2025.10.18 ONAIR

先日、ジュンク堂書店池袋本店で開催された公開収録イベントの様子をお届けしています。
参考図書は『未来を照らすコトバ ビジネスと人生、さらには社会を変える51のキーワード』。
この本に収録されたキーワードをもとに、番組を振り返りました。



◎最初のキーワードは『高原社会』

2022年4月、番組がスタートした際に最初に取り上げたキーワードです。

成長が止まった世の中は、停滞・失われた何十年と呼ぶのでは無く
「高原に出た」と言えるのではないか、という話から決まったキーワードになります。

山口周さんの生まれた70年代は関西万博も開催され
大きな成長がある世の中でした。
一方、長濱ねるさんが生まれた頃にはすでに高度経済成長期やバブルが終わり、
デジタル機器やインターネットが発達し、既に「高原社会」でした。

経済成長には波があり、成長し続けることは難しい…。
「高原社会」の名の通り、ある程度見晴らしの良い高原に達してしまうと
次に成長できるのは”文化”なのではないでしょうか。
人の暮らしを豊かにする方へシフトチェンジをするべきなのかもしれません。

お二人にとって“豊か”だと感じる時間とは?
長濱さんは「海外にライブを観に行くとき」、
山口さんは「風の吹くベランダで本を読んでいる時間」と答えました。
どちらの時間にも共通しているのは、“平和”が基盤にあるという点です。


◎二つ目のキーワードは『サーバントリーダーシップ』

いわゆる、“リーダーがメンバーを支える”という考え方です。

GAFAの創業者の平均年齢はおよそ24歳。
また、ユニコーン企業と呼ばれる創業から10年以内に
時価総額1500億円に到達した企業の創業者の多くは
20代〜30代前半とされています。
今、世界でイノベーションを起こしているのは、
まさに若い世代なのかもしれません。

日本では今も“歳を重ねるほど優秀になる”
という意識が残っていますが、
山口さんは「我々の年代こそ、
サーバントリーダーシップを発揮するべき」と語ります。

ゴルフに例えるなら、若い世代が思い切り打てるように、
リーダーや上司がクラブを渡し、
セットアップに回ることが大切だという考え方です。
長濱さんが「そのショットの責任は打った本人と
セットアップしたリーダー、どちらにあるのか」と尋ねると、
山口さんは「責任はセットアップした側にある」と回答。
リーダーは、クラブを変えたりティーの高さを調整したりする
役割を担うのだと話しました。

そんな『サーバントリーダーシップ』の対極にあるのが
なんと、ドラマ『水戸黄門』。
代表的な“支配型リーダー”の構図だといいます。

では、先輩方が「この人にかけたい!」と思う若者とはどんな人か?
山口さんは「ビジネスプランや知識よりも、まずは情熱」と話します。
情熱がないと困難な局面を乗り越えられない。
だからこそ、情熱のある人を応援したくなるのだそうです。


◎三つ目のキーワードは『セルフアウェアネス』

『セルフアウェアネス』には2種類あり、
自分の気持ちを理解する「内的セルフアウェアネス」と
そして周囲が自分をどう感じているかを理解する「外的セルフアウェアネス」。

長濱さんは「内的」よりも
「外的セルフアウェアネス」を気にすることが多いと話し、
一方の山口さんは「両方とも高いけれど、勘違いをしているかも」とのこと。

この『セルフアウェアネス』を鍛えるには、AIの活用も有効なのだとか。
お二人はどのようにChatGPTを使っているのでしょうか。

長濱さんは、「こういうことがあったんだけど…」
「なんでモヤモヤしてるんだろう…」とChatGPTに相談すると、
複数のパターンで理由を提示してくれるといいます。
“こんなに分かってくれるんだ…!”という感動で、
思わず涙が出たこともあるそうです。

山口さんは、飲み屋で隣に座ったおばあさんに説教をされた際
口答えをしてしまいビンタされた出来事をChatGPTに相談したそうです。
家族に話すと心配をかけてしまうため、AIに打ち明けたとのこと。
エリック・バーンの交流分析でいう典型的な失敗パターンだと感じ、
「私に起こった事を組織開発のメソッドで分析して」と
依頼したところ、そのプロセス自体が癒しになったと語りました。

自分の気持ちを言語化してから相談するため、
『セルフアウェアネス』の向上にもつながると話しました。


◎四つ目のキーワードは『寛容』

『寛容』と聞いて山口さんが思い浮かべるのは、
スタジオジブリ『魔女の宅急便』に登場するおソノさん。
キキが「この街の人、魔女があんまりお好きじゃないみたいですね」とこぼすシーン。
2.3人に意地悪されただけで“この街の人は”と言ってしまうのは、
統計学的には“過度な一般化”だと感じた山口さん。
しかし、おソノさんは「大きな街だからね、いろんな人がいるよ」と穏やかに返します。

一方、長濱さんが憧れるキャラクターは『千と千尋の神隠し』のリン。
周りに対して千を叱っているふりをしながら、
廊下に隠れた際には千を褒めたり、
鎌爺にお礼を言うよう指導したりと、
ある意味で『サーバントリーダーシップ』も
体現している存在だといいます。



◎『未来を照らすコトバ 
ビジネスと人生、さらには社会を変える51のキーワード』
から4つのキーワードをピックアップして振り返りました。
こちらの本には今回の4つだけではなく、
合計で51のキーワードが収録されています。

ぜひ、書店やAmazonにてお手にとってみてください。

今回、公開収録をさせていただいた
ジュンク堂池袋本店の5階では
BIBLIOTHECAのコーナーが作られています。
番組でご紹介した本も一緒に並んでいるので
ぜひ訪れてみてください。


□今週の図書

『未来を照らすコトバ 
ビジネスと人生、さらには社会を変える51のキーワード』

山口周『ビジネスの未来』
ロバート・K・グリーンリーフ『サーバントリーダーシップ』
ターシャ・ユーリック『インサイト~いまの自分を正しく知り、
仕事と人生を劇的に変える自己認識の力』
森本あんり『不寛容論 アメリカが生んだ「共存」の哲学』


□オンエア曲

One fine day / STING
Pefect Angel / Minnie Riperton
Slow / Rumer
Love Story / Taylor Swift
Namber one girl / Rose