2025.03.01 ONAIR

今回のテーマはSDGs目標8「働きがいも経済成長も」

参考図書は、村山昇さんの『はたらくってなんだ?』です。

まず目標8が設定された背景を確認すると…
途上国の児童労働に関して、2021 年に発表された報告書によると、
児童労働に従事する5~17歳の子どもの数は約1億6000万人と言われています。
さらに、7900万人の子どもたちが、健康や安全、
道徳面で有害な可能性の高い仕事に従事しているのが現状です。

次に、ジェンダー格差。
2023 年のILOの発表によると、「働きたいが仕事がない」と答えた男性は、
世界全体で10.5%だったのに対して、女性は15%だったそうです。

そして、雇用格差。
若者の失業率が問題ですが、2023年の世界全体の若者の失業率は13%、
過去15年間でもっとも低く、改善傾向にあリマス。
しかし、安定した長期雇用の仕事を持つ割合を比べると、
低所得国では高所得国の約5分の1しかいないという現状があります。

以上のような背景で目標8が設定されました。

目標8のポイントは、ただ単に「働く」ではなく「働きがい」という部分。
目標8の正式な説明文の中に「ディーセントワーク」という言葉が出てきます。
日本語では「働きがいのある人間らしい仕事」と訳され、
「生きがいを持って安心できる環境づくり」という意味が込められた言葉であり、
1999年に開催された第87回 ILO(国際労働機関)総会で提唱された言葉です。

「ディーセントワーク」の基本的な概念は世界共通ですが、
文化や環境が異なることから国によって条件は様々。

日本では厚生労働省が、「ディーセントワーク」の4つの条件を掲げています。
1 働く機会があり、持続可能な生計に足る収入が得られること。
2 労働三権など働く上での権利が確保され、職場での発言が行いやすく、
 それが認められること。
3 家庭生活と職業生活が安定でき、安全な職場環境や雇用保険、
医療、年金制度などのセーフティネットが確保され、自己の鍛錬もできること。
4 公正な扱い、男女平等な扱いを受けること。

以上の4つです。

番組スポンサーのNTT グループも様々な対応をしていらっしゃるようです。
例えば、体が不自由であったり、外出困難な方が応対する遠隔操作ロボットの OriHimeがNTTの受付でお客さんをご案内しているそうです。
NTT グループの特例子会社である NTT クラルティ社員の方も
OriHimeのパイロットとして活躍されているそうです。

グループ全体の障がい者の雇用は約4000人で、
そのうち特例子会社 4 社での雇用は約 1000 人と障がいのある方の
積極的な採用と活躍の場の拡大に向けた取組を実施しているということです。

SDGs目標8「働きがいも経済成長も」についてよく考えるため、
「働く」ということについてあらためて見つめ直してみたい方は、
参考図書 村山昇さんの『はたらくってなんだ?』をぜひ読んでみてください。


■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」

レトロリロンのベーシスト飯沼一暁さんに
綾辻行人著『十角館の殺人』をご紹介いただきました。

■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」

ムーンライダーズの1984年にリリースされた、
代表作『アマチュア・アカデミー』40周年記念盤を紹介。

全盛期の6人のメンバーで制作されたのが、
通算9枚目となる『アマチュア・アカデミー』で、
YMO以降のテクノポップのスタイルを咀嚼し、
当時の最新デジタルレコーディングを駆使した画期的な作品でした。

昨年11月にリリースされた、この『アマチュア・アカデミー』40周年記念盤は、
最新マスタリングが施され、ボーナス・トラックとして当時シングルのみで
リリースされた曲やアナザーテイクが4曲収録されています。
さらに1984年に渋谷公会堂で行われた、 伝説的ライブの模様を収めたDVDも
カップリング!まさに究極の2枚組セット。


□今週の図書
村山昇『はたらくってなんだ?』
綾辻行人『十角館の殺人』

□オンエア曲
Birds of feather / Billie Eilish
Aguas De Marco / Elis Regina
Minute by minute / The Doobie Brothers
Bouquet / Gwen Stefani
カテゴライズ / レトロリロン
GYM/ Moonriders
Northern Lights / Teddy Swims