TOKYO TATEMONO
MUSIC OF THE SPHERES

ピアニスト、角野隼斗が音楽を通した様々な”出会い”を語る20分

2024.05.19
映画「オッペンハイマー」、久石譲

ニューヨークを拠点に活動するピアニスト・角野隼斗が
音楽を通した様々な”出会い”をもとに選曲と語りをお届けする
「TOKYO TATEMONO MUSIC OF THE SPHERES」

今回はニューヨークで見たという映画「オッペンハイマー」のお話と
最近角野がお気に入りの音楽をお届けしました。

率直に「良い映画だった」という映画「オッペンハイマー」。
元々研究をしていた角野、研究者がまだ知らなかったもの知りたい、
できなかったものをできるようにできるようになりたいという純粋な好奇心で日々研究しているのを自身も経験し、だからこそ感情的にできるようなところもあったと振り返る。

歴史観についても、海外に出るようになって自国から見た歴史だけでなく、他国から見た歴史の視点も存在することをわかった瞬間に歴史が面白くなったという。

幼少期は数学や音楽に興味があって、歴史はどこか現実味のないものに感じていたそうだが、最近は色々な視点を学ぶことで現実味を持って感じられるようになったと語る。

映画「オッペンハイマー」の音楽を手掛けているのはスウェーデンの音楽家、Ludwig Goransson。
1曲目に映画「オッペンハイマー」から、
Ludwig Goranssonの「Can You Hear the Music」をセレクト。

監督のクリストファー・ノーランの映画は時間を操るものが多く、この音楽を聴いていると、テンポが変わり続けることによって時間が平行して、異なる時間が平行して死んでるような感覚になる。それがどんどん切迫していって、後戻りできないところまで進んでいってしまうというような、映画音楽としても、音楽単体としても、すごい曲だなと思ったと語る。

最近は映画「サイレントラブ」、日曜劇場「さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜」など映像作品にも関わることが多くて嬉しいという角野。
映画「サイレントラブ」の音楽も手がけた久石譲について、映画音楽ももちろん、元々 ミニマルミュージックと呼ばれるジャンルの立ち位置にいる作曲家の方で、クラシックの作品もたくさん作曲されているんですと言及。

去年、久石譲のコンサートを見に行ったそうで、そのコンサートは映画音楽ではなくクラシックの演奏をするコンサートだったそうで、その時好きだった曲がこの度リリースされるということで選曲した。

Viola Saga: Movement 2 / 久石譲, ウィーン交響楽団&アントワン・タメスティ

1曲目に選曲したLudwig Goranssonの「Can You Hear the Music」とも似ていませんか。とも語る。

この曲は久石譲のハーモニーのセンスと、同じ音形が繰り返されるというミニマルミュージックの特徴がうまく組み合わさって心掴まされえる音楽だと語った。


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MUSIC SELECT by 角野隼斗

1. Can You Hear the Music / Ludwig Goransson
2. Viola Saga: Movement 2 / 久石譲, ウィーン交響楽団&アントワン・タメスティ

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