
今回のテーマは「エモーショナル・サイクル・カーブ」
参考図書は、山口周館長の著書『天職は寝て待て』です。
「エモーショナル・サイクル・カーブ」とは、
変革期における組織の心理変容のプロセスに関する概念のこと。
大きな変革プロジェクトが始まるという時、チームの士気は盛り上がります。
しかし、プロジェクトが進むに連れ、様々な障害が出てきます。
障害に直面して、プロジェクトが暗礁に乗り上げると、
当初は盛り上がっていたチームの士気が、下降局面に入っていってしまうものです。
この下降局面の状態は、どんな変革プロジェクトでも常にあると考えられます。
ここを乗り切れば、再び上昇曲線に入り、プロジェクトがゴールにたどり着きます。
経験が少ないと、下降局面で諦め、
プロジェクトをダメにしてしまうことが多いと言われています。
組織のために考えられた「エモーショナル・サイクル・カーブ」ですが、
実は個人の人生の戦略にも援用できるようです。
例えば、新しい仕事をはじめる、転職する、新生活が始まるなど…
その直後は、高揚感でエモーショナル・サイクル・カーブは上昇曲線を描きますが、
時間が経つにつれ、当初の期待や想定が打ち砕かれる事態が起き、
下降局面に入っていってしまいます。
これは、キャリア論では「リアリティ・ショック」と言われる事態と考えられます。
「リアリティ・ショック」には、「仕事に対するリアリティ・ショック」と
「組織に対するリアリティ・ショック」があります。
「仕事に対するリアリティ・ショック」とは、「こんな仕事だとは思わなかった」
という戸惑いのこと。
「組織に対するリアリティ・ショック」とは、
会社の社風や価値観の違いに戸惑うことです。
何度かリアリティ・ショックに直面すると、下降局面に入ります。
そこで辞めてしまう人が多いのですが、それはもったいないことです。
エモーショナル・サイクル・カーブは周期変動して、
永遠に続く上昇もなければ、永遠に続く下降もないと言われています。
そのため、気分的な落ち込みが始まったら、
「今はエモーショナル・サイクル・カーブ」が下降曲線に入ったな、
と理解できれば、慌てて誤った対応をせずに済むという考え方があります。
「下降局面」から早く抜け出すためにはどうすれば良いのでしょうか・・・
自分のバイオリズムも落ちていると、
パフォーマンスが悪くなっている可能性があります。
その状態で転職活動などをすると、良い結果が期待できません。
自分の調子も良くないので、上潮になるまで待つ、
というのもひとつの戦力です。
『エモーショナル・サイクル・カーブ』についてもっと知りたい方は、
参考図書、山口館長館長の『天職は寝て待て』をぜひ読んでみてください。
■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」
作曲家でアーティストの若狭真司さんに
イーゴリ・ストラヴィンスキー著『音楽の詩学』をご紹介いただきました。
■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」
今回はルイ・アームストロングが1967年にリリースした、
「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド(この素晴らしき世界)」の
ライヴ・ヴァージョンを紹介しました。
1967年、 プロデューサーで作者のデヴィッド・シールが
当時のべトナム戦争を嘆いて平和な世界を夢見て書いたというこの曲。
当時、アメリカでは中ヒットにとどまりましたが、
イギリスではナンバーワンヒットとなりました。
その後は映画『グッドモーニング、ベトナム』の印象的なシーンで使われたり、
日本でもたびたびCMで起用されている名曲です。
今回リリースされた、ルイ・アームストロング生前最後のパフォーマンスを記録した
ライヴ・アルバム『ルイ・イン・ロンドン』は、
イギリスの国営放送局 BBC のアーカイヴ音源から発掘されて
CD/LP 化されています。ファンには、まさに待望のリリース!
□今週の図書
山口周『天職は寝て待て』
イーゴリ・ストラヴィンスキー『音楽の詩学』
□オンエア曲
Some one call my lover / Janet Jackson
If only I could prove to you / The 3 Pieces
Guy for that / Post Malone
Dreamer Girl / ASA
Gradation of Dawn / 若狭真司
What A Wonderful World (Live Version) / Louis Armstorong
Unwritten / Natasha Bedingfield