2023.09.23 ONAIR

今回のテーマは「アバター」

参考図書は石黒浩さんの『アバターと共生する未来社会』です。

ジェームズ・キャメロンの映画で有名になった「アバター」という言葉ですが...
「アバター」とは、ユーザー(操作者)の分身となるキャラクターのこと。
身近なところでは、ネット上のサービスやゲームなどで用いられていて、
最近だと、メタバースでもみられます。

「アバター」の本来の意味を踏まえれば、
アバターが活動するのはネット上だけではありません。
アバターは現実世界でも活動していて、スマホやタブレット、大型ディスプレイに
映し出されるCGアバターなんかもそうです。
遠隔操作できるロボットもまた「アバター」といわれ、
現在でもすでに「アバター」はこの現実世界で活躍を始めているのです。

生身の人間ではなく、「アバター」が活動するメリットとはいくつかあります。

1つは、遠隔操作ができるので、地理的制約がなくなることです。
田舎に住んでいても、都市部の忙しい店舗で働くことができるので、
かつての往診のように、医者のアバターが各家庭を訪問・診察し、
それで不十分な場合、初めて病院の施設を使って検査・治療という形も
とれるかもしれません。
1 人で複数のアバターを操作することも可能なので、生産性を向上できます。

さらに、提供する機能や相手が求める役割に応じて
見た目を変えられるのもメリットです。
遊園地で稼働するアバターならば楽しそうな見た目にしたり、
医療機関で働くアバターであれば、清潔で誠実な見た目にしたりでき、
人々は複数のアバターを利用するようになるとも考えられます。


「アバター」についてもっと知りたいという方は、
参考図書、石黒浩さんの『アバターと共生する未来社会』をぜひ読んでみて下さい。


■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」

現“在”美術家で、 「DOMMUNE」を主宰する宇川直宏さんに、
友利昴 著『エセ著作権事件簿』をご紹介いただきました。


■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」

今回は、ジャズ界最大のカリスマ的存在の
サックス・プレイヤー、ジョン・コルトレーン。
彼がリーダーとなって1961年の夏、NYで録音された未発表音源が発掘されて
『ヴィレッジ・ゲイトの夜』というタイトルでリリースされました。
今日お届けするのはそのアルバムの1曲めに収録されている
「マイ・フェイバリット・シングス」です。

このアルバム『ヴィレッジ・ゲイトの夜』は、1961年8月 NY のジャズ・クラブ
ヴィレッジ・ゲイトで当時新進気鋭のプレイヤー、
エリック・ドルフィーを迎えて行われた貴重なライブ音源で、
最近発掘されたものです。

メンバーは、ジョン・コルトレーン(テナー&アルト・サックス)、
エリック・ドルフィー(フルート、サックス)、
レジー・ワークマン(ベース)、エルヴィン・ジョーンズ(ドラムス)、
マッコイ・タイナー(ピアノ)...という、当時のコルトレーンの最強メンバーです。


□今週の図書
石黒浩『アバターと共生する未来社会』
友利昴『エセ著作権事件簿』

□オンエア曲
Elevator / Cloudberry Jam
Under your spell / Phylis Hyman
Runaway / The Corrs
Chemical / Post Malone
Not Strong Enough / BOYGENIUS
My Favorite Things / John Coltrane (with Eric Dolphy)
It’s Alright / Jon Batiste