2020.05.09 ON AIR
【LADY GAGA Part2】音楽プロデューサー 今井了介さん、音楽ライター 新谷洋子さん登場。

今週は、LADY GAGAのPart2!ゲストには引き続き、音楽プロデューサー 今井了介さん、音楽ライター 新谷洋子さんをお迎えしました。

■ライブパフォーマンスの魅力
グローバー:新谷さんは実際に数々のステージをご覧になってきてますね。新谷さんが感じる彼女のライブの最大の魅力って何でしょう?
新谷:そうですね、やっぱり演劇的でまさにシアター。一つの非日常空間をトータルに作り出して“隅々までガガ”っていう。全てがガガ色ですね。ビデオで非日常な空間をきれいに作ることは誰でもできると思うんですけれど、 ガガはそれを生でもできてしまって、しかも生で聴く声のパワーってのに毎回圧倒されてしまいます。
グローバー:特に印象残ってるステージこんなシーンってありますか?
新谷:シーンというのとはちょっと違うんですけど、2009年にたまたま4ヶ月間ぐらいの間に3回全然違う場所で彼女のライブを見まして、それが一回一回衣装も振り付けも曲のアレンジも全部変えてるんですね。新人のポップ・アーティストでそんなことやる人はたぶん他に居ないんじゃないかと思うんですけど、この人のパフォーマンスに賭ける意気込み、こだわりはちょっと普通じゃないなとその時びっくりさせられました。
今井:いやぁすごい事だと思いますね。それだけ新しいものをどんどん生み出すって、まずそれが思い浮かぶ、生み出すことって凄いことじゃないですか。その生み出したものをちゃんとそのスケジュールで具現化してスタッフさんがみんな動いて。バックステージ考えただけでも凄いタイム感で皆さんそのステージを構成してるんだろうなってすごく思います。
グローバー:今井さんはレディー・ガガの色々な映像をご覧になってますけども、印象残ってる場面、パフォーマンスあります?
今井:印象的だったのは2011年のグラミーアワードで「Born This Way」を歌唱されるんですけど、彼女はもう本当にリアルミュージシャン及び、ご本人が作曲クリエイティブができるところで楽器を弾くシーンがよく出てくるんですね。そんな中でも「Born This Way」で、セットとしてすごく装飾されてるカッコイイオルガンをガーっと弾きまくるシーンがあるんですね。そこにグッときたり、2017年のスーパーボウルのハーフタイムショーでパフォーマンスするんですけど、その時にですね80’s的な肩からかけて弾くキーボードって皆分かりますかね、あれを持ってパフォーマンスするんですよ。そういうディテールにまたグッときちゃったりとか“弾く彼女”が結構好きだなっていうのもありますね。
グローバー:いろんなツボを突いてきますね。
今井:そうなんですよ、全人類のツボをあらゆる扉から手を伸ばして突いてくるんですよね。全人類が満足するように作られているというのがやっぱもう最高のエンターテイナーのなすべき仕事なのかなと思わされてます。

■音楽ライター新谷洋子さんが選ぶ
『初心者リスナーに聴いて欲しい!Lady Gaga の隠れ名曲 TOP3!!』

3位:『Fever』(アダム・ランバートのファースト『フォー・ユア・エンターテイメント』より)
新谷:ガガがアダム・ランバートに提供した曲。もともと昔自分のために書いた曲らしいんですけれども、アダムがガガの大ファンで是非何か一緒にやりたいということで“これあアダムにぴったりじゃない?”という風にして提供したらしいんです。実は彼女が歌ったちょっとデモっぽいバージョンも出回ってるんですけれど、それ結構地味でアダムのバージョンの方がガガらしい表現になっていてそこがすごく面白いですし、二人が共有するDNAみたいなものも浮き彫りになってるかなと思います。80‘sPOP が大好きなところとか。あとアダムが言ってたことなんですけども、ガガが出てきてくれたおかげで自分みたいにちょっと変わった毛色の違う、まあ派手にポップをやるアーティストが花を開かせられる道筋を作ったということですごく先輩として尊敬していると。 

