2025.02.01 ONAIR

今回のテーマは「ライフ・マネジメント・ステラジー」

参考図書は、山口周館長の新刊『人生の経営戦略』です。

『ライフ・マネジメント・ステラジー』とは、
経営学全般のコンセプトやフレームワークを、 個々人の人生に活用する、
という提案。
その内容の一部は、これまでにこの番組でも取り上げてきました。
例えば、『ブルーオーシャン戦略』『キャズム』
『バランス・スコア・カード』などがあります…

人生と経営を結びつけることに違和感がある方もいるかもしれません。
しかし、経営=マネジメントには、
「思いどおりにいかないものを、とにかくなんとかする」
という意味もあるそうです。
予想もしていなかったことが起き、さまざまな障害が立ちはだかり、
計画も管理も統制もうまくいかないからこそマネジメントが必要となります。
それは人生も同じだと考えられます。

「良い戦略」は必ず前提に「良い目標」があります。
「悪い目標」を立てれば、いかに優れた戦略でもプロジェクトは破綻します。
それは個々人の人生においても同じ。

提案する人生というプロジェクトの長期目標は、
「時間資本を適切に配分することで持続的なウェルビーイングの状態を築き上げ、
いつ余命宣告をされても“自分らしい、いい人生だった”と思えるような人生を送る」
ということ・

この定義には3つのポイントがあります。
1 私たちがコントロールできる戦略変数は「時間資本しかない」
2 「時間資本をいかに配分するか」がライフ・マネジメント・ステラジーの
 中心的な論点。
3 「持続的なウェルビーイング」。
人生の最後にウェルビーイングを実現すればいいという考えではない。

人生のステージの最初の段階で持っているのは「時間資本」のみ。
この時間資本を良い学びの得られる「スジの良い学習」や、
良い経験を得られる「スジの良い仕事」に投下すると、
時間資本は知識・経験・スキルといった人的資本に 転換されます。

「人的資本」が、信用・評判、ネットワークといった「社会資本」を生み出し、
「社会資本」が「金融資本」を生み出します。
「人的資本」から直接「金融資本」が生み出されることはないと考えることができます。

キーワード『ライフ・マネジメント・ステラジー』について、
もっと詳しく知りたいという方は、
山口館長の『人生の経営戦略』をぜひ読んでみてください。


■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」

シンガーソングライターの高橋優さんに、
茨木のり子 著『自分の感受性くらい』 をご紹介いただきました。


■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」

Americaの1975年のレアなライブ音源を、
昨年レコード・ストア・デイでリリースされた、
アナログレコード2枚組『Live From The Hollywood Bowl 1975』から、
お届けしました。

1971年にアルバム『アメリカ』でデビュー。
3人はみんな、歌も作詞・作曲もこなし、その美しいコーラス・ワークも
定評があって、 70年代から80年代にかけて世界的に人気を誇りました。
「ア・ホース・ウィズ・ノー・ネーム(名前のない馬)」、
「シスター・ゴールデン・ヘアー(金色の髪の少女)」など、ヒット曲も多いです。

今回聴いていただくライブが行われた頃は プロデューサーは
ザ・ビートルズを手掛けたジョージ・マーティンが担当。
メンバー3人がビートルズの大ファンだったことから起用されたということです。
そしてこのライブは、音楽の殿堂、LA のハリウッド・ボウルで行われ、
ジョージ・マーティンが指揮をしたシンフォニー・オーケストラとの共演という、
ファンならば堪らないものでした。全曲が未発表音源となっています!


□今週の図書
山口周『人生の経営戦略』
茨木のり子『自分の感受性くらい』

□オンエア曲
Sugar / Maroon5
It’s the falling in love / Carole Bayer Sager
50ways to leave your lover / Paul Simon
Soup / Remi Wolf
リアルタイムシンガーソングライター / 高橋優
A Horse With No Name / America
Cure for me / Aurora