
参考図書は平木典子さんの『アサーション入門』
まず、アサーションという言葉は
平木さんの解説によると「自分も他者も大切にする自己表現」。
元々はアメリカ心理学者ウォルピィが提唱したもので、
人間関係における自己表現は3つのタイプがあるとされています。
例えば…
「仕事が早く終わったので、
今日しか観ることのできない映画に行こうと思っていたところ、
友人から“今日、一緒に夕食を食べない?”と連絡が。」
そんな時…
(1)「急にそんなことを言われても」と思いはするものの、
断るのも悪いと思ってつきあう。
(2)「そんなに急に言われてもダメ」と自分の予定を変えない。
(3)「観たい映画があるんだけど、今日がいいの?」と相手の思いを確かめ、
他の可能性を探る
長濱さんは
(1) 「急にそんなことを言われても」と思いはするものの、
断るのも悪いと思ってつきあう。
山口さんは
(2) 「そんなに急に言われてもダメ」と自分の予定を変えない。
こちらの問いでは、以下のように分析されます。
(1)を選んだ人は「非主張的自己表現」
(2)を選んだ人は「攻撃的自己表現」
(3) を選んだ人は「アサーション(アサーティブな自己表現)」
長濱さんが選んだ(1)非主張的自己表現は、
自分の気持ちや意見を言わない/言えない、
言っても伝わりにくい自己表現とされています。
このタイプの表現をする人は、反論しないため
揉め事を回避する「いい人」と思われる事が多いですが、
その一方で「都合のよい人」とも見なされがちです。
この本には「やって良いことは意外にたくさんある」という見出しがあります。
「依頼を断ってはいけないのではないか」、
「自分の希望を控えめに述べるべきだ」のように
長濱さんも「きっとこれは失礼だ」「これは相手を不快にさせる」と
決めつけてしまい
先回り・深読みして自分の主張をやめてしまう事が多いそうです。
この本を通して「あ、意外と自分の気持ちって伝えていいんだな」と
思えるようになったそうです。
自分の話したいことや欲求は、なるべく率直に伝えるのと同時に
相手にとってより良い選択肢があるのではないか、と
相手の反応を待って作り上げていくようなイメージでもあります。
多くの人はこの3つの自己表現を、相手や状況に応じて
無意識に使い分けているとされています。
どの自己表現の割合が大きいかは、人によって異なります。
イギリスの心理学者ジョン・ボウルビィは
両親から愛されて大事に育った人は
心の繋がり=アタッチメントが備わると言いました。
このアタッチメントがあると帰れる場所があると認識でき、
リスクを取って色々な冒険が出来るそうです。
長濱さんも、ご家族に対しては
アサーティブな自己表現が出来ていると話しました。
重要なのは、アサーションが問題を解決する訳では無いこと。
著者である平木さんも「思い通りに進むとは限らない」と考えます。
互いに意図を説明しあい、理解しあい、歩み寄りの提案をして、
合意点を見つける話し合いが必要になってきます。
キーワード『アサーション』についてもっと知りたい方は
平木典子さんの『アサーション入門』をぜひ読んでみてください。
■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」
Soraya壷阪健登さんに
チック・コリア著/八島敦子 訳
『チック・コリアの A Work In Progress
?音楽家として成長し続けるために?』を
ご紹介いただきました。
■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」
Tedeschi Trucks Band & Leon Russell?のライブ・アルバム 『Mad Dogs & Englishmen Revisited - Live At LOCKN'』
テデスキ・トラックス・バンドがスワンプ・ロック界の巨匠レオン・ラッセルと共演。
レオンがジョー・コッカーと組んでいたバンド、マッド・ドッグス&イングリッシメンの
名作ライブ・アルバムを再現したトリビュート・アルバムが、
今年の9月にリリースされました…
このライブでは元気なヴォーカルと唯一無二のピアノを聴かせてくれた
レオン・ラッセルですが、残念ながら彼は、このほぼ一年後、
2016年11月に74歳でこの世を去っています・・・
ライブ・アルバム 『Mad Dogs & Englishmen Revisited - Live At LOCKN’』から
『Delta Lady?/ Tedeschi Trucks Band & Leon Russell』を
試聴しました。
□今週の図書
平木典子『アサーション入門』
チック・コリア著/八島敦子 訳
『チック・コリアの A Work In Progress
?音楽家として成長し続けるために?』
□オンエア曲
Ray of light / Madonna
Rendezvous / Matthew Larkin Cassell
All things must pass / George Harrison
The fate of Ophelia / Taylor Swift
ひらめきを待っている / soraya
Delta Lady?/ Tedeschi Trucks Band & Leon Russell
Peaceful / Kenny Rankin