないじゃないですか。そうすると、
 強引にルールにはめようとする。
 ルールにはまらないものが出てくるととりあえずOKという国と比べると、
 日本は周回遅れになってしまう」。

だからこそ、人工知能を政治に活用する鍵は「恐れないこと」だと夏野さんは言います。

「人類は新しいことに対してある一定の恐れを抱きます。恐れが度を過ぎると、
 社会の発展を阻害します」。

夏野さんが言う恐れは、政治家ばかりではなく、国民にも問われています。
だからこそ、新しい政治へのチャレンジは、国民が主導する必要がある。

「政治家が」と他責にするのではなく
主語を自分に変えてみることから、未来への政治が始まります。

小川 和也