2018.08.11 ON AIR
【SEX PISTOLS】音楽評論家の大貫憲章さん、Czecho No Republicの武井優心さん登場!

今週のレジェンドミュージシャンは『SEX PISTOLS』ゲストには音楽評論家の大貫憲章さん、Czecho No Republicの武井優心さんをお迎えしました。

■ピストルズとの出会い

大貫:僕は76年に初めて『Anarchy In the U.K.』のレコードが出たときに輸入されたのを聴いて“すげえ!”と思った。情報が少なかったので、音楽雑誌でも裏が取れてなかったりするんですよ。あんまり露出が無かったんですよね。だから向こうの音楽雑誌とか新聞を見て知って、という感じですね。

武井:中学ぐらいにパンクロックが好きになって。というのも甲本ヒロトさんや真島昌利さんにすごい影響を受けて。で高校一年ぐらいだと思います、ルーツミュージック辿っていった中でPISTOLSと出会って、知ったときはもちろん解散していて、最初見た目とか“こりゃ間違いなくカッコイイバンドだ”と。

大貫:まず最初に写真が一枚だけあって、ジョニー・ロットンがへたり込んでしゃがんでる今となっては有名な写真なんですけど、バンドメンバーとかも写ってなくて、それを初めて見たときに、それまでのバンドとちょっと雰囲気違うし、なんか面白そうって思ってるうちに音に出会って、あーやっぱり凄いなって確信になって、でもああいう活動の過程を経て、わずか2年3年で無くなってしまうとは思わなかったですけども、ただし彼らのことは後世にもたぶん残るんじゃないかなぁぐらいは思ってましたけど、まさかこんなにね、てっぺんぐらい行っちゃうとは思いませんでした。

-----後世にもたぶん残るんじゃないかと思った理由は?

大貫:サウンド、ファッションから来るインパクト。それと社会が当時彼らについて持て余した。こっちからしたら痛快じゃん!みたいなね。ショウビジネスの常識みたいなものを裏切ってくれたな、みたいなところがありましたよね。

■ピストルズのファッション、そしてドキュメンタリーフィルム『NO FUTURE』

武井:最初聴いたときは、凄い勢いがあって、声に感情がもの凄い入ってんなっていうような..説教受けてんのかぐらいの(笑)当時、たまたまなんですけど、付き合ってた彼女がピストルズの分厚い写真集を持ってて、写真を見てファッションとか見た目で、もの凄い入っちゃった。あと『NO FUTURE』っていうドキュメンタリーフィルムのDVDを友達が貸してくれて、すごい人間らしい部分もたくさん見れたんでパンクといえど、可愛い部分も見えてより好きになりました。

大貫:いろいろ映像あるけど『NO FUTURE』がいちばん良いと思いますよ。ジョンのインタビューやいろんな人の証言なんかも入ってますし、なによりあの時代のイギリス、ロンドンで流行ってた音楽がいろいろ入ってる。ごちゃ混ぜになってそういう中からピストルズが生まれてきてるんだなっていうのがよくまとまってる。音楽好きな人があれを観ると、なるほどと思う。

■パンクアイコン シド・ヴィシャス

大貫:いわゆる後輩ですからね。しかも元々取巻きですから。ピストルズの親衛隊の隊長みたいなことをやってたと言われてますけど、それが結局はミュージシャンになって実際にピストルズという憧れのバンドに入った。でも、入ったは良いんだけど、いろいろスキャンダルにまみれた形で彼らの崩壊のお手伝いまでしちゃったみたいな。そういう意味では、とんだお騒がせマンでもある。でもそういうところやルックス、言動を含めて当時のパンクアイコンやロックアイコンになりましたよね。未だに大変な人気ですからね。

■『Anarchy In the U.K.』をカバーして気付いたこと

武井:やっぱり曲の構成がすごいしっかりしてるなって。まずギターソロの部分が2回あるのにびっくりしたのと、そのギターソロのときだけちょっと転調してまた戻るんです。どっちのソロも違和感ないというか、不思議だなぁって。意外と音楽集団なんだなって感じがしました。

■セックス・ピストルズという物語

武井:バンドというものを飛び越えて物語として凄いなぁというのがある。ロットンのカリスマ性とかもありますし、シドが若くして死んじゃったとか。運命に導かれてこのバンドが生まれて消えていったみたいな、ひとつの映画みたいな感じが、やっぱりみんなの心に残ってるんですかね。

■キャッチコピー

大貫憲章さんのSEX PISTOLSとは…「大きな間違い」
僕らに届くあいだにきっといろんな間違いがあって、本人たちが実際やろうとしたこととかっていうのは意外と影に隠れてて、メディアが勝手につけたようなイメージだけが、まさにパブリック・イメージが僕たちのところにきて、僕たちはそれを待ち望んでたかのように受け取って、楽しんじゃった。でも、それもミュージックビジネスの中では有りなんじゃないかなと思いました。

武井優心さんのSEX PISTOLSとは…「美しき悪役」
悪役って言っても色んな悪役が居るじゃないですか。なんかピストルズは心のピュアさとか、マルコムにハメられたっていうか動かされて、操り人形になってたところもあると思うし、アイデンティティと戦ってた部分もあると思うんですけど、でもそれ含めてエピソードとかストーリーが結局全部美しい一個の物語になってる。


■この収録は大手町パークビル内 三菱地所 新オフィスで行なわれました。

PLAYLIST

Anarchy In the U.K. / Sex Pistols 

EMI / Sex Pistols 

God Save the Queen / Sex Pistols

Holidays in the Sun / Sex Pistols 

No Feelings / Sex Pistols 

Bodies / Sex Pistols 


※放送後1週間はRadiko タイムフリーでお聴きいただけます。

■Czecho No Republicの詳しい情報はオフィシャルサイト

次回のレジェンドミュージシャンは『山下達郎』ゲストにはゴスペラーズの黒沢 薫さん、never young beachの阿南智史さんをお迎えします。お聞き逃しなく!