TOPPAN FUTURISM

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2019.03.03

ゲストは、東京大学地震研究所、
地震予知研究センター長の平田直先生です。

今週と来週は「地震」にフォーカスしてお届けしました。

今週は、東京大学地震研究所、地震予知研究センター長の平田直先生を
お迎えして、『地震予測の最前線について』お話伺いました。


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SONG LIST

  • Four
    Jagwar Ma
  • The Way You Used To Love Me
    Diamond Cafe
  • Kiss That Frog
    Peter Gabriel
  • Can I Call You Tonight?
    Dayglow
東日本大震災からまもなく8年。
今週と来週は地震や防災にフォーカスし、あの悲劇を繰り返さないための鍵を探っていきます。

今回は、東京大学地震研究所 地震予知研究センター長の平田直先生をお迎えし、
「南海トラフ地震」「首都直下地震」の危機、そして観測地震学についてお話を伺いました。

北は北海道から南は九州まで、立て続けに大地震が発生しています。
いま、日本列島の地下はどのような状態なのでしょうか。

「地球上で、地震はまんべんなく起きているわけではなく、特定のところに集中しています。
 世界中で、太平洋の周りに地震がたくさん起きています。環太平洋の地震帯と言いますけれど、
 太平洋プレートの周辺で起きていて、日本列島はちょうどその海、太平洋の西の端、
 アジア大陸と太平洋の境目にあるために、基本的に日本列島はどこでも地震が起きる状態にあります」。

残念ながら、日本列島には地震と無縁な場所はないと考えなければいけません。

大地震がいつ起こってもおかしくない状態にある日本に住む私たちは、
地震とどのように向き合っていけばよいのでしょうか?

平田先生が専門にされている観測地震学の観点から、懸念されている「南海トラフ地震」。
政府発表によると、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7となる可能性があるほか、
それに隣接する周辺の広い地域では震度6強から6弱の強い揺れになると想定されています。
また、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来を想定。

科学でいつかは特定できないものの、いますぐ起きてもおかしくないのが南海トラフ地震。

そして、南海トラフに加えてリスクが高い「首都直下地震」。
1855年11月11日(安政2年10月2日)の安政江戸地震(M6.9)、
1894年(明治27年)6月20日の明治東京地震(M7)と、
関東地方南部のいずれかの地域を震源域として、
マグニチュード7級の地震が数十年間隔で何度も発生しています。

「内閣府の中央防災会議の想定では、最悪なシナリオで2万3千人の方が犠牲になり、
61万棟が全壊消失してしまいます」。

いまそこに迫る危機として、人と建物が密集する東京のあり方を見直し、
防災の意識をもっともっと高める必要があります。

観測地震学においては、どのような形で予兆を検知するデータを集めているのでしょうか。

「地震が起きる予兆を地震の観測によって得ることは非常に難しい。
 できないと言った方がよいでしょう。しかし、一生懸命観測をしているのはどうしてかと言うと、
 強い揺れになる前に強い揺れを予測し、高い津波が来る前に高い津波が来ることを知らせるためで、
 そういう技術を開発しています」。

日本全国に1200点のGPS観測点が配置され、
ケーブル式海底地震津波観測網も急ピッチで設置が進められており、
地震予知の限界を技術で乗り越えるチャレンジを続けています。

「大きな地震はたまにしか起きませんが、人が感じないような地震はたくさんあります。
 気象庁は24時間365日休みなく地震を監視し、1年間になんと約20万回地震を計測しています。
 毎日どころか1時間に何回かのペースです。
 気象庁の職員は全てモニターに波形を出して目で確認しています。
 計算機のアルゴリズムでおおよそのことはできるのですが、ここに人工知能を活用することで、
 人が監視するよりも精度が良くなる可能性はあります」。

人間が把握、処理できないような細かく複雑なデータを人工知能に協力してもらい、
人間とのあわせ技で観測地震学のレベルが上がることに期待したいところ。

防災や減災のためにいまからすべきなのは、
「地震は自分のことと思って準備すること」だと平田先生はアドバイスします。

「首都圏でマグニチュード7クラスの地震が起こる確率は30年以内に70%と言われています。
 30年以内に交通事故で怪我をする確率は24%、
 火災にあう確率は1.9%というのが統計的なデータですから、
 生きている間に起こる可能性は高いと考えておくべきです」。

滅多に起きないのではなく、運が良ければ起きないくらいに捉えておかなければならない大地震。

自分のこととして、いますぐ準備をしましょう。

小川 和也
TOPPAN