
今回のテーマは「ポジティブデビアンス」
参考図書は、リチャード・パスカル、ジェリー・スターニン、
モニーク・スターニンの『ポジティブデビアンス』です。
「デビアンス」は「逸脱」という意味。
直訳すると「前向き(肯定的)な逸脱」となります。
『ポジティブデビアンス』はコミュニティや組織における
問題解決のアプローチのこと。
具体的にどんな方法なのか?
参考図書に出てくる実例をあげると・・・
ベトナムの貧しい村の子どもたちの栄養失調を解決するための例では、
通常は、栄養失調の子どもたちの家庭を調べ、その原因を探ります。
しかし、栄養学の元教授のジェリー・スターニンは、
同じ貧しい村の中に栄養状態の良い子どもはいないかを、まず探したそうです。
見つかった少数の栄養状態の良い子どもたちの母親の行動を観察。
すると、
1 日の食事の回数を 1~2 回ではなく、
少量に分けて複数に分けるていたことや、
下等な食べ物だと思われていたサツマイモの青菜をご飯にまぜていた
など、地域の常識を覆す方法をとっていたことがわかりました。
この方法を、普及させたところ、2 年間ですべての村で65~85%、
栄養失調が解消したそうです。
調べてみるといい側に飛び抜けている人がいて、
それを調べて周りに広げることが、有効な解決につながるというものです。
これまでの問題解決のアプローチは、
まず「なぜその問題が起きているのか?」という原因を追究します。
『ポジティブデビアンス』では、グループ内ですでに問題を解決しているのです。
ポジティブな逸脱者は、
他のメンバーと同じ制約や障害に直面しているにも関わらず、
その問題を解決できているのか?を探ります。
これまでの問題解決のアプローチは、外部の成功事例を持ち込むかたちでした。
しかし、外部とは異なる環境では、その方法がうまくいくとは限りません。
一方、『ポジティブデビアンス』の問題解決方法は、
コミュニティ内で発見された方法です。
そのため、他のメンバーも真似がしやすいと考えられます。
実は近いところに、思わぬ学びがあることがわかりました。
そしてそれは素直に学ぼうとすることも大切かもしれません。
キーワード『ポジティブデビアンス』についてもっと知りたい方は、
『ポジティブデビアンス~学習する組織に進化する問題解決アプローチ』を
ぜひ読んでみてください。
■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」
Homecomingsのギター福富優樹さんに、
ジェニファー・ニーヴン『僕の心がずっと求めていた最高に素晴らしいこと』
をご紹介いただきました。
■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」
CSN&Y(クロスビー・スティルス・ナッシュ・アンド・ヤング)が
1970年3月にリリースした名盤『デジャ・ヴ』
50周年記念デラックスエディションから、
ニール・ヤング作による名曲のレアなヴァージョンをお届けしました。
「ヘルプレス」は、ニール・ヤングが書いた名曲で、
その後のソロでのライヴでも頻繁に取り上げている名曲。
元々はアコースティックギターにフィドルがフィーチャーされていましたが、
今回お届けするのは2021年にリリースされ、
瞬く間に初回出荷分が売り切れてしまった
『デジャ・ヴ』(50周年記念デラックスエディション)に収録されていた、
レアなハーモニカ・ヴァージョンです。
□今週の図書
リチャード・パスカル,ジェリー・スターニン,モニーク・スターニン
『ポジティブデビアンス』
ジェニファー・ニーヴン『僕の心がずっと求めていた最高に素晴らしいこと』
□オンエア曲
There she goes / La’s
Human Nature / Michael Jackson
Luka / Suzanne Vega
We can’t be friends / Ariana Grande
Moon Shaped / Homecomings
Helpless (Harmonica Version ) / Crosby, Stills, Nash & Young
Pink Skies / Zach Bryan