TOPPAN FUTURISM

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2019.03.31

ゲストは、コンテンツディレクターの若林恵さん。

編集者、若林恵さんをゲストにお迎えし、
「お金からはじまる社会変革の壮大なシナリオ」について伺いました。



若林恵『さよなら未来』発売中 (@k_sayonaramirai) | Twitter

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これまで番組では、「お金」の未来について様々な角度から取り上げてきました。
仮想通貨、キャシュレス、お金と脳など。

本年度を締めくくる今回は、コンテンツディレクターの若林恵さん(前WIRED日本版編集長)と一緒に、
「お金からはじまる社会変革の壮大なシナリオ」について考えます。

金融のデジタル化により、社会や私たちの生活はどのように変わるのでしょうか?


「新しい金融サービスが、会社員ではなくフリーランサーとか
 貧しい人たちをどうやって救うことができるのかというところに論点が置かれています」。

若林さんが北欧を訪れて印象的だったのは、幅広い人をカバーするための金融の進化。

「行政も自動化することによって、半ば自動的に徴税をできる仕組みだったりを作っていかないと、
 社会システムそのものが回らなくなるだろうという論点なんです」。

金融サービスが連動して、新しい社会システムの中で
どのような機能を果たすかということがちゃんと考えられているのが特徴。

「日本では、FinTechというと資産運用で儲かりまっせ…みたいなことが目立ちがちですが、
 どういう装備が社会として必要なのかという論点が北欧では強く出ていて。
 すごい危機感があるんですよ。これまでの社会システムだと物事が動かなくなる可能性があると。
 一番直撃を食らうのが行政府だと考えられているんですよね」。

どの観点から金融のデジタル化を見るかによって、見える景色も変わってきます。

「デジタルIDを制度として作らなければいけなくなったら、
 財務や医療情報というセンシティブな個人情報の取り扱いを
 どうするのかということがセットで問題になりますね」。

デジタルIDを個々人が持つようになり、そこに金融や医療情報が集約される未来は、
利便性と情報管理リスクが背中合わせとなり、しっかりとしたルール整備と仕組みが必須に。

「お金は社会システムになりうるのかというところで、
 金融というシステムが人を幸せにするかは別として、
 そのシステムそのものが不幸になる人間を作らないことが重要だと。
 みんながそこに乗っかれる、アクセスできることが必要で。いままで排除されていた人たち、
 例えば銀行口座が作れない人たちが世界中には一杯いて、
 そういう人たちを一つの金融システムに乗せること。
 デジタルテクノロジーに期待されていることは大きい」。

勝者の論理もある一方で、若林さんは、社会の参加者を増やしていくことの重要性を訴えます。

お金からはじまる社会変革の壮大なシナリオ。
若林さんが考える、その鍵とは?

「インクルージョン(inclusion)ということじゃないかなと思います。
 日本語では包摂と言われて、ファイナンシャル・インクルージョンは金融包摂。
 貧しい人もお金持ちも同じシステムにアクセスできるようにすることですね」。

お年寄りが取り残されたり、子供の貧困を懸念する若林さん。

「お金持ちばかりが金融サービスにアクセスできて、使えば使うほど有利になってしまうと、
 さらに格差が広がってしまう。
 だからこそ、金融システムに誰もがアクセスできることがとても重要だ」と主張します。

「格差が生じないような仕組みを作ることが、基本的なFinTech、金融変革の根本的な考え方。
 そこを見ながら、いろいろなサービスが設計されていかなければいけない」。

若林さんが考える、みんなをインクルージョン(inclusion)できるシステム。

お金そのものの価値より、お金を手段としてどのような社会を作っていくかが問われています。

小川 和也
TOPPAN