FUTURISM

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2017.10.15

ゲストは、火星に1番近い日本人! 極地建築家の村上祐資さん。

『人間が火星に移住出来るのか!?』

火星に1番近い日本人!
極地建築家の村上祐資さんをお迎えして、
『火星への移住』をテーマにお話伺いました。

村上 祐資 / YUSUKE MURAKAMI WEB SITE


FUTURISM813 (@futurism813) インスタグラムは こちら

SONG LIST

  • Time To Pretend
    MGMT
  • COSMOS
    Kenta Hayashi
  • Life On Mars?
    David Bowie
  • Staralfur
    Sigur Ros
極地建築家の村上祐資さんとの話を通じて見つけた、未来を創る鍵。
それは、
<ヒーローはいらない>

村上さんは、南極から宇宙まで“極地”と呼ばれる場所にある建築とその作り方や暮らし方を調査。南極観測隊員として昭和基地で越冬し、JAXA筑波宇宙センター・閉鎖環境適応訓練施設で行われた模擬宇宙閉鎖実験を被験。

模擬火星飛行士のクルーとして“地球にある火星”で積んだ訓練が、「火星に一番近い日本人」と称されるきっかけに。
近い将来の火星移住を想定し、ユタ州の砂漠に設定された模擬火星で7人のクルーと3ヶ月。北極のデヴォン島で6人のクルーと1ヶ月。宇宙飛行士と同じミッションのプロトコルを遂行しました。

実はこれ、唯一成功した模擬火星飛行士訓練なのだそう。
どの訓練も例外なく仲間割れする中で、他の場所に比べて過酷な環境かつ国籍が全員違うにも関わらず、日ごとにチームがまとまったのが成功要因。
特殊な環境下でずっと一緒にいるとパニックになるメンバーが現れ、パニックは連鎖。結果的にチーム全体として歩調がとれなくなり失敗することが多々。
チーム全体の調和が成否を左右するようです。

「人間は火星に移住できるのか」。
8つの太陽系の中でも火星は有力な移住先候補として、移住計画が活発。
もし、社会や環境の危機から地球を宇宙にバクアップしなければならない現実があるのだとすれば、夢のある話だと浮き足立つわけにもいきません。
しかも、火星に一番近い日本人である村上さんが「僕は火星に移住したくありません」と漏らすくらい生活環境は厳しいのが実態です。

それでも人間が火星に移住するのならば、「宇宙飛行士をヒーローだと思ってはいけない」と村上さんは言います。
極地で「自分がヒーロー」「自分は完璧だ」と思う人は何か問題が起こった時に人のせいにし、チームワークを乱すというのがその理由。
ヒーロー意識が強く、全体に目を配れない人が集まっても移住生活を乗り切れない。
「ヒーローではなく、普通のことを普通にできる人が宇宙に行けるようになってこそ、移住は実現する」と語る村上さん。

日常生活の中でも同様です。
会社、学校、地域、家族、友達。いずれの人間関係においても、エゴイストが関係を破綻させがちです。
厳しい環境の火星であれば、なおさらのこと。
ヒーロー意識がチームワークの邪魔をするのであれば、むしろ「ヒーローはいらない」。
来るべき火星移住において必要なエッセンスは、目の前の生活にも当てはまりますよね。

小川 和也