2位:『Always Remember Us This Way?2 人を忘れない』
(『アリー/スター誕生?サウンドトラック』より)

新谷:これ共作したのがカントリー系のソングライターの方たちなんですね。ちょうどガガが『Joanne』というアルバムでちょっとそういうルーツ音楽っぽいサウンドを取り入れてもいたんですけれども、そこからうまく流れがつけられた。このアリーとジョアンの接点みたいなそういうポジションにある曲なのかな?という印象を個人的には抱いています。

1位:『Teeth』(『ザ・モンスター』より)

新谷:ガガの曲って色々あるんですけども、ある程度タイプに振り分けられると思うんですね。ただそんな中でもこれだけは後にも先にも例がないすごく異色の曲で、元祖ニュー・ジャック・スウィングのテディ・ライリーと一緒に作った曲で、彼とのコラボはこれ1曲きりなんですがちょっとゴスペル調のファンキーな一曲でちょっと“あれ?こんなのガガやったんだ?”ときっと皆さん思えるんじゃないかなと思うんです。 

■ここから先のレディー・ガガに期待すること
今井:なんかもう僕らの期待とか想像とかの遥かに先、何光年か先を走っちゃってるから、なんかまた僕らが想像もつかないようなことをきっとやってくれるんじゃないかと。冗談ですけど例えば演歌を突然歌い出すとかぐらいもうびっくりできない病になってるんじゃないかみたいなね。僕らが想像してるのとは全然違う斜めのところから圧倒的なクオリティで音楽を聴かせてくれるんじゃないかなっていうのはすごい期待してますね。
グローバー:新谷さんはいかがですか?
新谷:やっぱり近いところでは新作『Chromatica』ですが、久々に王道ポップ全開のガガが帰ってきてくれるなっていうのを『Stupid Love』でなんとなく予感できたので、そのキラキラピカピカのガガに久々に会えるのをすごい楽しみにしてます。それとまた全然違うところで今回の『One World:Together at Home』でエンタメ界とWHOですから国連、そしての寄付を取り付けた世界的な様々な企業、この3つの世界を繋ぐというもう大変な仕事をこなして、アクティビストとしてまたスケールアップしたと思うんですね。今後益々U 2のボノに次ぐ存在になるようなことが見えてますし、コロナ関連の動きもこれで終わらないなと思うので、そちらの方面での活躍も期待したいなと思ってます。
グローバー:本当ですね。レディー・ガガの活躍の幅はもう音楽エンタメに止まらないかもしれないということですね。

■キャッチコピー

今井:「Lady Gaga とは…生きているアート」である!
アートって作り上げられたものを指し示すこと多いじゃないですか、曲であったり芸術作品としてのオブジェだったりドローイングだったり、いろんなものをアートと呼ぶと思うんですけど、この人の場合は衣裳とかメイクとかパフォーマンスとかも含めて、もう生きて歩いて息をして踊って歌って全ての挙動がアーティだなーって感じたからこんな風に付けさせていただきました。

新谷:「Lady Gaga とは… ポップアート」である!
ポップとアートというものは別に相反するものではなくて“共存できる”っていうことをガガは証明してくれたと思うんですね。大勢にウケるものが別に程度の低いものじゃなくて最大限に面白くできる。そういうものであって当然だろうっていう風に彼女はすごく明確に示してくれた気がします。

グローバー:アートという言葉はね、お二人ともから出ましたね。

ラストは“これは外せない”という曲『Poker Face』で2週に渡るレジェンド『レディー・ガガ』は締めくくられました。

PLAYLIST

You And I / Lady Gaga

Paparazzi / Lady Gaga

Teeth / Lady GaGa

Stupid Love / Lady Gaga

VOICE OF LOVE〜上を向いて歩こう / VOICE OF LOVE POSSE

Poker Face / Lady Gaga


■放送後1週間は右のRadikoタイムフリーボタンでお聴きいただけます。

次回のテーマは、様々な現場で新型コロナウイルスと闘う人々を支援する曲を配信リリースした、アヴリル・ラヴィーン!お楽しみに!