TOPPAN FUTURISM

ON AIR DATE
2017.06.25

ゲストは、演出家の宮本亜門さんです。

国内外で、ジャンルレスな舞台演出を行う演出家の宮本亜門さんに、
『舞台の未来』について伺います。


宮本亜門 (@amonmiyamoto) | Twitter


FUTURISM813 (@futurism813) インスタグラムは こちら

SONG LIST

  • Skyline
    Broken Social Scene
  • I DARE YOU
    THE XX
  • Rainy Night In Tokyo
    Michael Franks
  • HANG LOOSE
    Alabama Shakes
演出家の宮本亜門さんとの話を通じて見つけた、未来を創る鍵。
それは、
<生臭さの探究>

ミュージカル、ストレートプレイ、オペラ、歌舞伎など、
ジャンルを超える演出家として国内外で活躍されている宮本さん。
2016年、世界で初めて能と3D映像を融合させた
『幽玄 YUGEN:The Hidden Beauty of Japan』をシンガポールで上演し、
話題となりました。
目指したのは人間と映像テクノロジーの融合、
そして能の中にある自然や人間の生々しさを3Dで表現すること。

宮本さんは「目に見えないものに興味がある」と言います。
目に見えないものこそが人間に一番影響しているものであり、
精神や感覚の中に潜む“生々しい何か”であるからです。
演出がそこに触れた時、
「お客さんが感動した理由すらわからない舞台になる」とのこと。

デジタルに浸っていると、
人間は肉体を持っていること、生きていることの実感を本能的に求めるようになる。
僕はそう考えています。
ライブや舞台に足を運ぶ人が増えているのも、
その一端ではないでしょうか。

客席もなく出演者も巨大な空間の中で一緒になる「イマーシブ・シアター」は、
観客と出演者の線引きがありません。
鑑賞ではなく感じ合いたいがためにスタートした演劇の原点のようなアプローチであり、
「主体的に参加する意識」を醸成したデジタル社会の産物に映ります。
観客が演劇に参加することで、
生々しさを体感できることも魅力なのでしょう。
人間の中にある生々しさ、生臭さ。
宮本さんが一貫してこだわられているのは、
それを表現することです。

「予定調和な演出はつまらない」と考える宮本さん。
ギリギリまで追い込んだ演出によってあぶり出される面白さや、
予定調和を超えてしまった時に起こる感動。
そこにあるのはやはり、生々しさや生臭さです。
人工知能演出家が登場したとして、
そんな予定調和に収まらない演出ができるのでしょうか。

生臭さこそが人間の魅力なのだということを、
テクノロジーが気づかせてくれていると思えます。
おっちょこちょいでもどこか憎めなかったり、
アクシデントを通じて人がひかれ合うこともたくさんあります。
負が正に反転する不思議とでも言いますか。

ロボットや人工知能には持ち得ない生臭さこそが人間らしさ。
だからこそ、自分の中の生臭さを探究し、
それを個性として育ててみませんか。

小川 和也
TOPPAN