2023.12.17 ON AIR
日本の本物とその作り手の声ご紹介するTDK VOICES FROM NIHONMONO。
中田英寿さん岡山県の旅の模様をお届け。
今回は、備前焼の人気陶芸家・伊勢崎晃一朗さんにお話をうかがいました。
備前焼の特徴は、その土地でとれた土を、薪を使って窯で焼き上げること。電気やガスの窯ではなく、薪を使って火をおこし、その炎や薪から出る灰を利用します。
そして、夜中も交代しながら薪をくべ続け、窯をたく時間は早いもので1週間、長い場合は2週間にもなるそうです。
そして、備前焼のもうひとつの特色は、 色や光沢を出してくれる「釉薬」を使わないこと。
薪が燃えてできた灰や、その炎の加減で、出来上がる作品は窯詰めでどこに何を置くかということを設計していくことで焼き加減をコントロールしています。
備前市で制作を続ける伊勢崎晃一朗さん。
お父様、伊勢崎淳さんは、備前焼の重要無形文化財保持者・人間国宝に認定された方です。
備前焼の最高峰の家に生まれ育った晃一朗さん、何かを作りたいという願望はあったのですが焼き物をやるという選択は最初なかったそう。ですが美術大学を出た時には、土への関心が大きくなっていたといいます。
アメリカの陶芸家、ジェフ・シャピロさんのもとで2年間、陶芸を学んだ晃一朗さん。
「土とセッションをしてる感じ」と表現されているアプローチ、土と一緒になって作ってる点に惹かれたそう。
以前は、備前焼の仕事をする方が産地に、400人から500人ほどもいらっしゃったそうですが、
今は200人ほどになっているということ。
ただ、伊勢崎さんは、「この焼き物は 本当に面白いので、絶対になくなることはない」と。