
今回のテーマは「反脆弱性」
参考図書はナシーム・ニコラス・タレブの
『反脆弱性 不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』です。
「反脆弱性」というのは、タレブの造語。
変動やリスクからネガティブな影響を受けやすい「脆弱」の反対は、
変動やリスクに動じない「頑強」であると考えがちですが…
タレブは、動じないのではなく、変動やリスクから、
むしろポジティブな 影響を受けることもあると考えました。
この性質を表す言葉がなかったので、「反脆弱性」という言葉を作っていて、
要するに「反脆弱性」とは、外乱や変動が起きるほど、
どんどん状態が良くなる、強くなるということなのです。
「反脆弱性」の必要性はどういうものがあるのでしょうか…
人は多くの場合、確実性を高め、不確実性をなくそうとしますが、
確実性を高めようようとすればするほど、実は脆弱性が増します。
想定外の出来事(ブラックスワン)が起きた時に、
対応することができないといわれています。
現代社会は、まさに不確実性が高まっていますが、
不確実性をなくそうとするのではなく、むしろ受け入れて柔軟に対応し、
不確実性をむしろ自分たちのプラスにしていく必要性は、 ますます高まっています。
「反脆弱性」を装備するために、タレブが挙げているのは「バーベル戦略」です。
キャリアでいえば、「極端にリスクの異なる2つの職業を同時に持つ」 ということです。
タレブ自身はこの戦略を「90%会計士、10%ロックスターという生き方」と
例えています!
ロックミュージシャンとして活動するのには大した投資はいらず、
売れなかったところで、失われるものは少ないのですが、
何らかのきっかけで当たれば莫大な富と名声が手に入ります。
ある程度、安定した職業を片方で持ちながら、どこかで大化けするアップサイドの
リスクを人生に盛り込んでおく、それが「バーベル戦略」と言われています。
「反脆弱性」について、もっと知りたいという方は、
『反脆弱性 不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』 をぜひ読んでみて下さい。
■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」
never young beach のベース、 巽啓伍さんに
千葉雅也著『現代思想入門』をご紹介いただきました。
■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」
今回紹介したのは細野晴臣です。
はっぴぃえんど解散間際の1973年にリリースしたファースト・ソロ・アルバム
『HOSONO HOUSE』 50周年記念アナログ盤です。
近年、このアルバムは海外からも再評価されていて、
アメリカのヒップな再発レーベルからもアナログでリリースされたりと
大きな注目を集めています。
『HOSONO HOUSE』50周年記念数量限定プレスで復刻された
重量アナログ盤からお送りしました。.
□今週の図書
ナシーム・ニコラス・タレブ
『反脆弱性 不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』
千葉雅也 『現代思想入門』
百田 尚樹『幸福な生活』
横溝正史「金田一耕助シリーズ」
□オンエア曲
Roll on / The Little Willies
Let it go / Pages
Place to be / Nick Drake
TUYA / Rosalia
帰ろう / never young beach
ろっかまいべいびい / 細野晴臣
Promise / Laufey