2023.03.11 ONAIR

今回のテーマは「ブラック・スワン」

参考図書はナシーム・ニコラス・タレブの『ブラック・スワン』です。
タレブが言及した「ブラック・スワン」とは、
1:事前に予測がほとんど出来なくて(異常である)
2:起きた時、大きな衝撃がある。
3:それが起こってから適当な説明をつけて筋道をつけたり、
予測が可能だったことにしてしまう
そんな事象のことです。

ヨーロッパでは白鳥は白いものだと信じて疑われていませんでした。
しかし、17 世紀にオーストラリアで黒い白鳥が発見されて、
鳥類学者の常識が根底から覆されたのです。
このエピソードが、言葉の由来と言われています。

そして本日3月11日は、東日本大震災の起こった日。
こういった大規模な災害、そして新型コロナによるパンデミックも
まさにブラック・スワンの典型と言えるでしょう。

こういったことはいつか起こりうると思っていながらも
いざ自分の身の回りで起こるとなると、大きな衝撃があります。

ブラック・スワンによる影響はどんなものであるかというと、
新型コロナの感染拡大では、一斉にリモートワークになったり、
いつも混んでいる駅に人がいなくなったりと、
「常識が連続に常識でなくなってしまう」、ということがいえるかもしれません。

「日本人はブラック・スワン耐性があるのでは?」と山口館長。
昔から多くの人がみているアニメは、
普通の日常に大きな出来事や得体の知れないものが突然やってくる場面が多いです。
もしかしたら日本人はブラック・スワンが好きなのでは?という可能性も出てきました。
それをさらにふかぼっていくと、日常の中に突然大きな船でやってきたペリーも
ブラック・スワンだったのかもという話題に。

災害は起こってほしくないですが、
ブラック・スワンは悪い出来事ばかりではありません。
歴史的な発明・発見の中にも、事前に予測されていたものではなく、
いざ発明・発見されたら、その後大きな影響を与えたものは多いです。
参考図書で挙げている発明例では、コンピュータ、インターネット、レーザーなどがあります。

では、ブラック・スワンの耐性をつけておくには…?
本日の会話の流れからは、SF小説や「日本沈没」「ゴジラ」のような
作品を見ておくのも一つの手段かもしれません。

そして、「大きな出来事は自分が忘れているころに起こる」ということを
忘れないことも大事なのではないでしょうか。

「ブラック・スワン」について、もっといろいろ考えてみたいという方は、
参考図書『ブラック・スワン』ぜひ読んでみてください。


■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる
「BOOK SHARING」

今回ご登場いただいたのはフリーランス音楽エージェントであり、
ライターとしても活躍する竹田ダニエルさんです。

長田杏奈さんの『美容は自尊心の筋トレ』をご紹介いただきました。


■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできない
レア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」

本日は、1970年代に世界的な人気だったカーペンターズ。
彼らの代表曲「イエスタデイ・ワンス・モア」のシングルの
カップリング・ナンバー、[ロード・オード(明日への旅路)]です。

この曲、[ロード・オード]は、隠れた名曲としてファンの間で愛されてきた曲です。
カーペンターズの曲としては異色でメロディも歌詞もちょっと暗めですが、
後の彼らの運命を思うと、このシングルのカップリングは絶妙で、
彼らの光と影を映し出しているかも知れません。


□今週の図書
ナシーム・ニコラス・タレブ『ブラック・スワン』
長田杏奈『美容は自尊心の筋トレ』

□オンエア曲
Starting over / John Lennon
Until you come back to me / Aretha Franklin
Smile / Nat King Cole
Overjoyed / Stevie Wonder
Heaven / Gotch & GuruConnect
Road Ode / Carpenters
No.1 Party Anthem / Arctic Monkeys