
今回のテーマは「フロー」
参考図書は、ミハイ・チクセントミハイの『フロー体験 喜びの現象学』です。
フローとは、
「一つの活動に深く没入しているので他の何ものも問題ならなくなる状態」
「その経験それ自体が非常に楽しいので、純粋にそれをするということのために
多くの時間や労力を費やすような状態」という意味になります。
やらなければいけない仕事を一生懸命やっていたら時間を忘れてた、
ということがある人もいるのでは?
チクセントミハイは、人がその持てる力を最大限に発揮して、
充実感を覚えるのはどんな時か?という研究を行いました。
アーティストやミュージシャンといったクリエイティブな専門家、
外科医やビジネスリーダーなど仕事を愛し、活躍している人に
ひたすらインタビューをして「フロー理論」という仮説を打ち立てたのです。
ミュージシャンの中では、演奏しているとき、
深く入り込んで時間が止まってしまうような感覚を持つという人も多いそうです。
野球選手でボールが止まってみえるという人も…。
どうすれば「フロー」な状態に入ることができるのでしょうか?
フローの状態に入ると、いくつかの状態が発生するのですが、例えば・・・
・過程のすべての段階に明確な目標がある。
・挑戦と能力が釣り合っている。
・失敗の不安がない。
・自意識が消失する。ということなどがあります。
挑戦レベルとスキルレベルが高い水準でバランスをとらなければいけないというのは、
高いスキルを持った人が、ちょっと難易度の高い挑戦をし、
しかも邪魔が入らず、集中が持続できる時に初めてフロー状態に
入ることができるということだそうです。
加えて、失敗しちゃうかもという不安がある状態だと、
フローな状態に入れないといわれています。
そして、行動に対する即座のフィードバックがあるのもフロー状態になるには
大切なことだそうです。
仕事でも同じで、フィードバックがないとつまんなくなってしまいます。
さらに、『フロー体験 喜びの現象学』の中で、取材をした対象の人たちは
喜びを感じていることもわかりました。
フロー体験をした時は、人生の中で本当にいい瞬間だったとみんな言っていたそうです。
仕事を通じた充実感を得るため、
ゾーンというのを目指してみるのも良いかもしれません。
「フロー」について、 もっと知りたいという方は、
『フロー体験 喜びの現象学』 をぜひ読んでみて下さい。
■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」
シンガーで、クラムボンの歌と鍵盤を担当されている、原田郁子さんに、
ロマナ・ロマニーシン/アンドリー・レシヴの
『うるさく、しずかに、ひそひそと』をご紹介いただきました。
■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」
今回は、マイク・オールドフィールドが1973年に発表した
プログレッシヴ・ロックの名盤として知られているアルバム
『チュブラー・ベルズ』です。
このアルバムは今年発売から50年、先日50周年記念エディションが
リリースされました。
マイク・オールドフィールドはイギリスのミュージシャン。
彼が若干18歳の時にリリースしたこのアルバム『チュブラー・ベルズ』は、
あのリチャード・ブライソンが立ち上げたヴァージン・レコードの第1弾の作品で
全英チャートにランクイン。
その後、映画『エクソシスト』でこのアルバムの冒頭部分が使用されて話題となり、
アメリカのみならず全世界で大ヒット、 第17回グラミー賞で
最優秀インストゥルメンタル作曲賞を獲得、
現在まで1600万枚以上のセールスを記録しています!
この大ヒットを受け、マイク・オールドフィールドはその後
コンスタントに作品をリリースしながら、ライブ版、オーケストラ共演版、
リミックス版、映像版など様々な形で『チュブラー・ベルズ』のシリーズを発表。
現在も現役バリバリで活動中です。
今回の50周年記念エディションは、1973年オリジナル・ミックスと未発表のデモ、
2012年ロンドン・オリンピック開会式での音源、 さらに新リミックスなどが
収録されています。
□今週の図書
ミハイ・チクセントミハイ『フロー体験 喜びの現象学』
ロマナ・ロマニーシン / アンドリー・レシヴ『うるさく、しずかに、ひそひそと』
□オンエア曲
Georgy Porgy / TOTO
Do it again / Paulette Reaves
Sentimental Lady / Bob Welch
Tell you I love you / BANNERS
いまここ / 原田郁子
Chualar Bells - Part 1(1973 Original Mix) / Mike Oldfield
A song about me / Oscar Lang