
今回のテーマは「SDGs目標5:ジェンダー平等を実現しよう」
参考図書は、牧野百恵さんの
『ジェンダー格差 実証経済学は何を語るか』です。
「ジェンダー」とは、社会的・文化的に意味づけされた性別(性差)のこと。
生物学的な性別(性差)=セックスとは異なります。
この目標の全文は
「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」とあります。
女性・女児とあるのは、男性と比べて女性の方が劣位にある場合が多いからです。
例えば、「初等教育を一切受けられない女の子は世界で900万人以上」に上り、
それは男の子の人数の3倍となっています。
また、日本の順位が低いことの衝撃ばかりが報じられて、
「ジェンダー・ギャップ指数」の詳細は知らない方も多いかもしれません。
ジェンダー・ギャップ指数は、教育、健康、経済、政治の四分野について測られます。
このうち「教育」と「健康」に関しては、
日本はジェンダー格差がほぼないと言われています。
ここでは、世界の文学者の例などで考えました。
日本のジェンダー・ギャップ指数の全体のランクを下げている原因は、
政治と経済の分野で、経済分野が120位、政治分野が113位です。
日本のジェンダー格差はどうしたら改善できるのでしょうか?
例えば、クォータ制(割当制)の導入なども考えることができます。
政治家については、すでに130ケ国以上で、
女性が占める最低の割合を法的に定めた制度があります。
クォータ制によって女性の登用を図ることが、よりよい政治につながるのか?
と、疑問視する声もあると思いますが、
女性クォータ制の導入は議員の質の低下には繋がらず、
むしろ有能ではない男性議員を排除する結果に繋がる、という研究結果もあります。
女性の政治家や経済界のリーダーが増えると、
彼女たちがロールモデル=お手本となることで、
次世代の女性たちのプラスの効果があることもわかってきているそうです。
ジェンダー格差の原因は、社会規範やそれによって形作られる思い込みです。
社会規範や思い込み、アンコンシャスバイアスを変えないと、
制度を変えても、ジェンダー格差は改善しないこともあると考えられます。
日本のジェンダー平等に向け、 その解決策のひとつとして、
女性が自ら次世代・地域社会に対して
「顔の見える活動による発信」を続けていくのも長い目で見て
ジェンダー平等につながります。
番組のスポンサーNTTグループでは、
ダイバーシティ&インクルージョンの一環として、
2022年6月から有志による「チームSelf as We」を立ち上げているそうです。
女性社員をエンパワーメントする活動に加え、去年から、地域社会への貢献と
ICTの観点で、技術系に進学する女子学生を増やしていく後進育成の草の根活動を
企画、推進しているとのことです。
SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に関して
もっと考えてみたい方は、
参考図書、牧野百恵さんの『ジェンダー格差』をぜひ読んでみてください。
■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」
シンガーソングライターのtonunさんに
『三匹の子ぶた』をご紹介いただきました。
■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」
今回紹介したのは、リンダ・キャリエールという女性シンガーです。
1977年にレコーディングされながらお蔵入り。
今年7月、実に47年ぶりに発表されたアルバム『Linda Carriere』から、
山下達郎が書き下ろした「Up On His Luck」をお送りしました。
無名の存在だった彼女を当時アルファ・レコードを発足した村井邦彦が
知人を通して知り合い、日本で進行を深めていた細野晴臣に紹介、
彼もリンダを気に入り、彼のプロダクションで作品を世界に向けて
リリースすることになったのです。
そして細野プロデュースのもと、ソングライターとして山下達郎、
吉田美奈子、矢野顕子、
佐藤博、細野自身という錚々たるメンツが曲を書き下ろし、英語詞をつけ、
バッキングトラックを用意して、彼女を来日させレコーディング、
アメリカ発売も目論んでいましたが本国の反応は芳しくなく、
あえなく発売中止となりました…。
今回のこのアルバム『Linda Carriere』は、CDのほか、
アナログレコード、デジタル版でもリリースされています。
□今週の図書
牧野百恵『ジェンダー格差 実証経済学は何を語るか』
『三匹の子ぶた』
□オンエア曲
The way it is / Bruce Hornsby&the range
I can’t help it / Judy Roberts
Your smiling face / James Taylor
Birds of a feather / Billy Eilish
沼らせないで / tonun
Up On His Luck / Linda Carriere
Someone you loved / Lewis Capaldi