FUTURISM

ON AIR DATE
2019.04.21

ゲストは、大東文化大学 文学部 中国文学科 准教授の山口謠司先生。

間も無く、新元号『令和』の時代へ...
「未来に届けたい、美しい日本語」というテーマでお届けしました。



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SONG LIST

  • NO OTHER WAY
    RAY LAMONTAGNE
  • LA JAVANAISE
    MADELEINE PEYROUX
  • I DON'T MIND AT ALL
    BOURGEOIS TAGG
  • JUST A LITTLE BIT
    NORAH JONES
あと10日ほどで「平成」から「令和」に改元されます。

新元号「令和」の出典は万葉集。
日本の歌集から新元号が採用されたいまこそ見直したい日本語の美しさ。

日本語の専門家である山口謠司さん(大東文化大学文学部准教授)をゲストにお迎えし、
「未来に届けたい美しい日本語」というテーマでお届けしました。

声に出して読むことの大切さも再確認。
南沢さんが万葉集を朗読!

「“まほらば”(まほろばともいう)は、万葉集の1番はじめに出てくる歌の中の言葉なのですが、
 “まほ”は漢字で書くと“真秀”で、“本当に”という意味です。
 本当に美しい優れた、たくさんのものがある“ら”、場所の“ば”で、
 とっても優れた場所。日本のことを言っています」。

美しく優れた場所を表現する際、“まほらば”に置き換えられる現代の言葉を探してみても…
なかなか浮かびません。

「“たまゆら”は、宝石や鈴などの “たま”が2つ当たって共鳴している、
 その短い時間、瞬間のことなんです」。

いまはほとんど使わなくなってしまったこれらの言葉。
特有の美しい言葉の響きと意味合い。
これを埋もれさせてしまうのは、なんとも勿体無い気がします。

「だいたい声に出して読んでおしまい、残っているのは100分の1くらいではないでしょうか」。

現代におけるある種の短歌、Twitterは書いて読む。
しかし万葉集は、書くよりも読んでいたわけです。
ほとんどの歌が残っていないことは残念ですが、声に出しておしまいの儚さもまた味わい。

「いまの日本語と、万葉集の時代はまったく発音が違います。発音も違うし、
 我々が喋っているよりも5倍か10倍くらいゆっくり喋っていました」。

せわしないスピード社会になったいま、無意識に早口になりがちで、
万葉集のような大らかな歌集やゆっくり声に出して読む文化とは隔世の感。

だからこそ継承したい日本語の美しさ。
美しい日本語を未来に届けるための鍵は、

「音読」

であると山口さんは考えます。

「読めない、わからないという単語をまずは知ることができます。大きな声を出すと元気になりますね。
 どんな言葉でも、それぞれの調子というものがあります。
 英語を喋られる方は英語らしいイントネーション、リズムがあり、日本語の場合は七五調、五七調。
 七五調で喋ると、人は聞いてくれるんですね。古いものを音読すると、
 日本語らしいリズムが身についてくるので、
 日本語という文化を未来につなげることができるのではないでしょうか」。

古い書物の音読を習慣化して、喉も心も元気にしながら、美しい日本語を未来へ届けましょう。

小川 和也