
■今回のテーマは「ウェルビーイング」
参考図書は石川善樹さん・吉田尚樹さんの共著
『むかしむかしあるところにウェルビーイングがありました
〜日本文化から読み解く幸せのカタチ』です。
ウェルビーイングについて日本の歴史や文化、
日常生活などから多角的に探っている本です。
ユニークなタイトルの本ですが、そもそも「ウェルビーイング」とは?
大まかにいうと「幸せな状態」というようなことになりますが、
定義された概念がなく、説明するのは難しい言葉です。
この本では、「満足」と「幸せ」が両方揃った状態としています。
今回はその視点からウェルビーイングを考えました。
考えてみると、今満足だけど現状幸せではない、満足していないけど幸せである
というような状態が日常生活の中であると思います。
満足(=その瞬間の満ち足りた感覚)と幸福は
前後の時間軸が絡むようなことなのかと館長は考えます。
さらに、不確実性があった方がウェルビーイングな状態でいられるとされています。
未来が決まりきっているときはどんなに満たされていても
ウェルビーイングな状態ではないのかもしれません。
ねるさんが好きな釣りもまさにそうですね。
では、ウェルビーイングな状態でいられるにはどうすれば良いのでしょうか?
この本であげられていることとして、
西洋の昔話は王様になったりお金持ちになったりと、上を目指すものが多いですが、
日本の昔話は「ゼロの状態」に戻るものが多いです。
浦島太郎は亀を助け竜宮城で楽しく過ごした後、玉手箱を開けるとおじいちゃんになります。
主人公が成長も変化もしない話も多いです。
それは弱さや嫌な部分もあるが、あるがままに肯定してきた心の現れなのではないのでしょうか。
ウェルビーイングな状態であるために大切な考えだと思われます。
さらに2人の話題に上がったのは「天才バカボン」
バカボンのパパはよく「これでいいのだ」と言います。ということはこれも…?
参考図書では
他にも「推す」ということや、選択肢を持つことなど、
さまざまな視点からウェルビーイングについて考えることができます。
■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる「BOOK SHARING」
今回は俳優、映画監督、文筆家という肩書きを持つ
小川紗良さんに、中脇初枝さんの『君はいいこ』を紹介していただきました。
■図書館の膨大なCD・LPコレクションから
他ではめったに聴くことのできないレア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」
今回お届けしたのは、ザ・ローリング・ストーンズのオリジナルメンバーであり、
ギタリストのキース・リチャーズが1979年にリリースした初のソロシングル
「The Harder They Come」です。
当時のキースはレゲエにも影響されていたようで、
ストーンズでもレゲエを取り入れていました。
A面・B面ともにアルバムには収録されていないので、
聴いたことがある人は少ないのではないでしょうか。
□今週の図書
石川善樹・吉田尚樹
『むかしむかしあるところにウェルビーイングがありました〜日本文化から読み解く幸せのカタチ』
アルベール・カミュ『シーシュポスの神話』
中脇初枝『君はいいこ』
小川紗良『海辺の金魚』
□オンエア曲
How crazy are you /Meja
I Love you /Weldon Irvine
Fools /Diane Birch
I had to write a song for you/ Andrea Motis
One way or the other/ The Fifth Avenue Band
Wakling on the sun /Travis
The Harder They Come / Keith Richards
Easy on me /Adel