2022.05.28 ONAIR

■今回のテーマは「脱効率」

参考図書はドイツの児童文学作家、
ミヒャエル・エンデの1973年発表の名作 『モモ』です。

大体の人が子供の時にこの本読んでいる時は、
モモと一緒にいるような感覚で読んでいたかもしれません。
物語の中では、灰色の男たちは人々に「時間を節約しろ」=「効率を高めろ」といいます。

やがて人々は、仕事への愛情や楽しさを失い、
できるだけ短時間に 沢山の仕事をすることだけを考えるようになっていくのです。
そこで本人たちは効率化が進んだ、
進歩したと思っているところがこの物語の肝になります。

他者と時間が奪われ、生きづらさを募らせていくモモは
この状況を変えていこうとしていきます。


便利にする、効率的にするということは、
わざわざ誰かのために技術を発展させるということで、それは優しい…
ということは効率化は根本的には必要ないと思っているのか?とねるさん。

問題は、想像力がなくなってきてみんな退屈に耐えられなくなっていることです。
何もない状態を楽しんでいたねるさんも、
最近何かしていることに対して課題があり、
何もない時間に何をしていたのか?何をするべきか?と思うようになっているといいます。

エンデのお墓には亀がいて、
背中に「怖がらないで」と書かれているそうです。
これがエンデが伝えたかったことなのではと山口館長は考えます。
勇気をもらえますね。

本当は今効率化がもっとできるべきだけど、
何もない時間が増えることで、手のかかる仕事が残されているのでは?
効率と非効率の価値が逆転してきているのでは?という考えも出てきました。

今を生きる私たちは、何を目的と手段にしていけば良いのでしょうか?
詳しく考えました。


■毎週、各界の著名人がこの図書館にふさわしい1冊を紹介して下さる 「BOOK SHARING」

今回は、ROCK’A’TRENCHのフロントマンで、
音楽プロデューサー、シンガーソングライターの山森大輔さんに
「みえるとかみえないとか」(ヨシタケシンスケ)をご紹介いただきました。
多様性について、愛らしいキャラクターと絶妙な言葉で学べる1冊になっています。


■図書館の膨大なCD・LPコレクションから他ではめったに聴くことのできないレア音源を特別に試聴するコーナー「RARE COLLECTION」。

お届けしたのは、エリック・クラフ?トンか?1970年に結成したバンド
デレク&ザ・ドミノス、 彼らの唯一のオリジナル・アルバム『いとしのレイラ』のタイトル曲で、
クラプトンの代表曲でもある、「いとしのレイラ」 シングル・エディット・ヴァージョンです。

このシングル・エディットは、元々は7分の長尺ヴァージョンを大胆に編集して
半分以下の長さにしてしまったという、珍ヴァージョンになります。

□本日の図書
ミヒャエル・エンデ『モモ』
ヨシタケシンスケ 『みえるとかみえないとか』
伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』

□オンエア曲
Torn / Natalie Imbruglia
Balcony / Mae Defays
Our day will come / Amy Winehouse
For the love of you Part1&2 / Isley Brothers
RISE AGAIN / ROCK’A’TRENCH
Layla / Derek & The Dominos
The Joker and the Queen feat. Taylor Swift / ED SHEERAN