2025.04.19 ONAIR

今回のテーマは「人望」

参考図書は山本七平の『人望の研究』です。

現代の日本社会では、どれほど能力があっても、
周囲から「あいつは人望がない」と評価されれば、
その人の前途は絶たれてしましまうケースが多いと考えられます。
それほど『人望』は絶対的な規範となっていると言われます。

しかし、重要なものでありながら『人望』はなにかというのは
曖昧であるのが現実…。
どうしたら『人望』を得られるのか?ということを教えてくれる人は
そんなにいません。
参考図書では、徳川時代の必読書である朱子学の入門書「近思録」を元に、
『人望』とはなにか?どうやったら得られるのか?を説いています。

江戸時代の本が今の時代に役立つのか?と思うかもしれませんが、
日本で『人望』というものが重要視されるようになったのは江戸時代。
根本的な価値観は、当時から消えることはなく、
今にも通用すると述べられています。

館長が思いつく、「人望」がある人の例が、西郷隆盛。
私利私欲がなく、社会のためを思って動いていた人です。

大きな組織を束ねるリーダーが大切なことは、
ビジョンをしっかり出す、明確なイメージを伝えることだという話にも。

『人望』を得るために必要なのは自己抑制であり、
自分が良ければ良いという考えを優先せずに動くことが大切です。

また、『人望』を得るためには、「近思録」でいう「九徳」の獲得も必要で、
詳しくは参考図書で説明をされています。
どれも矛盾しているので、できないと思われるかもしれないが、
「九徳」を意識しながら修練することで、獲得できるといいます。

なかなか手強い、『人望』についてもっと詳しく知りたい方は、
山本七平さんの『人望の研究』を、ぜひ読んでみてください。


■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」

アーティストで映像作家の中田拓馬さんに、
阿部和博 著『小学生から始めるわくわくプログラミング』
をご紹介いただきました。


■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」

テストパターン]というユニットの、1983年にリリースされた
アルバム『アプレ・ミディ』の復刻盤をお届け。

デザイナーの比留間雅夫、 そして彼のオフィスで働いていた
市村文夫の2人によるユニット。
以前このコーナーで紹介したユニット、インテリアと同じく
細野晴臣のプロデュース、 彼が主催した
YENレーベルで1983年に制作されたのが、このアルバム『アプレ・ミディ』で、
80年代初頭の東京に相応しいポスト YMO、和製テクノ・ポップの
隠れた傑作となっています。

近年海外でも再発売の要望の声が大きいテストパターンの作品、
ついにこの2月にリリースされた、この 『テストパターン』の復刻盤は、
最新マスタリングが施されている Blue-Spec高音質CDとなってます!


□今週の図書
山本七平『人望の研究』
阿部和博『小学生から始めるわくわくプログラミング』
ジョディ・ローゼン『自転車 人類を変えた発明の200年』

□オンエア曲
Because of you / Neyo
Spring song / Linda Lewis
On Saturday afternoons in 1963 / Rickie Lee Jones
Anxiety / Doechii
Corrente I / Rolf Lislevand & Rolf Lislevand ensemble
Aeroplane / TESTPATTERN
Replay / Cynthia Erivo