2026.03.14 ONAIR

◎「デマ」という言葉は古代ギリシャの扇動政治家を指す言葉からきており、
昔からどの社会にも必ず存在するものです。
著者のシナン・アラルさんは、現在のSNSを「ハイプマシン」と表現しており、
インターネットの普及によって、現代は過去のどの時代よりも
デマが広範囲に早く拡散する危険な環境になっているといいます。

◎長濱さんは、自身についての嘘が拡散された経験を話しつつ、
デマ自体はセンセーショナルに扱われる一方で、
本人がどんなに時間をかけて違うことを証明しても、
一度信じた思い込みを覆すことは非常に難しいと感じたそうです。

◎デマは間違った情報が広がるだけでなく
社会の空気を変え、判断力を下げてしまう危険性があるといいます。
冷静な議論や事実確認がないがしろにされ、感情論が優先されることで、
人々を分断させ、民主主義そのものが成立しなくなる恐れがあると解説しました。

◎日本でデマが拡散された事例だと、
関東大震災の際に「特定の出身地の人々が井戸に毒を入れた」というデマによって
普段は温厚で平和な人も判断力を狂わされ、パニックに陥り虐殺が起きました。
また、コロナ禍では「緑茶がウイルスに効果的」だとSNS上で拡散されました。
冷静な議論や事実確認がないがしろにされると、
科学などの教養を持っているはずの人でも騙されてしまうケースがあります。

◎著者が提唱する、デマに加担しないための3つの心がけ・・
「すぐ反応せず踏みとどまる」
「情報の根拠や出所を確認する」
「拡散することはデマに加担することだと意識する」

◎全てを完璧に調べてから発信することは難しいかもしれませんが、
災害時など不安が煽られる状況下でも、右往左往せずに
ちょっと立ち止まって考えてみることが、自己防衛の第一歩となります。
デマの危険性を意識しながら、日々情報と向き合っていくことが
これからの情報社会を生き抜くために重要になります。

キーワード『デマ』についてもっと知りたい方は
シナン・アラルの『デマの影響力』を読んでみてください。

■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」

ミュージシャンのCwondoさんに
永井玲衣『水中の哲学者たち』をご紹介いただきました。

■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」

シンガーソングライター/ミュージシャンとして多くの優れた作品を発表してきた
Joni Mitchellのジャズ寄りの作品を集めたアーカイヴ・ボックス
『Joni's Jazz』からご紹介。

元々は生粋のフォークシンガーだったJoni Mitchellですが、
人気と創作の全盛期だった70年代後半から、
その音楽性にジャズのテイストを染み込ませていきます。
実際にJaco PastoriusやHerbie Hancockなど
ジャズ/フュージョン界の優れたミュージシャンと共演・共作していくことになり、
さらにその音楽的スタイルは多くのアーティストに影響を与えていきます。

最近新たにコンパイルされた、このアーカイヴ・コレクショ『Joni's Jazz』は、
1970年代中盤以降、ジャズにシフトしていった彼女の音楽性が
じっくりと味わえる貴重なボックス・セットとなっています。

『Joni's Jazz』から『Both Sides Now / Joni Mitchell』を試聴しました。

□今週の図書
シナン・アラル『デマの影響力』
永井玲衣『水中の哲学者たち』

□オンエア曲
Rosanna / Toto
I know you know / Esperanza Spalding
You’re the Best Things / The Style Council
GO / BLACKPINK
Popohipo / Cwondo
Both Sides Now / Joni Mitchell
Always Everywhere / チャーリーXCX