2019.03.16 ON AIR
【エド・シーラン】シンガーソングライターのAnlyさん、音楽評論家 田中宗一郎さん登場!

今週のレジェンドは、来月、東京ドーム、そして京セラドーム大阪で来日公演を行う『エド・シーラン』ゲストにはシンガーソングライターのAnlyさん、音楽評論家の田中宗一郎さんをお迎えしました。

ーAnlyさんは現在22歳、高校生で弾き語りを始めたとき、エド・シーランはもう知ってました?

Anly:そうですね、高校時代にYouTubeで「The A Team」って曲の和訳のMVがあって、それを初めて観たときに、白黒のMVの中で女の人が過ごしていく感じと、横に出てくる和訳が高校生なりにグっときて、それがきっかけで聴くようになったのと、私もアコースティックギターを使って演奏するので、ミュート音とかが好きで聴くようになりました。

ーまず好きになったのはどこでした?

Anly:声ですね。声が親近感があるんですけどなかなか無い声というか、不思議な声だなぁって思うし、リリックも喋ってるような歌詞が多いので、話しかけられてるような感じがして、飛ばせなかった(笑)

田中:わかります。本当に彼の声って倍音が凄く豊かなんですよね。ギターもやっぱりそうで、ギターって凄く原始的な楽器じゃないですか。だから打楽器でもあって、ただミュートしたりとか、右手のタッチで全然音の感じが変わるんですよ。エド・シーランはアコギを持ってもエレキを持っても、ストロークしたときに“ガシャ”っていうなんかウエハースを歯でバリって噛んだときのようなジュワっていう変化のある音が出るんですよね。

ータナソウさんは最初にエド・シーランの楽曲に触れたのは?

田中:ファースト・アルバムとか全然聴いてなくて、ほんとにテレビの洋楽番組とかで2ndアルバムの「Sing」を聴いたのが初めてでしたね。ファレル・ウィリアムスが共作もしてて、プロダクションもやってて、ボトムのキックとかが効いててモダンなプロダクションじゃないですか。だから相変わらずファレル・ウィリアムスはイケイケだなぁっていうのが最初の印象だったんです。ただあの時期にポップスではあまり流行らなくなったギターっていう音を上手く使ってるんですけど、特に「Sing」は半分アコースティックじゃないですか、それでウエハースのような“ザクッ”っていう凄く気持ちの良い音が鳴ってて、ポップソングで久々に良いギターの音聴いたなっていう。

ーどこからエド・シーランっていう存在に入っていきました?

田中:この人、本当に凄いんだと思ったのは3rdアルバムが出てからです。まず「Shape of You」って当時で言うとトロピカル・ハウスっていうトレンドがキテたんで、まあそれなのかな?と思ってたんですけど、ところがアルバム聴くと凄く色んなバリエーションがある。やっぱりリズミカルな曲をやったときに“これは、アイリッシュフォークの向こう側にあるケルティックフォークがルーツだ”とか“これはヨーロッパのルーツじゃなくて北アフリカとか西アフリカのサウンドを取り込んでるんだ”みたいな事が解って“あ、この人って生粋のフォークシンガーだ”って。尚且つ「Shape of You」って凄くモダンじゃないですか、でもあれ聴くとアフリカのサウンドも入ってし、メロディも7〜8種類出てきますよね。でもずっと4つのコードの繰り返し“あ、フォークミュージックの一番新しい形なんだ”と思ったんです。その時に“わかった!エド・シーランっていうのは2010年代のレッドツェッペリンなんだ!”って思ったんです。

ー歌詞の世界も独特、そして新しいというイメージがありますが

Anly:そうですね、エド・シーランの楽曲ってエドの人生を見せてくれてるっていうか、私に全然関係ない彼の友達とか、家族の名前とか出てくるんですけど、なんか物語を見せてくれてるようなところが凄く好きで、でも私たちの日常とリンクする部分、なんかロマンティックなことを言ってたりとか、誰かの事が嫌だとか、なんでこんな事するんだろう?とか葛藤みたいなものが、共感させてくれるところが凄い好きで。別れた彼女の彼に嫉妬してるとか、結構、嫉妬してる曲とか多いんですよね。歌いにくいじゃないですか、そういう事って。情けないじゃないですか。でもそれをグっとこらえて言ってるっていうか(笑)

田中:それもフォークミュージックの伝統で、人の愚かなところを歌ってあげることで笑い飛ばすみたいな。そういうフォークミュージックの伝統みたいなものが今のポップスの世界にはあんまりなくて、特に今の時代って”正しさ”が良い意味でも悪い意味でも重要視されるでしょ、でも“人間って大したこと無いよね”っていうのをフォークミュージシャンは歌ってきてる。それをやってる数少ないアーティストがエド・シーランだったりする。


■音楽評論家 田中宗一郎が思う「音楽史に残るエド・シーラン曲」TOP3!

3位「Nancy Mulligan」
彼のアイリッシュのルーツ、ケルトの音楽っていうのが見えてて、尚且つお爺ちゃんとお婆ちゃんの話。今ってポップソングが良い意味で政治的になりましたよね。そうなるとマイノリティな人たちって割とメッセージを発し易いんです。でも白人の男性っていうのは割と恵まれてた訳じゃないですか。だからどういうメッセージを歌ったら良いか難しい時代。でもエド・シーランは物語を通してメッセージを出そうと。アイルランド人であったが故にUK全体から決して良い扱いはされなかったお爺ちゃんとお婆ちゃんは、立場の違う男女だったので結婚するまで凄く大変だった。うちのお爺ちゃんとお婆ちゃんは助け合ったんだよって事を歌う事で間接的にメッセージを伝えてる。

2位「Bibia Be Ye Ye」
いまのイギリスの音楽の面白さってガーナとかナイジェリアからの移民の2世、3世が加わってるんですよ。それがUKのラップだとか色んな所に影響を与えてるんですけど、その西アフリカのアーティストと創ったのがこの曲なんです。そういうところが自分のフォークシンガーとして役割だと分かって創ってる。リズミカルで凄く楽しい曲です。

1位「Shape of You」
現代的なフォークミュージックであり、現代的な西アフリカのサウンドのバージョンであり、尚且つトロピカル・ハウスって当時言われてたEDM経由のトレンドみたいなものを取り込んでいる。凄くしっかりとした音響システムで大音量で聴くと、音の1つ1つがハッキリと別れてる。曲の半分ぐらいまで全くビートが出てこないんですよ、そこまでの例の3連符のフレーズから入ってくるビート、凄いですよ、あとブレイクのとこのギターね!

まだまだ話し足りないお二人。来週も『エド・シーラン』Part2!お楽しみに!


※この収録は大手町パークビル内 三菱地所の新オフィスで行なわれました。

PLAYLIST

Tenerife Sea / Ed Sheeran

Sing / Ed Sheeran

Perfect / Ed Sheeran

Castel On The Hill / Ed Sheeran

Shape of You / Ed Sheeran


※放送後1週間はRadiko タイムフリーでお聴きいただけます。

■Anlyさんの詳しい情報はオフィシャルサイト

次週は『エド・シーラン』のPart2!ゲストには引き続き シンガーソングライターのAnlyさん、音楽評論家の田中宗一郎さんをお迎えします。お聞き逃しなく!