2018.11.28 ON AIR
【矢野顕子 Part2】クラムボンの原田郁子さん、音楽評論家の宗像明将さん登場!

今週のレジェンドミュージシャンは『矢野顕子』Part2。ゲストには引き続きクラムボンの原田郁子さん、音楽評論家の宗像明将さんをお迎えしました。

■いちばん聴いたアルバム

宗像:1991年の『LOVE LIFE』っていうアルバムですね。カバー曲とか色んな曲が入ってるんですけど、ラスト2曲の「愛はたくさん」から「LOVE LIFE」の流れがとんでもないんですよね。このアルバムって愛と感情が渦巻いてるんですね。自分の持てる愛情をすべて注いで、相手の人に捧げるみたいな、そんなニュアンスで最後の2曲が展開していくんです。それまでに明るい曲とかいっぱい入ってるんですけど、ラスト2曲でいきなりそういうトーンに入っていくっていうのが、もの凄く衝撃で、ここの感動っていうのはもう何十年も経ってしまいましたけど、今聴いても変わらないですね。やっぱり90年代初頭の矢野顕子さんの表現の幅っていうのは凄まじいものがあっ『LOVE LIFE』っていうのが矢野顕子さんの表現の色んなものが詰め込まれているこの時代のひとつのマイルストーンだと思うんですね。

原田:いちばん最初に聴いた『SUPER FOLK SONG』がやっぱり自分にとってはすごく特別で、おそらく矢野顕子さんのすべてを網羅できてる訳でもすべてのアルバムが好きで聴いてきた訳でもないんですけども『SUPER FOLK SONG』と『JAPANESE GIRL』っていうのは凄く自分の中で大きかったと思います。『SUPER FOLK SONG』は映画の中で何回も自分の演奏にトライしてる姿っていうのが印象的で、そしてこのアルバムはいろんな方のカバーもされていて、私もほとんど知らない曲で、このアルバムを聴いてその後にオリジナルってどんな曲なんだろう?って後からオリジナルを聴いたりとか、そういう風に矢野顕子さんがカバーしたことで知れる人たち、その音楽の連鎖っていうんですかね。それを凄く感じてます。

宗像:例えば、佐野元春さんの「SOMEDAY」のカバーとかも入ってるんですけど、言ってしまうとまったく別物のようになっている、もう矢野顕子さんのものになっている。やっぱり矢野顕子さんがひとつ凄いのはカバーで自分のものにする力も凄いし、選曲も凄いんですね。矢野顕子さんで聴いて知った曲っていうのがもの凄く多いんですね。矢野顕子さんはオリジナルとカバーの区別があんまりない感じがするんですね。普通にアルバムにカバーが入ってる。そういうやり方も特徴的な事だし、それによって音楽をいろいろ知れたっていうのは大きいですね。

■宗像明将が選ぶ「矢野顕子をあまり知らない若い初心者に聴いて欲しい曲」TOP3!

3位 ごはんができたよ 
家族であるとか家庭だとかそういうものへの想いっていうのがにじみ出てくる感じですね。家庭っていうものを舞台にした曲っていうのが何曲かあるんですが、その中でもいちばん色んなものが詰まってる。

2位 ひとつだけ
ひとつだけでも何かをあげたいみたいな歌詞なんですね。切々とした愛の歌い方、矢野さんの愛情の捧げ方とか歌い方っていうのは他のひとにボキャブラリーとして出てこないようなものが割と出てくるんですよ表現として。それのひとつの真骨頂がこの曲ではないかと。

1位 David
歌詞を聴いてみると、いまは自分のもとに居ない人に向けての曲なんです。振り返りなんですよね。矢野顕子さんの歌には失ってしまったものへの想いっていうのが結構出てくるんですね。それが本当に美しくて、ポップスとしても非常に完成度が高い。


■いちばんの魅力

原田:壁とかラインとか、人の中にある先入観とか違和感とか、そういうものを縦横無尽に動き回ったり、移動したりしながら、結果、美味しいものにしていくっていう、なんか料理人として、それとそれとそれをひとつにしちゃうんだ、とかそういう達人じゃないですかね。

宗像:包容力っていうのを人間的にも音楽的にもお持ちで、それと同じぐらいスリルもあるんですね。もちろん即興でピアノを弾くスリルもあるし、色んな意味での音楽的なスリルっていうのを常に持っていて、この包容力とスリルを合わせ持ってる人ってそんなに居ないんですよ。

■キャッチコピー

宗像:矢野顕子とは…「すばらしい日々」である。
1994年にユニコーンの『すばらしい日々』をカバーしてシングルを出してるんですけど、そのシングルバージョンが本当に素晴らしいと。で、矢野顕子さんって21才の頃から今に至まで常に音楽活動をアップデートされている。常に今が新しい、常に今がフレッシュである。そこで我々を魅了して離さないということを込めて。
「すばらしい日々」って象徴的なワードだなと。

原田:矢野顕子とは…「自分の中にある違和感や先入観を美味しく料理してくれる」

ラストは『すばらしい日々』を聴いて2週に渡るレジェンド『矢野顕子』は締めくくられました。


■この収録は大手町にあります次世代オフィス「3×3 Lab Future」で行なわれました。

PLAYLIST

WATER WAYS FLOW BACKWARD AGAIN / 矢野顕子 

愛はたくさん(LOTS OF LOVE)/ 矢野顕子 

SOMEDAY / 矢野顕子 

David / 矢野顕子 

Folklore / クラムボン

すばらしい日々 / 矢野顕子 


※放送後1週間はRadiko タイムフリーでお聴きいただけます。

■クラムボンの詳しい情報はオフィシャルサイト

次回のレジェンドは、Newアルバム「カーペンターズ・ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団」がリリースされる『カーペンターズ』ゲストには、亀田誠治さん、野宮真貴さんをお迎えします。お聞き逃しなく!