2018.09.01 ON AIR
【アレサ・フランクリン】シンガーの福原美穂さん、音楽評論家の吉岡正晴さん登場

今週のレジェンド・ミュージシャンは、先月16日に76歳でこの世を去った“クイーン・オブ・ソウル”そして“レディ・ソウル”『アレサ・フランクリン』ゲストにはシンガーの福原美穂さん、音楽評論家の吉岡正晴さんをお迎えしました。

■アレサとの出会い

福原:出会いは中学生の頃。レンタルCDショップで試聴してたんですね。ソウルセクションがあってサム&デイヴとかモータウンのアルバムの中に、アレサのアルバム『LADY SOUL』があって、ジャケットの顔と髪のウィッグに惹かれて(笑)カッコイイなって思いましたね。そして1曲目の「Chain of fools」を聴いたとき、なんかトレモロが掛かってる怪しいギターから始まって、しゃくりながら歌っていく感じがカッコイイなって思って。私が育ってきた90年代はセリーヌ・ディオン、マライヤ・キャリー、ホイットニー・ヒューストンみたいな支流のディーヴァが居る中で、ああいったブルージーな曲を歌う人って居なかったんですね。こんな表現の仕方があるんだって心揺さぶられる瞬間でした。

吉岡:よくは覚えてないんですけど、60年代後半から70年代の深夜放送。そこで普通にトップ40の1曲として聴いてたと思うんですね。とにかく曲が良いんですよ。だからソウルとかR&Bとか意識せずに、歌が上手で、曲が良くてっていう普通にポップヒットとして好きだっていうレベルですよね。彼女の場合カバー曲を圧倒的に自分の物にしちゃうでしょ。何をカバーしてもアレサ印になっちゃうんです。「RESPECT」っていうオーティス・レディングの曲をアレサ流にして、オーティスがそれを聴いて“あ、この曲はこの子に取られた”ってシャッポを脱いだ。しかも自分の視点で女性目線の曲にしてしまうんですよね。それから最近スティーヴィーが言ってたんですけども、「Until You Come Back To Me」をアレサに提供したけど”彼女にあげちゃったらもう返してくれないんだ”って。アレサは人の曲をカバーするとカバーというよりもう強奪してしまう感じ。“全部私のものよ”っていうその我の強さみたいなものが解釈力の凄さっていうのを後から感じるようになったんですね。

■福原美穂さんが選ぶ「アレサのゴスペルフィーリング感じる曲」TOP3!!!

第3位「You've got a friend」
キャロル・キングの曲。すごくシンプルな曲を黒人の人たちがカヴァーするとこうなるんだな!って。アレサヴァージョンも凄くゴスペルフィールなんですよね。ライヴハウスでも大きなステージでもやっぱりそこに神様という存在があるなっていうのを感じる。

第2位「Amazing Grace」
ミュージシャン凄いなと思いますね。アレサがどう行こうと、そこにキーボード、オルガンの人たちがどうにでも絡まってついていく。ゴスペルの名曲ですけど、やっぱりアレサに歌わせたら誰もいけないみたいな(笑)

第1位「Bridge Over Troubled Water」
ごめん!サイモン&ガーファンクルって感じですよね(笑)彼らの世界観も良いんですけど、私はアレサの歌うこのバージョンが大好きだし、女性が母性の中でこの曲を歌うともう涙止まらない。

吉岡:これアレサが歌うとゴスペル曲ですもんね。元の曲なんだっけ?っていう感じ。こんなゴスペル曲あったっけ?っていう感じの解釈の凄さじゃないですかね。

止まらないアレサトークは次週へ続きます。お聞き逃しなく。


■この収録は大手町パークビル内 三菱地所 新オフィスで行なわれました。

PLAYLIST

Chain of fools / Aretha Franklin

Until You Come Back To Me / Aretha Franklin

(You make me feel like) A Natural Woman / Aretha Franklin

Amazing Grace / Aretha Franklin

Bridge Over Troubled Water / Aretha Franklin


※放送後1週間はRadiko タイムフリーでお聴きいただけます。

■福原美穂さんの詳しいライヴ情報はオフィシャルサイト

■吉岡正晴さんの『ソウル・サーチン・プレゼンツ・高山広のワンマン・プレイ
“劇励” ルーサー物語、アレサ物語』の詳しい情報はこちら

次回のレジェンドミュージシャンは『アレサ・フランクリン』の Part2。ゲストには引き続きシンガーの福原美穂さん、音楽評論家の吉岡正晴さんをお迎えします。お聞き逃しなく!