CHINTAI COLORS OF WONDER J-WAVE EVERY SUNDAY 12:00 - 12:54

NAVIGATOR Mina Horiguchi

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2021.03.28ON AIR

食のピンチを救え!

変化する東京の今をキャッチするCOLORS OF WONDER。

最終回は「食のピンチを救え!」をテーマに、
食品業界の新たなアプローチや、未来をになう学生たちの取り組みを
チェックしました。

そもそも食品ロスとは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品のこと。
平成29年度の推計値によると、日本の食品廃棄物等は年間 2550万トン。
その中で本来食べられるのに捨てられる食品「食品ロス」の量は年間612万トン。
日本人ひとりあたりの食品ロスの量は1年でおよそ48kgで、
日本人ひとりあたりが毎日お茶碗いっぱい分のご飯を捨てているのと同じ量になるんです。

まずご紹介するのは、調味料や納豆でお馴染み、ミツカンが手掛ける「ZENB」。
まるごと素材の栄養をおいしく食べる「新しい食」ということなのですが、
株式会社ZENB JAPAN マネージャー 長岡 雅彦さんにお話伺いました。

皮や芯、種など、植物を可能な限り丸ごと使うことで環境にも優しく、栄養価が高くて、美味しく食べられる食品。
トウモロコシ、ビーツ、パプリカなどのペースト、スティック、ヌードルなどを発売しています。
野菜の普段捨ててしまっている部分までまるごと使った食品「ZENB」。
ペースト、スティック、ヌードルなど様々なラインナップを展開しています。
人口の爆発、温暖化、ゴミ問題などが予測され、
動物よりも植物の方が環境負荷が低いと言われている今。
そんな植物を捨てている部分まで活かせればより環境にやさしいはずとおっしゃいます。

しかも、普段食べていない部分には食物繊維やポリフェノールなど体にいい成分もたっぷり。
動物性の原料を使わず、添加物や砂糖に頼らない、素材そのもののおいしさを活かした食品は
Veganの方も、添加物気にしてる方、グルテンフリーの方にも嬉しい、ダイエットをしてる方ももちろん、
環境負荷を減らすアクションにもつながる!そんな魅力的がたっぷりです。

https://zenb.jp/

次にご紹介したのは、3人の大学生が始めた、
食品ロスを解決するためのちょっとユニークなプロジェクト「大人なバナナプロジェクト」。
廃棄されがちな茶色くなったバナナに「大人なバナナ」と名付け、
その魅力を発信する活動をしています。日本で一番、消費、輸入されている果物というバナナ。
クラウドファンディングで廃棄予定のバナナをスーパーから回収、
カフェで「大人なバナナケーキ」を製造、販売したり、
もっと魅力をしってもらうため「大人なバナナ・オリジナルソング」を制作して配信するなど、
様々な形で活動しています。

「大人なバナナ」には嬉しいポイントがたくさん。
柔らかくて調理しやすいだけでなく、
甘味が強いので砂糖の量を減らしたお菓子作りに向いているとか。
冷凍すると長期間保存もできるので
スムージーやアイスクリーム作りにも向いているのだそう。

茶色いバナナを選ぶ人が増えれば、廃棄も減るはず。
是非、その活動に注目してみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=Flw4nmY9Fk8

食品ロス問題専門家 株式会社office 3.11代表の
井出留美さんにお電話でお話を伺いました。

日本では2019年に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行され、
食品ロスという言葉を多く耳にするようになりました。
しかし、日本では捨てない、という点で後れを取っていて、
家庭からでる食品ロスは世界で4番目に多いのだそう。
諸外国では廃棄された生ごみをコンポストでたい肥などにされることが多い一方、
日本ではその多くが燃やされてしまっていて、世界で最も焼却ごみが多いと言われています。
なんと、世界にある焼却炉の70%以上が日本にあるとも言われています。

ごみ処理にかかる費用は約2兆円で、
そのうちの40?50%が食べ物の償却に使われているのだそう。
所得の低い国ではインフラが整っていないことから食材が捨てられていますが、
所得の高い国では、消費期限の設定などで食べられるのに捨てられてしまう、という現状があります。

コロナ禍では出かける機会が減ったことで、
家にあるものだけで調理をすることで家庭でのロスが減った一方、
給食や飲食店の需要が減って、食材が余る、という状況も生まれました。

例えば、買いすぎを防ぐためにおなかが空いたまま買い物に行かない、
コンポストを使ってみるなど、食品ロスの解決のためにできることはたくさん。

お買い物のとき、少し思い出してみるだけで、
よりよい未来につながるのかもしれません。