2024.11.23 ONAIR

今回のテーマは「IOWN(アイオン)」

参考図書は島田明さん、川添雄彦さんの『IOWN の正体』です。

『IOWN』というのは「Innovative Optical and Wireless Network」の略。
「光」の技術をベースとした、
新たなネットワークとコンピューティングの技術基盤です。

従来は電気信号で用いていた通信や演算処理を、光信号を用いて行います。
もう少し具体的に説明すると、新たなネットワークというのは、
都市間などの長距離の通信を光信号で行える専用線サービスで、APNといわれます。

インターネットの光回線ならば、
今でもあるじゃないかと思われるかもしれません。
しかし、現在の光ファイバーサービスはあくまで経路の一部分で、
その前後では電気信号を光信号に変換する、光信号を電気信号に変換する、
という過程があります。

一方、APNは回線の端から端まで一貫して光信号で通信を行います。

例えるならば、
ねるさんが、自宅から大阪のテレビ局まで移動する時、
これまでは自宅の最寄り駅から東京駅まではJRや地下鉄を使い、
東京~新大阪間だけは新幹線。
そして新大阪からテレビ局のある駅までは 地下鉄だったのが、
自宅の最寄り駅からテレビ局の最寄り駅まで、
直通の新幹線で行くことが できるようになる…というようなイメージ！

新たなコンピューティングというのは、
コンピュータの中にある基盤(ボード)どうしは現在、
電気で接続されていますが、それを光で接続します。
続いて、IC(集積回路)チップどうしも光で接続。
さらには、IC チップ内の電子回路も光化…。

このように『IOWN』というのは、世界規模からミクロの世界にまで
活かすことのできる技術基盤。
「電気」を「光」に置き換えるのが、『IOWN』の最大の特徴です。

そして、「光化」の大きなメリットの1つが「省電化」。

世界的に消費電力が増えているというイメージはあると思います。
その大きな原因として、人類が生み出すデータ量の増加があることは、
気づいていない方も多いかもしれません。

データ量が増えれば、それを伝送する、処理する電力消費も増えます。
近年、電力消費の増大に拍車をかけているのが、AIの急速な発展。
特に生成AIの核となる大規模言語モデルを構築するには、
学習させるための膨大な計算処理が必要です。
しかも1回学習して終わりではなく、定期的な更新が必要になります。


『IOWN』から、この先、今の私たちが想像もできなかったなにかが
誕生するかもしれません。

『IOWN』についてもっと知りたい方は、
『IOWNの正体』をぜひ読んでみてください。



■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」

シンガーソングライターのBen Inuiさんに、
短歌アンソロジー『海のうた』をご紹介いただきました。


■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」

トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズが1982年に発表した
4枚目のスタジオ・アルバム 『ロング・アフター・ダーク』
(デラックス・エディション)から、未発表音源をお送りしました。

80年代になって ニュー・ウェイヴのスタイルも取り入れた
モダンなサウンドで、当初は賛否両論ありましたが、
結果的に新しいファンも獲得、とくにシングル・カットされた
「ユー・ゴット・ラッキー」の 近未来的内容のミュージック・ビデオが、
当時台頭してきた MTV でもヘヴィープレイされました。

そして今回、アルバム『ロング・アフター・ダーク』
デラックス・エディションとして 2CD+Blu-ray オーディオで
リリースされました。 最新リマスターのオリジナル盤に加え、
いちど録音されながら没になったヴァージョンやアウトテイクなど
未発表音源が満載、ファン垂涎の内容となっています...

お届けするのは映画『ストリート・オブ・ファイアー』挿入歌として、
シンガーのマリア・マッキーに書き下ろした曲の、
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの録音による未発表ヴァージョンです。


□今週の図書
島田明、川添雄彦『IOWN の正体』
『海のうた』（短歌アンソロジー）

□オンエア曲
Everybody wants to rule the world / Tears for fears
What am I gonna do / Gloria Scott
Being with you / Smokey Robinson
Good luck ,Babe! / Chappell Roan
RED / Ben Inui
Never Be You / Tom Petty & The Heartbreakers
Iloveyou,I’msorry/GracieAbrams