
参考図書は水野学の『センスは知識からはじまる』
◎『センス』と聞くと、生まれつきの才能で
自分の力ではどうにもならないというイメージを持ちがちですが、
著者の水野さんが述べる『センス』とは、知識からはじまるものを指しています。
多くの知識を持ち、たくさん見て、良いものを知っていることが
センスの育成につながるそうです。
長濱さんもこの考え方に対し、先天的なものではないと知って救いがあると話します。
◎山口さんは、著者の水野さんが相鉄線のデザインを手がけた際の
エピソードを直接聞いた話として紹介します。
ネクタイの柄を斜めにするか横にするかを決める際、
個人の好き嫌いという「センス」で議論するのは間違いだと言います。
柄の持つ意味を「知識」として知っていれば、
おのずと正解は決まるのだそうです。?
主観ではなく知識に頼ることの重要性が語られました。
◎山口さんも、ヨーロッパの金融機関のオフィスデザインにまつわる経験から、
知識の重要性について話します。
大理石の床にアンティーク家具を置いた空間を
山口さんは素敵だと感じましたが、本社の役員は
「この床にこの家具は置かない」と違和感を指摘したそうです。
これも、彼らが長年培ってきた多くのものを見るという
「知識」に基づいた判断だと山口さんは語ります。
◎長濱さんは美術館に通う際、
作品だけでなくレイアウトなどの展示方法も
観察することで自分の引き出しが増え、
知識がセンスにつながる感覚がわかると話します。?
また、山口さんはモーツァルトが最先端の音楽に触れるために
ウィーンに留まりたがった手紙のエピソードを挙げ、
常に新しい情報に触れ続けることが、
創作やセンスを磨くために不可欠だと補足します。
◎長濱さんがお芝居の勉強のために多くの作品を見て
真似をすることについて触れると、
山口さんは「最初はパクリから入っていい」と応えます。
手本をそのまま真似しようとしても、
どうしても自分ならではの味が出てしまう部分があり、
それが結果的に独自の個性になっていくのだそうです
SNSなどで容易に情報が得られる現代は、
センスを磨くのに恵まれた時代だと言えます。
◎著者の水野さんは本の中で、流行を追う前にまずは古典などの
「王道を知る」ことが大事だと指摘しています。
王道を押さえた上で流行を知るべきだという主張に対し、
山口さんはココ・シャネルの例を挙げます。
当時のコルセットのように窮屈な王道のスタイルから女性を解放し
一見異常とも言える革新を起こしたからこそ、
100年残るスタイルになったと山口さんは話します。
◎さらに山口さんは、イタリアのジャンニ・アニェッリを挙げ、
シャツのカフスの上に腕時計をつけるなどの「外し」のテクニックを紹介します。
長濱さんが「王道を知っているからこそ外しができる」と納得すると、
山口さんは著者の言葉を借りて、センスの敵は「不勉強と思い込み」だと締めくくります。
主観に頼らず謙虚に学び、多くの良いものに触れて真似ることが
センスを磨く鍵となるようです。
◎キーワード『センス』についてもっと知りたい方は
水野学の『センスは知識からはじまる』を読んでみてください。
■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」
音楽家の蓮沼執太さんに
著:ブランドン・ストウシー / 訳:金聖源
『Make Time for Creativity―本当にやりたいことを続けるために』をご紹介いただきました。
■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」
XTCの未発表ライヴ音源集『Live Boots : New Jersey 17th April 1981』からご紹介。
◎XTCはAndy Partridge(ボーカル/ギター)と
Colin Moulding(ボーカル/ベース)の優れたソングライターの
二人を中心にメンバーチェンジを繰り返しながらも
2000代まで長きに渡って活動。
英国以外でも、ヨーロッパ、アメリカでも作品がリリースされ世界各国で活躍。
ここ日本でもムーン・ライダーズ、坂本龍一、高橋幸宏、
奥田民生、布袋寅泰など多くのミュージシャンに影響を与えており、
所謂?英国ひねくれモダン・ポップ・バンド?のファンにも大きく支持されています。
◎最近リリースされた、この未発表ライヴ音源集
『Live Boots : New Jersey 17th April 1981 』は、
ライブバンドとして最盛期だった1981年の当時のアメリカツアーから1981年4月
ニュー・ジャージーでの熱い演奏が、
Andy Partridgeらによって最新リマスタリング施され
収録されたCD2枚組仕様となっています。
『Live Boots : New Jersey 17th April 1981』から
『Towes Of London / XTC』を試聴しました。
□今週の図書
水野学『センスは知識からはじまる』
著:ブランドン・ストウシー / 訳:金聖源『Make Time for Creativity―本当にやりたいことを続けるために』
□オンエア曲
Uptown Funk / Mark Ronson ft. Bruno Mars
A Natural Woman / Aretha Franklin
In My Life / The Beatles
Hunnybee / Unknown Mortal Orchestra
Streetlighter / 蓮沼執太&Wフィル
Towes Of London / XTC
Green Garden / Laura Mvula