2025.06.07 ONAIR

今回のテーマは「インテリジェンス・トラップ」

参考図書は、デビッド・ロブソンの『知性の罠』

「賢い人(知能の高い人)は優れている判断を下すことができる」
と思いがちですが…。
最近の研究では、知能や教育程度が高い人でもある種の愚かな考え方に
陥りやすいことがわかってきたそうです。

では、なぜ「知性」ある人が、愚かな考え方に陥ってしまうのでしょうか?

考えられる理由の1つは「合理性障害」
「合理性」とは、与えられたリソースをもとに目標達成に向けて
「最適」な判断を下す能力です。
最近の研究では、知能(知性)と「合理性」に相関関係がないことが
わかってきました。
抽象的思考力を測るテストの成績はいいのに、
合理性を測るテストの成績は低いことがあるというような、
知性と合理性のミスマッチが合理性障害。

その原因は、「認知的倹約(分析ではなく直感で判断をくだす)」
「マインドウェア汚染(土台となる知識が誤っている)」など多数です。

賢い人間は、その知性を使って、
たとえ誤っていても自分の信念を合理化しようとします。
自分の知性を、あらゆる反論を否定するのに使ってしまうと
考えられます。

これはもっとも重要で、
もっともよく見られるインテリジェンス・トラップの形態と言われています。

専門家が陥りやすいインテリジェンス・トラップとしては、
自信過剰 ⇒自らの判断に過剰な自信を抱くようになるということ。
それによって自らの限界を認識できなくなってしまいます。

では、どうしたら「インテリジェンス・トラップ」を回避できるのか、
考えていきました。

キーワード『インテリジェンス。トラップ』についてもっと知りたい方は、
『知性の罠』をぜひ読んでみてください。


■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」

シンガーソングライターでギタリストReiさんに、
カズオ・イシグロ著『わたしを離さないで(Never Let Me Go) 』
をご紹介いただきました。


■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」

エルトン・ジョンの未発表ライヴ・テイクを紹介。
彼の1977年5月、ロンドンのレインボウ・シアターでの
ライブ音源のアナログLP
『Live from the Rainbow Theatre with Ray Cooper』

このライブは、エルトン・ジョンが、
パーカッショニストのレイ・クーパーだけをバックに
ピアノの弾き語りで行ったコンサートで、
のちにこのスタイルで 1979年当時のロシア(ソ連)のモスクワでも行い、
こちらはライブ・アルバムやビデオなどでリリースされ話題となりました。

今回のこのライブLPは、BBCラジオでのライブ・アーカイヴから発掘された
未発表ライブテイク含む、史上初の公式アナログ・リリース。
またこの LP は、先日紹介したジョン&ヨーコの NY ライブと同じく
2025年レコード・ストア・デイ限定180g 重量盤でのリリースされました。


□今週の図書
デビッド・ロブソンの『知性の罠』
カズオ・イシグロ『わたしを離さないで(Never Let Me Go) 』

□オンエア曲
Start Me Up / The Rolling Stones
It follows you around / Tim Cashion
Up, Up and Away / The Fifth Dimension
Stevie&Sky / Your gun silver fox
SODA! / Rei
Idol / Elton John
Messy / ROSE


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『BIBLIOTHECA』の本が出版が決定!2025年秋発売予定です。

これまで番組で取り上げた160以上のキーワードと参考図書の中から、
選りすぐりのものをまとめました。
皆さんのよりよい生き方の参考となる考え方などが手軽に得られる一冊。

ブックガイドとしてもお使い頂けるほか、
山口周&長濱ねるのオリジナル対談も収録されます。


この本に収録するコラムをリスナーの皆さんに募集!
テーマは、 「私の人生に影響を与えた1冊」
「私の読書マイルール」「読書にまつわるエピソード」
この3つの中からどれか1つ選んで、
400字程度のコラムを番組HPのメッセージフォームよりご応募ください