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12 11/22 UPDATE


 東京下町には昔ながらの街並みがそのまま残っている所は、ほとんどありません。関東大震災や大空襲などでその大部分が焼け野原になってしまったからです。ですが、そこに暮らす人たちの努力で、出来る限り街の風景を変えないようにしている場所はいくつかあります。そのひとつが、葛飾区柴又の帝釈天参道。柴又駅から帝釈天までのおよそ200メートルの商店街です。川魚料亭、団子屋、せんべい屋、くずもち屋、漬物屋、駄菓子屋、神仏具屋・・・。まさに昭和初期にタイムスリップしたかのような街並みです。映画『男はつらいよ』の主人公・寅さんのおいちゃん、おばちゃんが経営するだんご屋「くるまや」もこの参道にあるという設定です。そのモデルとなったと言われている「高木屋老舗(たかぎやろうほ)」のご主人、石川さんにお話しを伺いました。

こちらは木造で瓦屋根ですごく歴史を感じますが、どのくらいの歴史があるんですか?

「帝釈天に参詣にいらっしゃるお客様を対象として、明治時代に創業しました」

この参道にはお団子屋さんが多いですね。何か理由があるんですか?

「このあたりは良くお米がとれたんですね。お米を伸ばして焼けば“おせんべい”、丸めたら“おだんご”なんですね。ですから、ここの参道にはおせんべい屋とお団子屋が多いんですよ」

まさに昭和初期にタイムスリップしたかのような街並みです。 柴又駅から帝釈天までのおよそ200メートルの商店街。

『男はつらいよ』 の だんご屋「くるまや」のモデルとなったと言われている 「高木屋老舗(たかぎやろうほ)」。 明治元年創業の老舗だんご屋さんです。

お店にはできたのおだんごが並んでいます。

店頭では、お土産用に箱詰めされたものも販売しています。
ハリー君もさっそくお土産選び。

そうなんですね〜。さっそく頂いてよろしいでしょうか?

「どうぞどうぞ。まずは焼き団子が召し上がってください。関西ではみたらし団子と呼ばれるお団子ですね」

うーん。見た目よりタレがしつこくなくて美味しいですね〜。
どんなこだわりがあるんですか?


「お砂糖、お醤油、みりんのほかにあるものを混ぜているんですが・・・」

企業秘密ですね!(笑)

「そういうことではないんですが(笑)。全国的にみると柴又の焼き団子のタレは、中間くらいの濃さなんですね」

もちもち感もたまんないですね!

「お団子は、お米の新粉(しんこ)が原料なんですが、うちは生新子を使っているんです。それで、お米なのに餅米みたいなもちもち感があるんですね」

こちらのお団子は?

「草団子ですね。よもぎの新芽を使ったお団子です」

あんこがのっていますね。

「つぶあんです。変な話ですが、昔、物が無い時代は色々なものを混ぜて量を増やしていた団子屋さんもあったようですが、うちは“本物を使っていますよ”ということを表現するためにつぶあんにしているんです」

作り方は昔と今で何か違うんですか?

「うちのお団子の製法は創業当時と一緒です。添加物は一切使っていません」

うーーーーん。あからさまに甘くなくてとってもエレガントな味ですね。NICE ONE!
お茶はどういうタイミングで飲んだらいいんですか?


「召し上がる前に一口飲むと、つっかえ難くなるのでいいと思いますよ」

高木老舗のお団子は創業当時から変わらぬ製法で作られています。 生新子を使っているので、 もちもち感がたまりません。

うーーーー ん。あからさまに甘くなくてとってもエレガントな味ですね。 NICE ONE!

こちら高木屋老舗さんは、映画「男はつらいよ」の撮影のたびに、山田洋次監督やスタッフ、俳優さんが、ロケのスンバイとか休憩、衣装替えなどで利用していたそうですね。どんな思い出がありますか?」

「まず、柴又というのは地名に又がつきますね。子供の頃はそのせいで馬鹿にされていたんですが、『男がつらいよ』がヒットしてからは、“ああ、あの柴又ね!”ということで馬鹿にされなくなったという思い出がありますね(笑)」

寅さんの影響力はすごいですね!こちらのお店の壁には渥美清さんや山田監督、歴代のマドンナの写真も飾ってありますが、それだけでなく、記念品も沢山飾られていますね?


「寅さんは、全国でロケをしますでしょ。そのお土産という形で頂いた記念品です」

実際の渥美清さんは、どんな方でしたか?

「実際は、寅さんとは真逆で礼儀正しい紳士な方です。撮影のとき、ほとんどの俳優さんは黒塗りのハイヤーでいらっしゃるんですが、渥美さんだけは必ず電車でいらっしゃって、そーっと通りを歩いて、路地を曲がっていく・・・。そんな感じでしたよ」

大スターなのに!電車で撮影に!すごいですね。

「いつも寡黙であまりしゃべらないんです。撮影の出待ちをうちの店でしていた時、人手が足りなくなっていた様子を見た渥美さんが“いらっしゃいませ!”なんて呼び込みをしてくださったり、お正月の呼び込みのテープを誰の声で録音しようか、なんて相談していたら“ちょっと貸してごらん”って、ギャラなしで録音してくださいました。すごく人情に厚い方です」

柴又の方々と家族のような関係を作っていたからこそ、ああゆう演技ができたんですね。

寅さんは全国でロケをする際に
お土産という形で記念品を高木屋老舗に贈っていたそうです。

寅さんは、 撮影の出待ち中 に、“いらっしゃいませ!”なんて呼び込みをしてくださったり、 人情に厚い方でした。と店主の石川さん。

店内の壁には渥美清さんや山田監督、歴代のマドンナの写真も飾ってあります。

店内のあちこちに寅さんからの記念品があります。

「ここに軒を並べている商店は、みんな裏が住居になっていて、ここに住んでいるんですね。街中が家族のような関係です。隣の夕御飯が何かも分かっているような」

そうなんですね!街並みだけでなく、人情もしっかり残っているのが柴又の良さなんですね。

「はい。私たちは“変えない開発”って言ってるんです。変えないことを開発していくという意味で。例えば、見た目は昔のままで耐震や防火に強い店舗になるように工夫して対策をしています。高い建物も建てないようにしています。伝統を守りながら、活性化させるのが今のテーマですが、すでに次の世代の人たちがそういう気持ちを引き継いでやってくれています。30代の人たちを中心に」

“変えない開発”、素敵な言葉ですね。それが受け継がれているというのも凄いですね。

「言葉で伝えなくても映画で残っているんです。『男はつらいよ』を観れば、昔の街並みや人情の温かさが分かるんです。それが大きいんですね」

今回お話を伺った
高木屋老舗(たかぎやろうほ)」のご主人、石川さん。
昔ながらの街並みと人情を今も残す帝釈天参道。人情という目に見えなくてマニュアルもないものをどう伝えるか?
エンターテイメントには、その力があるということを改めて再発見した取材でした。お団子、ご馳走様でした。

information

高木屋老舗
住所:〒125-0052 葛飾区柴又7-7-4
営業時間:AM7:30〜PM6:00
お問い合わせ先:03-3657-3136
http://www.takagiya.co.jp/