2017.11.04 ON AIR
【NIRVANA】MO'SOME TONEBENDERの百々和宏さん、ユニバーサル・ミュージックの安田秀明さん登場

今週のレジェンド・ミュージシャンは『NIRVANA』。ゲストにはMO'SOME TONEBENDERの百々和宏さん、そして当時、日本のディレクターを努めていたユニバーサル・ミュージックの安田秀明さんをお迎えしました。

ニルヴァーナは“10代の終わりの青春みたいなところがありますね”という百々和宏さん。18歳ごろに音楽に詳しい洋楽好きの先輩に“最近はこういうのが流行ってるぞ”と聴かせてもらったのがニルヴァーナだったそう。“後にグランジと呼ばれるようなAlice in Chains、Soundgarden、Mudhoneyなんかを聴いた中でもいちばんNIRVANAがピンときましたね。ハードなんですけど、声がいいし、メロディがいい、キャッチーだなと。当時はまだメタルを引きずったバンドが多い中、パンキッシュで爆発力があった。メタリカもガンズも聴いてたけどなんか面白くないなと思ってたときだったのでドンピシャでしたね”と。いちばん聴いたアルバムは来日記念版の「HORMOANING」。“NEVER MINDはみんな持ってたので友達のところで聴けるなと思って。その中でもヴァセリンズのカヴァー曲「Molly's Lips」がいちばん好きですね。シンプルの極地。この頃ってバンド自体も楽しそうにやってる感じがあっていい“とおっしゃっていました。

当時、ニルヴァーナがメジャーデビューするタイミングで、日本のディレクターを担当することになった安田秀明さん。“最初「Smells Like Teen Spirit」が一曲だけ入ったカセットテープが送られてきたんです。そのとき一緒に送られてきたのがプレスリリースのアーティスト紹介と、モノクロのアーティスト写真が一枚だけだったんですけど、音を聴くまえに写真だけ見て、あちゃー、、汚い、、場所も路地のゴミ箱の上に腰掛けているような、、これはちょっとどうかなぁ、、と思って音を聴いてみたらけっこうカッコイイなと思ったんですね。でも、いわゆる王道のハードロックではないし、Jwaveでもロックはかからないし、当時ロックシーンを引っ張っていた活字メディアにウケないと。というのがあったので、いくつか雑誌を思い浮かべたんですけど、ハマるところが無くて、なかなか持って行きづらいなっていうのはありました。そんな中、アメリカで彼らを熱烈に支持しているアーティストが居て、メタリカだったりソニック・ユースだったりが今いちばん注目していると言われていたので、セールストークに使えるな、みたいなところがあって本当はやっちゃいけない反則技でCDの帯に「あのメタリカも一押し」って、他のレーベルのアーティストの名前を許可もなしに勝手に使っちゃいました(笑)最初はアメリカやヨーロッパが盛り上がってたので、日本も早く追いつけと向こうからのプレッシャーがすごかったんですね。とにかく毎日毎日尻を叩かれているような状況で、なんとかしなきゃ、の毎日だった”とおっしゃっていました。そんな安田さんが個人的に好きな曲はセカンドシングル「COME AS YOU ARE」やっとセールスが伸びていったときにリリースされたこの曲に癒されたそうです。

MTVアンプラグドに出演したときのニルヴァーナについて百々さんは、
“素晴らしかった。声ですかねぇ、カートのハートと声と言葉がすごく一体化している。ビッグになるアーティストってどこか自分をつくってたりとか演じる部分って必ずあると思うんです。でもカートはそういった部分をあまり感じないんですよね。本当に自分の心の中から沸き上がってくるものだけで音楽と言葉を紡いでるような。だから強いんだなって感じます”と。

“カート・コバーンはロックスターにはなりたくなかったと思うんですね。彼は表現者になりたかった。自分の内側から溢れ出てくる表現欲求みたいなものを出したいと。それが結果的にロックシーンを変えたとか色々なことを言われて、どこか彼の思っていた未来と違った方向に行ってしまったのが、結果的には良くなかったと思うんです。”と安田さん

まだまだ続くニルヴァーナトーク。来週もお楽しみに!


■この収録は丸の内にあります「3×3 Lab Future」で行なわれました。

PLAYLIST

DRAIN YOU / NIRVANA

BLEW / NIRVANA

COME AS YOU ARE / NIRVANA

MOLLY’S LIPS / NIRVANA

ALL APOLOGIES / NIRVANA

THE MAN WHO SOLD THE WORLD / NIRVANA

TERRITORIAL PISSINGS / NIRVANA


※放送後1週間はRadiko タイムフリーでお聴きいただけます。
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次回のレジェンドミュージシャンは引き続き『NIRVANA』のPart2。ゲストにはMO'SOME TONEBENDERの百々和宏さん、そして当時、日本のディレクターを努めていたユニバーサル・ミュージックの安田秀明さんをお迎えします。お聴き逃しなく!