2022.06.26 ON AIR
日本の本物とその作り手の声ご紹介するTDK VOICES FROM NIHONMONO。
今回は中田英寿さんが、長崎県の離島・壱岐島にある日本酒と焼酎の酒蔵
「重家酒造」を訪ねた模様をお送りしました。
壱岐島があるのは、九州の北。玄界灘の沖で長崎空港からは飛行機で30分ほどの距離です。とても景色が良い島で、
長崎で2番めに広い平野があり、焼酎の原料となるお米と麦が作られているなど農業も盛んです。
コバルトブルーの海にかこまれた島で日本酒と焼酎をつくる重家酒造。
代表取締役で 焼酎の製造責任者=いわゆる杜氏の横山雄三さん。そして、雄三さんの弟で専務取締役、
日本酒の杜氏をつとめる横山太三さんにお話を伺いました。
平成2年・3代目の時に大手の日本酒メーカーに押されてしまい、杜氏の高齢化も含めて一旦日本酒作りをやめるような感じになってしまいます。ですが、お父様が日本酒作りをやりたい想いがあるのではと感じたこと、島で2軒しかなかったもう1軒の蔵が日本酒をやめたことが重なり復活を目指すことに。
復活に際して横山太三さんは、ご自身がそこのお酒がとても好きだという山口県の澄川酒造場で5年間。
さらに、そのほか数多くの酒蔵で、酒造りを学ばれたそうです。
そして2018年 壱岐の島に新たな日本酒の蔵を建て、島での日本酒づくりが復活しました。
1年目は酒になるかが心配で、がむしゃらに寝ずに作ったそうです。
「1にこうじ、2にもと、3につくり」という言葉から もう1度麹を見直して麹を軽く作ることで、甘いけど切れのある酒に少しずつ変わってきてると思うとおっしゃられていました。
重くなく香りもある程度あって、飲んだときにすっと消えていくフレッシュ&ジューシーなお酒、
1杯目に飲んでもらって美味しい酒を目指しています。
壱岐島では麦焼酎がメインで作られています。重家酒造では米麹を使っており、そこに麦をかけています。
米は年貢で取られていた所にに蒸留文化が伝わり、麦で焼酎を作ろうというところから麦焼酎が始まりました。
蒸留の方法には、蒸留器の中の圧力について通常の圧力でおこなう「常圧蒸留」と
圧力を下げておこなう「減圧蒸留」があり、「減圧蒸留」だと軽やかな口当たりになるそうです。
そして今、この「減圧蒸留」で作った焼酎「ちんぐ 夏上々」が人気になっています。
壱岐焼酎が麦焼酎の発祥というのも知らない人・ピンとこない人が多いので、壱岐のことをまず知ってほしいという
課題も。壱岐のお酒・お魚・お肉など、壱岐の魅力は色々あるので、それもあわせて発信していきたいというお話でした。
焼酎では、さきほど取材シーンでも話が出てきていた
「ちんぐ」という銘柄や、雪に九州の州と書く「雪州」という銘柄を出されています。
日本酒は、純米大吟醸「よこやまゴールド」・純米吟醸「よこやまシルバー」といった銘柄がメインで、
それぞれ酵母の違いで様々な味わいのお酒となっています。
また、上皇后様にちなんだ酵母「プリンセスミチコ」を使った「よこやま 純米大吟醸 プリンセスミチコ」という
日本酒もおすすめ、ということです。
それぞれ販売されているお店については、重家酒造へお問い合わせください。
https://www.omoyashuzo.com