2024.08.17 ONAIR

今回のテーマは「キャズム」

参考図書は、ジェフリー・ムーアの『キャズム Ver.2』です。

『キャズム』とは、新たな製品が世に出た際に、
その製品が市場に普及するために
超える必要のある溝(について説いた理論)のこと。

日本の例で考えると、電気自動車はそれほど普及が進んでいないと言われることも…
他にも、サステナブルなライフスタイルなど、
キャズムをなかなか越えられていないのではと考えられます。
以前テーマにもあがった「ワーケーション」もそうかもしれません。

なぜ『キャズム』が発生してしまうのでしょうか?
初期市場の消費者は、新しさを重視する傾向にあります。
誰も使っていない製品を採用し、
他者に先んじることが彼らにとって大きな魅力となっています。

メインストリーム市場の消費者は、新しい製品の導入に慎重で、
信頼して使用できるのか、他にこの製品を使っている人はいるのかなど、
採用の際に安心感を求めています。

新規事業やイノベーションにおいては「何を?」や「どうやって?」という
論点にフォーカスがあたりがちです。
しかし、それ以上に重要なのが、「いつ」という問題。

『キャズム』は普及率16%前後で発生すると言われていて、
このタイミングをうまく捉えないと、
波の一番乗りにはなれないと考えられています。

開発や、世に出すことが早すぎた故に、失敗してしまうこともあります。
インターネットを例に考えると、
1991年には、インターネット普及率は19.1%で、
『キャズム』を超えて、メインストリーム市場に突入しました。

誰がどう見ても「インターネットがこれから来る」ということがハッキリしたのは、 普及率が50%を超えた2000年から2001年にかけてです。
この段階で、スタートしても、実はもう手遅れ!
市場のニーズが顕在化するのを待ってからでは、
手遅れになってしまうことは、多々あると言われています。

どうすればうまくいくのでしょうか…
「兆しの捉え方」というのは、英国の諜報に学ぶことができます。
情報を集めておき、何が起きているか知っているが知らんふりをし、
決定的なタイミングまで水面下で準備を進め、
しかるべきタイミングが来たら一気に動き出す。

こういった動きなどから考えていきました。


キーワード『キャズム』についてもっと知りたい方は、
参考図書、ジェフリー・ムーアの『キャズム Ver2』をぜひ読んでみてください。


■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」

詩人の青木萌さんに、
シモーヌ・ヴェイユ著『重力と恩寵』をご紹介いただきました。


■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」

フランク・ザッパ&ザ・マザーズ・オブ・インベンションの
初期の貴重なライブ演奏を収録した、
『ライヴ・アット・ザ・ウイスキー・ア・ゴー・ゴー1968』から、
「キング・コング・パート1」をお送りしました。

ライヴ・アット・ザ・ウイスキー・ア・ゴー・ゴー1968は、
1968年7月23日にLAで行われたライブで、
当日は2度の休憩を挟む3セット延べ 5 時間に渡るものでした。

ザッパ・ファンの間では完全版発表が待望されていたもので、
56年の時間を経て3枚組CDでの音源リリースです。


□今週の図書
ジェフリー・ムーア『キャズム Ver.2』
シモーヌ・ヴェイユ『重力と恩寵』

□オンエア曲
Right Here (Human Nature Remix) / SWV
Gotta get back to love / Bill Chanmplin
Ceilings / Lizzy McAlpine
August / Taylor Swift
I Won't Dance / Fred Astaire
King Kong - Part.1 / Frank Zappa & The Mothers Of Invantion
Vampire / Olivia Rodrigo