2025.06.14 ONAIR

今回のテーマは「サーキュラーエコノミー」

参考図書は、磯貝友紀さんの『必然としてのサーキュラービジネス』。

「サーキュラーエコノミー」とは、
資源の効率的な循環利用の仕組みを作り、
資源やエネルギー消費を抑え、新しい価値を生み出そうという
社会経済システムのこと。

一般的な社会経済システムは、リニアエコノミーと呼ばれ、
原材料・製品・利用・廃棄物 といった流れが直線的。
一方「サーキュラーエコノミー」では、
資源の回収や再利用が前提とされているので、
廃棄物という概念がなく、一度消費された製品も再資源化して循環します。

「サーキュラーエコノミー」が注目されている理由は、
気候変動や資源枯渇など、
深刻化する環境問題への解決手段と考えられるからです。

これまでにリニアエコノミーは、
経済成長と引き換えに、資源枯渇や生物多様性損失など
さまざまな問題を引き起こしてきました。

WWF(世界自然保護基金)は2012年の時点で、
人類の経済・消費活動を支えるためには、
地球1.5個分が必要だと警鐘を鳴らしています。

では、具体的にどんなビジネスモデルがあるのでしょうか?
例えば、回収とリサイクル。
寿命を終えた製品を回収し、再度、原材料として製造サイクルに戻し、
より高い付加価値を生み出すモデルです。
それだけではなく、さらに一歩進んで、原材料の時点で回収し、
再利用しやすいものを採用するケースも増えているそうです。

事例でいうと、ファーストリテイリングの「RE:UNIQLO」。
不要になったユニクロの衣類を回収し、
それを材料に新たな服を作る取り組み。

また、コカ・コーラシステムは、
2022年2月時点で国内で販売する5ブランドで、
37製品に100%リサイクルPETボトルを使用しています。

よく言われるのは、確かに良い取り組みだけど・・・
「顧客にとって負荷価値はあるのか?」
「企業にとって利益を出せるのか?」
たしかにこの2つがないと、持続可能なビジネスにはならないですよね。

『サーキュラーエコノミー』についてもっと知りたい方は、
『必然としてのサーキュラービジネス』をぜひ読んでみてください。


■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」

ロックバンド・ART-SCHOOL のフロントマン、木下理樹さんに、
中島らも著『頭の中が痒いんだ』をご紹介いただきました。


■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」

「CTI」 という、ジャズ・レーベル。
70年代の米国名門ジャズレーベルの作品を、5月に60タイトル、
9月に60タイトルと、一気に再発されるプロジェクトから、
レアなライブ盤を紹介。

CTI は、3年前に他界した、クリード・テイラーという
敏腕プロデューサーが主宰していたレーベルで、
1970年1月に設立。
彼は1929年、アメリカのヴァージニア州生まれ。
新興のベツレヘム・レコードに入社、
その後ヴァーヴ・レコードやインパルス・レコードといった
名門レーベルを転々として、ゲッツ/ジルベルトの『イパネマの娘』や
ジミー・スミスの『ザ・キャット』などのヒット作を手がけました。

ジョージ・ベンソン、ボブ・ジェイムス、 エリック・ゲイル、
グローヴァー・ワシントン Jr. など、
のちのクロスオーヴァー・ジャズやフュージョンの先駆けとなった、
洗練されたミュージシャンの重要作ばかり...

そして今回再発プロジェクトでリリースされた作品のうち、
72年7月に開催された、CTIレーベルのミュージシャンが総出演した
ライブ・イベントからの3枚のライブ・アルバムも復刻されました。

その『CTI SUMMER JAZZ at the HOLLYWONND BOWL VOL.1』から、
マーヴィン・ゲイ・メドレーを試聴しました。


□今週の図書
磯貝友紀『必然としてのサーキュラービジネス』
中島らも『頭の中が痒いんだ』

□オンエア曲
No Such Thing / John Mayer
You can’t turn me away / Sylvia Striplin
Takin’ It To The Streets / The Doobie Brothers
Yougotmefeeling / Percels
1985 / ART-SCHOOL
Inner City Blues/What's Going On / CTI ALL STARS
Ordinary / Alex Wallen

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『BIBLIOTHECA』の本が出版が決定!2025年秋発売予定です。

これまで番組で取り上げた160以上のキーワードと参考図書の中から、
選りすぐりのものをまとめました。
皆さんのよりよい生き方の参考となる考え方などが手軽に得られる一冊。

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山口周&長濱ねるのオリジナル対談も収録されます。


この本に収録するコラムをリスナーの皆さんに募集!
テーマは、 「私の人生に影響を与えた1冊」
「私の読書マイルール」「読書にまつわるエピソード」
この3つの中からどれか1つ選んで、
400字程度のコラムを番組HPのメッセージフォームよりご応募ください