
今回のテーマは「怠惰」
参考図書はバートランド・ラッセルの『怠惰への讃歌』です。
「怠惰」、怠けるというと、普通は良くないイメージですよね?
バートランド・ラッセルはこの本で「怠惰」を讃えているのです。
1932 年、およそ 90 年前に書かれた本書の提言は、現代でも有効なものだと思われます。
この本で述べられていることは、全ての問題は働きすぎだということです。
労働は本来、生活水準を向上させ、飢えることなく健康に暮らすためにあります。
日本を含む先進諸国は、大多数ではすでにそれを実現し、
技術の進歩により、労働生産性も飛躍的に増大しました。
労働生産性が 2 倍になれば、労働時間は半分で済むはずなのですが、
労働時間は減ってないのです…。
それはどうしてなのでしょうか?
それは、労働を徳だとみなす古い価値観に囚われたままだからです。
余暇が、本来の人間的な活動を可能にするからと考えるべきではないのでしょうか?
余暇を享受するためには、労働時間を減らす=「怠惰」であることは必要、
とラッセルは説いているのです。
イギリスなどでは「ストライキカレンダー」というものがあるのを知ったねるさん。
会社、学校、刑務所など…
ストライキするということになっても、その原因は会社にあり、
ストライキした個人にあるものではないという主張が出てくるようです。
日本では特に、自分の会社に何か良くないことが起こると、
関わっていなくても謝ったりして、自分ごとのように思ってしまう人が多いと思われます。
日本人の「美徳」というものでもありますが、それが窮屈になっている気もします。
ただ、労働時間を減らしたとして、何すれば?と思う人もいると思います。
ラッセルは、怠惰に耐えられないのは教養がないと述べました。
楽器や、カメラ、読書など、自分の趣味を持って、
仕事を早く終えたいと思えるような、生活を豊かにする技にすることも大切かもしれません。
今日のキーワード「怠惰」について、 もっと深く考えてみたいという方は、
参考図書、バートランド・ラッセルの 『怠惰への讃歌』をぜひ読んでみてください。
■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」
サカナクションや、Official 髭男 dism のライブ映像作品の
Dolby Atmosミックスなどを手掛ける
レコーディングエンジニアの古賀健一さんに、
松田亜有子さんの『クラシック音楽全史 -ビジネスに効く世界の教養-』を
ご紹介いただきました。
■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」
今回は、ELOことエレクトリック・ライト・オーケストラが
1986年にリリースしたヒットアルバム 『バランス・パワー』からのシングル
「ゲッティング・トゥー・ザ・ポイント・」の
UK 盤の12インチシングルのみに収録されていた[ELO メガ・ミックス]です。
1970年から80年代にかけて世界的な人気を誇り、
アルバムやシングルを次々とチャート に送り込んだイギリスのバンド、ELO。
このシングル「ゲッティング・トゥー・ザ・ポイント」は
ELO としてのラストアルバム『バランス・ オブ・パワー』からの第3弾シングルで、
あまりヒットはせず、注目もされませんでしたが、
この曲の UK 盤12インチ・シングルのみに、
これまでの ELO のヒット曲をメドレー形式で ミックスした
[ELO MEGA MIX]が収録されています。
このメガミックスはおそらく CD 化もサブスク化も望めないかと...!
□今週の図書
バートランド・ラッセル 『怠惰への讃歌』
松田亜有子『クラシック音楽全史 -ビジネスに効く世界の教養-』
□オンエア曲
You and I both / Jason Mraz
Thinking’ about you / Ntjam Rosie
What do you mean? / Jamie Cullum
quién? / Juana Molina
Desafinado / Stan Getz&Joao Gilberto
ELO MEGA MIX / ELO
Glue song / Beebadoobee