2023.04.30 ON AIR
日本の本物とその作り手の声ご紹介するTDK VOICES FROM NIHONMONO。
中田英寿さん愛知県の旅の模様をお届け。
今回は、”三河みりん”を製造する「角谷文治郎商店」をご紹介しました。
愛知県の三河地方に位置する碧南市で、明治時代に創業した「角谷文治郎商店」。
3代目の代表の角谷利夫さんにお話をうかがいました。
尾張三河の大地というのは、もともと年間を通して豊かな農産物の産出がある恵まれた大地だったそう。
その豊かな大地で収穫されたものを さらに美味しくいただくため、江戸時代・末期明治の初め頃から大掛かりな酒作りが行われていました。
酒蔵が多かった為に、焼酎を作るときに使われる 酒かすが簡単に手に入り、
その酒かすを集めてきて焼酎作りをして、かすとり焼酎で”みりん”として発展してきたというわけです。
蒸した「もち米」と「麹」と「焼酎」をあわせて仕込み、タンクの中で3ヶ月ほどゆっくり熟成させていきます。ここでできた「もろみ」を絞って作られた「みりん」を1年ほど熟成。そんな過程を経て完成するのが『三河みりん』です。
さらに、みりんの製造過程で出る「かす」は、名古屋の守口漬けで原料として使われるんだとか。
角谷文治郎商店では 原料のお米にもこだわっていて 、有機米を使ったみりんも製造してきました。
おとしい素直な味わいですが、口の中に全体に広がって綺麗な伸びがある逸品。
「有機米の場合は稲自身がゆっくり、その田んぼの栄養分をバランスよく丸ごと吸収する。それが大人しさ、素直さにつながるのかな」とお話されていました。
世界に通用するみりんにしたい、と言葉にされていた角谷さん。
「 ブドウ糖や水飴で増量されたものがみりんだと世界に紹介される前に、しっかり”お米のリキュール”として紹介されたい。」
https://mikawamirin.jp